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2019年2月3日 6/4℃ 曇りのち雨




今日は個人的な調査に繰り出す予定でしたが午後から天気が崩れる予報でこちらをキャンセル。

特にあてもなくフィールドを回ってみたもののスナップ写真を撮った程度で観察と言えるような観察はできませんでした。

 

 

そのため今回の日記は先週午後のお話。
前回の日記はヒメハジロの観察記でしたが、今回はその後に出会った鳥たちについて綴りたいと思います。

正午過ぎまでヒメハジロを観察していましたが、特に変わった行動が見られなかったことから観察を切り上げて場所を移動。


徒歩でブラブラしていると灰色味を帯びた鳥が突然目の前に現れました。

 

小さいとも大きいとも言えないサイズで枝被りだったこともあり一瞬何者であるのか分かりませんでしたが、よく見てみるとハイタカ♂であると判明。

 

 

カメラを向けても特に気にする様子もなく枝に止まっています。

ハイタカは飛翔している姿を見ることが圧倒的に多く、このようなシーンを見慣れないせいもあってか同大サイズのチョウゲンボウよりかなり小さく見えました。

様々な角度から観察していると首を上下に動かし飛び立ちそうな気配。

 

 

そう思った途端、獲物を見つけたのかこちらに向かって飛んできました。

 

 

林の奥に姿を消したためその後の様子は見てとれませんでしたが、森林性のハイタカらしい行動を目の当たりにし飛翔能力の高さを見せつけられた瞬間です。

もう少しじっくりと観察したいところでしたが、林の奥から出てくる様子がなかったため場所を移動。

 


移動した先で目にしたのは地面に降りているコミミズクでした。
しかし発見が遅れたこともあり、私との距離は2mほど。
正に目と鼻の先といった距離。

耳のように見える羽角が立っていなければマクロレンズで接写できるほど近寄れるコミミズクですが、この時は羽角が立っており警戒心が強めの様子。

撮影する間もなく飛び立ってしまいました。

頭上をヒラヒラと飛び回ったコミミズクは少し先の杭の上へパーチ

 

 

コミミズクについては1月2日の日記でも話題にしましたが、今回は少し違った角度でお話したいと思います。

先ずはコミミズクについて簡単に説明すると大きさは38cmで同じフクロウの仲間であるトラフズクと同サイズ。

参考までにトラフズクとコミミズクの画像がこちら。

【 トラフズク 】

【 コミミズク 】


 

トラフズクの羽角は大きいのに比べてコミミズクの羽角は小さく、この小さな羽角が和名の由来になっているようです。

トラフズクは留鳥または標鳥として一年を通して見られますがコミミズクは秋に渡来する冬鳥。

トラフズクは夜行性で昼間は樹上で寝ていますがコミミズクは日中に狩りを行うことがあり、この時も杭の上で獲物を物色しているようでした。

 

 

獲物を見つけたのか杭の上から飛び立ちましたが、コミミズクの翼はその時々によって形が違って見えるのは私だけでしょうか?

 

丸く見える時もあれば尖って見えることも・・・

 

 

辺りをヒラヒラと飛び回ると頭上を行ったり来たり。

頭部から上面は黒、橙、白の複雑な模様をしていますが、飛翔時に下から見るとノスリと似たような色合いをしていることが分ります

 

 

色合いこそ似ているもののノスリとは飛び方が全く違うので、一度でも飛翔シーンを観察することができれば飛び方だけで見分けることができるのではないでしょうか。


辺りを飛び回り獲物を探していたコミミズクはトビに追われて徐々に高度を上げ飛翔しました。

一年を通して観察できる猛禽に比べ、かなり高いところまで上昇する姿を見ると渡り鳥であることを実感させられます。

大きく旋回した後、コミミズクは高度を下げてホバリング。

 

 

ホバリングしながら少しずつ場所を移動すると突如急降下を見せ獲物を捕らえたようです。

この時の行動が同じエリアでネズミを狩るチョウゲンボウと違い、獲物に覆い被さるような姿勢で暫くモゾモゾしていました。

画像を拡大。

 

 

チョウゲンボウは獲物を捕らえると直ぐに飛び立ちますが、コミミズクが獲物を捕らえた時はこのように地面に居る時間が長いようです。

獲物を捕まえ飛び立つ姿を拡大すると足にはネズミの姿が・・・

 

足に着目したついでにお話をすると、コミミズクを観察するうえでじっくりと見たいのが獣のような足。

冷寒地仕様の足は指の先までびっしりと細かな羽毛に覆われていて、鳥とは思えないような足をしています。

以前観察したライチョウにも同じような特徴が見られました。

一年を通して高山帯で暮らす為、厳しい環境にも耐えられるようこのような足をしているのだと思います。

 

【 ライチョウ 】

【 コミミズク 】


 

ネズミを狩ったコミミズクは近くの杭に止まろうとしましたが、この時ネズミを誤って落としてしまう瞬間を目撃。

直ぐ拾いに行くかと思いきや、落とした獲物に執着することはせず再び狩りを始めるコミミズク。

 

 

その後もう一羽のコミミズクが現れ『 キャウ キャウ 』という鳴き声を上げながら周囲を飛び交う姿が見られました。


コミミズクがこの地を離れ繁殖地へ戻るまであと約1ヶ月。

 

今回は“行動”という部分に拘って観察をしてみましたが、コミミズクの観察についてはまた違った面白さもあるので機会をみて別角度からの観察に挑みたいと思います。

今日の観察日記はこれにておしまい。