メールはこちらから

 

 

X (旧Twitter)はこちらから

 

 

2022年6月6日

 

 

 

 

本日更新する日記は先月22日の観察分から。

 

毎年5月下旬頃になるとコシアカツバメの観察が恒例となっています。

 

西日本では普通に見られるコシアカツバメも本県においては希少種。

現在までに秋田県内では3つの地域で繁殖を確認していますが、主に観察を行っている地域で確認できたのは2015年のこと。

 

コシアカツバメを観察したい一心で捜索をした結果、奇跡的にも集団営巣地を突き止めることができました。