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2022年10月3日

 

 

 

本日更新する日記はジシギの観察記。

 

8月に入って以降、継続的にジシギの観察を続けていますが8月29日付けの日記ではオオジシギの観察記を更新しました。

 

内容としては種の同定に迫ることができず今後も観察を続けたいと書き記しましたが...

 

 

消化不良の観察は現在も続いたまま。

その原因は進まない畦の草刈りにありました。

 

綺麗に草刈りの進んだところもある一方、ほとんどの畦は草がボーボーの状態。

 

限られた場所の中から観察しやすい個体を探し出さなくてはならず、9月4日の観察ではそれなりに見ることができたのはこちらの個体のみ。

 

 

近からず遠からずといった程好い距離での発見。

 

畦を登ったり降りたりしながらミミズを補食する様子を見ることが出来ました。

 

 

これからの長旅に備え採餌に余念がないといったところでしょうか。

胸部から腹部にかけての肉付きが良く、たっぷりと脂肪を蓄えているようです。

 

嘴に絡み付くミミズを丸飲み。

 

 

識別の要となる外側尾羽を撮影するべく終始ファインダーを覗いていましたが...

 

見えない。

 

 

見えない。

 

 

見えない。

 

 

見えない。

 

何故か私の観察においては正面を向いているケースが多く、最大のチャンスである伸びの格好をしても外側尾羽を見ることが出来ません。

 

 

とは言っても羽衣の特徴や体のバランスからオオジシギであることは判断つきますが、やはり要の部分を見ることが出来ないことに歯痒さを感じます。

 

一方で腋羽はよく見せてもらえました。

 

 

こちらのオオジシギは事故がなければ越冬地であるオーストラリア東部に到着していることでしょう。

 

近年はオオジシギの渡りのルートを解明するため様々な調査が行われており、日本を旅立った個体が5日間ノンストップで飛び続けオーストラリアに到達したという結果が得られたそうです。

 

一度も陸地へ降りず飛び続けたとなると体力は極限まで失われ下手をすると餓死しかねません。

 

 

オーストラリアへ辿り着いて間もない個体はガリガリに痩せ細っているそうです。

 

何もせずとも5日間飲まず食わずを強いられた時、厳しい状態であることは容易に想像出来ますが、絶えず運動を続けなければならないとなるとその厳しさは計り知れません。

 

過酷な渡りを繰り返しているオオジシギは年々数を減らしています。

これはオオジシギに限ったことではありませんが原因のほとんどは人間由来。

 

当ホームページでも事あるごとに環境保全の重要性についてお話している通り、地球規模で考えなければいけない時期に直面しています。

 

 

壊すのは簡単ですが一度失われた自然を元に戻すのは容易でありません。

 

鳥類そのものの数が急速に数を減らしている今、何故こんなにも自然災害が多くなり住みにくい世の中になってしまったのか改めて考えるべきではないでしょうか。

 

開発が人間の暮らしを豊かにするという考えを捨てなければ近い将来更に大きなしっぺ返しを食らうはず。

 

 

『〇〇年に一度』という災害が当たり前に発生するようになった今、一人でも多くの人に環境保全の重要性を考えてもらいたいと思います。

 

 

話は大きく脱線してしまいましたが、この日の観察ではタシギも複数確認出来ました。

 

 

季節の進みと共に田んぼで見られるジシギにも変化が見られ、稲刈りの時期を迎える頃にはタシギの数が優勢となります。

 

 

非タシギを見られるのもそろそろ終盤といった先月19日、いつもの農耕地へ行ってみると田畑は乾ききっており田んぼに至ってはひび割れている状態。

 

農道を丁寧に見て回りましたが非タシギどころかタシギすら見つかりません。

湿り気の無い田んぼでは餌が採り難く場所を移動してしまったのでしょう。

 

 

居ないものは仕方ないと農耕地を離れようとした時、一瞬視界に入ったものに違和感を感じました。

 

コンクリート造の用水路の中にジシギが居たように思え確認してみたところ...

 

4羽のタシギを発見。

 

 

こんな所に入っているとは驚きです。

 

土を掘っただけの昔ながらの用水路に入ることはありますが、まかさコンクリート造の用水路に入るとは...

 

 

僅かな湿り気を求めてこの場所で生活していたとなると可哀想にも思えますが、それは私による勝手な感情の押し付け。

彼らにとっては意外と快適な環境なのかもしれません。

 

 

暫く様子を見ていると1羽がこちら側へ歩み寄り採餌を始めましたが、流石にコンクリートを突っついてもミミズは捕れないことから、この時は構造物の継ぎ目に潜む生き物を補食しているようでした。

 

 

背伸びをして餌を探す様子も。

 

 

残念ながら何を補食しているのかまでは見て取ることが出来ず...

 

不意に用水路を飛び出したタシギは周囲を旋回するように飛び回り、着地したのは私の直ぐ目の前。

 

 

多少こちらを気にするような素振りを見せましたが、程なくすると地面を突っつき餌を探す様子が見られました。

 

しかしながらなかなか餌にありつけていない様子で物思いに耽るかの如く静止。

 

 

思うように餌が採れず考え込んでいたのでしょうか。

 

 

伸びの姿を見ることができたらとファインダーを覗いていると突然の飛び出し。

即座にシャッターを押しましたが画像を確認するとフレーム内にタシギの姿は無し。

 

反応の鈍さに老いを感じます...

 

飛び立ったタシギは再び用水路の中へ降りたようでした。

 

 

やはりこちらの方が採餌し易かったようです。

 

 

よもやこの様な姿を観察できるとは思いもしませんでしたが、乾ききった状態だったからこそ見ることのできた行動は怪我の功名と言えるのかもしれません。

 

 

現在も他の鳥を観察する傍らタシギの観察は継続中。

なかなか良い場面に出会うことは出来ておりませんが、機会を改めて記事に取り上げたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。