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2022年 野鳥観察の旅 in 沖縄本島(冬) ②

 

 

前回の続き。

 

今年最後の旅は観光を兼ねての沖縄旅行。

 

日程2日目は美ら海水族館で観光気分を満喫。

大水槽を泳ぐジンベイザメは迫力があり、ナンヨウマンタの大きさにも驚かされました。

 

 

美ら海水族館を楽しんだ後は昼食に車海老を頬張り、やんばるの森ではホントウアカヒゲを観察。

 

本命のヤンバルクイナは見ることができなかったものの充実の一日を過ごすことができました。

 

 

2022年12月10日

 

 

日程3日目。

 

日程2日目からはやんばるの森に宿を取りましたが、宿泊先のロビーには生き物たちの写真がずらり。

 

全てやんばるの森に棲む生き物たちです。

 

 

ロビーだけではなく至るところに写真が飾られており、写真の多さからも貴重な生き物が多い地域であると改めて感じさせられました。

 

7時から提供された朝食にはまさかのおはよう納豆。

 

 

おはよう納豆は秋田産。

かすりの着物を着た“なっちゃん”が目印のこちらの納豆は与那国島・石垣島の宿泊先に続いて3度目の登場です。

 

遠く離れた沖縄県で何故秋田の納豆が提供されるのか不思議でなりません。

 

 

朝食を済ませ外に出てみると前日までの雨も上がり、そこかしこからヤンバルクイナの鳴き声が聞こえてきました。

 

弥が上にも期待が高まりやんばるの森へ繰り出してみたものの...

 

 

声は聞こえど道路へ出ているヤンバルクイナは見当たらず。

 

私の想定ではやんばるの森をウロウロするだけで何羽かのヤンバルクイナに会えるものと考えていましたが、一向に姿を確認できないことから前日と同じ場所で出待ちをしてみることに。

 

しかし姿を見せてくれるのはホントウアカヒゲのみ。

 

 

おそらく前日と同個体でしょう。

 

行動パターンがほぼ同じであったことから撮影は容易に感じられました。

 

 

この日は落ち葉の陰に潜む大きなミミズを捕獲。

こちらは拡大画像です。

 

 

ミミズを咥え藪の中へ姿を消してしまった為、残念ながら捕食の様子を見ることはできませんでしたが、ものの数分で姿を見せてくれました。

 

こうした様子とは裏腹に雌の観察が難しく、姿を見かけても一瞬で藪へ潜ってしまいます。

 

以前の旅行では雌の方が観察し易かったという印象があり、こうした違いは季節が関係しているのかもしれません。

 

 

ホントウアカヒゲの観察に夢中になっていたところまさかの展開。

 

何気なく視線を道路へ向けると大本命が目の前に...

 

 

ヤンバルクイナは自分へ意識が向いていないことを確認して出ていたのか、私と目が合った瞬間一目散に林の中へ駆けていきました。

 

本当に一瞬の出来事。

そのため観察どころか撮影にも至らず、掲載した画像は以前撮影したもの。

実際の距離はもっと近く、道路の真ん中まで出ていました。

 

 

ホントウアカヒゲに気を取られていたことが不味かったと、気持ちを切り替えヤンバルクイナの動向を探ります。

 

目の前に出てくるホントウアカヒゲは無視。

集中力を高めヤンバルクイナを待ち続けましたが、残念ながら再び姿を見ることはできませんでした。

 

 

同じ姿勢で待ち続け疲労感もあったことからここで一旦気持ちと体をリセット。

やんばるの森を離れ以前ノグチゲラを観察できた比地大滝へ行ってみることに。

 

道中の水田ではタカブシギとアオアシシギを確認。

 

 

里山的環境が整っていたせいか越冬個体のサシバを複数確認できました。

 

 

比地大滝はキャンプ場入り口から片道約45分の道のり。

 

トレッキングコースとしてツアーも開かれているようで、ガイド付きの修学旅行生の姿も見られました。

 

約半分の地点に釣り橋があり、その先はちょっとした難所。

前回の旅行では滝のように汗を流した記憶から、ある程度の覚悟を持って来ましたが...

 

歩道が整備され随分と歩き易くなっていました。

 

【2018年】

【2022年】


 

整備されたとはいえ高低差は変わりません。

軽く汗をかく良い運動になります。

 

黙々と遊歩道を進みましたがノグチゲラを見ることのないままGOAL地点の比地大滝へ。

 

 

『調査ですか?』

 

滝の前で涼んでいたところトレッキングガイドの方から声を掛けられました。

 

私は何処の旅先においても作業着で観察をしているため調査若しくは地元の人と間違われてしまいます。

 

 

ガイドの方と少々お話をしたところ、やんばるの森が世界自然遺産に登録されて以降ヤンバルクイナの事故死が増えているとのことでした。

 

観光客が増えることによりこうした弊害は必ず起こります。

世界自然遺産の登録は生き物たちにとって何のメリットもありません。

 

秋田県でもこうした理由から白神山地のクマゲラが姿を消しました。

 

生き物の保全は今後の課題になっていくと思いますが、実のある対策を講じて欲しいと願います。

 

 

狙いのノグチゲラには出会えませんでしたが、4年ぶりに再訪した比地大滝でのトレッキングはとても清々しい気持ちにさせられました。

 

駐車場へ戻ると賑やかなシロガシラの声が。

 

 

私にとって旅先にいることを感じさせてくれる良い鳥です。

 

この後は宿で受け取った全国旅行支援のクーポン券を消化するため国頭村の道の駅へ。

 

 

下見の際に気付かなかったクニガミドーナツが気になり購入してみたところ想像以上に美味しさにびっくり。

 

 

パッケージに釣られ購入したドーナツでしたが、こちらは現地で味わうべきものと考えお土産にはせず写真を残して良い思い出に。

 

 

お土産購入後の予定は全くの未定。

風の吹くまま車を走らせ思い付いたのは本島北部の一周。

 

今まで足を運んでいなかった地域の地理を把握するためドライブがてら未開の地に足を踏み入れるとヤンバルクイナとの遭遇が期待出来そうな場所が多く「繁殖期に訪れると良いのでは」と感じさせられました。

 

 

この日の夜はナイトウォッチングを予定していたため早めに宿へ戻り小休憩。

 

18時半からナイトウォッチングを始めましたが、午後のドライブが功を奏し樹上で休むヤンバルクイナを次々と発見。

 

 

今まで限られた範囲で探鳥を行っていたこともあり、午後のドライブは探鳥場所を開拓する良いきっかけとなりました。

 

 

約2時間半の探鳥で観察できたヤンバルクイナは計7羽。

 

 

ヤンバルクイナを探していると車道から程近い場所でリュウキュウコノハズクの鳴き声が。

鳴き声を頼りに探してみたところ難なく発見。

 

 

餌となる生き物が見つけたのか一度飛ぶ場面もあり、終始可愛らしい姿を見せてくれました。

 

 

また芝生のあるエリアではヤマシギも発見。

 

 

土地柄、アマミヤマシギかと思いましたがよく見てみたところヤマシギと判明しました。

 

こちらでは2羽のヤマシギを確認できましたが、もう少し丁寧に探すと他にも見つかったかもしれません。

 

 

ヤンバルクイナの他にもう1つの本命としていたリュウキュウオオコノハズクは見つかりませんでしたが、余所者の人間がこれだけの数を観察できれば充分でしょう。

 

ライトの電池が切れたところでナイトウォッチングはここまで。

連日遊び回っていたこともあり、蓄積された疲労感からこの日の夜は深い眠りにつきました。

 

 

2022年12月11日

 

 

日程4日目。

 

3泊4日の沖縄旅行もこの日が最終日。

 

沖縄を離れるのは15時過ぎでしたがのんびりとしていられません。

やんばるの森から那覇空港まで最低でも2時間強の時間を要します。

 

更に那覇市の渋滞とレンタカーの返却を考慮すると遅くとも13時には那覇市入りをしなければなりませんでした。

 

その為、やんばるの森での観察時刻は9時半がリミット。

 

この日もホントウアカヒゲを観察できましたが残念ながら制限時刻までにヤンバルクイナの姿は見られず。

 

 

渋々やんばるの森を後にしましたが、那覇市へ向かう途中に有名な探鳥地へ立ち寄るとシマキンパラの群れに遭遇。

 

稲穂に群がり米を食べていました。

 

 

この他に見られたのはソリハシセイタカシギ。

 

 

ゆっくりと観察している時間はなく単に写真を撮って終わりましたが、沖縄本島での観察はここでおしまいです。

 

 

この後は那覇市へ移動し予定通りの時刻にレンタカーを返却することができホッと一安心。

送迎車に揺られ那覇空港へ移動していると那覇基地の目の前には航空祭の看板が。

 

 

全くの偶然でしたが、この日は那覇基地の航空祭だったようです。

 

もちろん那覇基地へ遊びに行く余裕はなかったことから、空港へ着き一段落した頃に外の様子を見てみるとF-15が機動飛行の真っ最中。

 

 

民航が次々と離発着するなかでの機動飛行はホールドしている時間が長く、かなり間延びした感じではありましたが思いがけず航空祭を楽しむことができました。

 

 

航空祭も終わり沖縄旅行の〆はソーキそば。

 

 

秋田までの長いフライトに備えソーキそばで腹ごしらえをしましたが、気になるのは羽田での乗り換え。

 

羽田空港へ到着後、秋田便の乗り換え時間は30分と短く羽田への到着が少しでも早まればと思いましたが...

 

 

那覇発の便がまさかの遅延。

出発が10分遅れた為、乗り換え時間が20分になってしまいました。

 

更に事態は悪化。

羽田へ向かうフライトの途中、搭乗者向けのメールが届き内容を確認してみたところ...

 

 

「はい、詰んだ」

 

48番の搭乗口はサテライト。

 

ANAユーザーであればご存知の通りサテライトは第2ターミナルからバスで移動しなければなりません。

秋田のような田舎の空港を利用する乗客は暫しこの洗礼を受けます。

 

 

羽田へ到着したのは秋田便出発の10分前。

 

この事情を知った隣の乗客が『間に合うといいですね、お先にどうぞ』と私の手荷物を収納棚から取り出してくれました。

本当に有り難かった...

 

飛行機を降りて全速力で駆けると地上スタッフが【秋田行きのお客様】の表示を掲げて待機しており、通用口を抜けてスタッフと共に第2ターミナルを猛ダッシュ。

 

 

何とか秋田行きの便に乗ることができました。

 

実際のところ出発時刻は疾うに過ぎており、私の到着を待っての遅延という結末。

秋田行きの便に乗ってた皆さん、ごめんなさい。

 

皆さんの視線がとても痛かった...

 

 

最後は波乱の展開となりましたが、今年最後の旅行は笑い話として記憶に残ることでしょう。

 

沖縄本島はやり残しが沢山。

また季節を改め再訪したいと考えています。

 

 

2022年 野鳥観察の旅 in 沖縄本島(冬)はこれにておしまい。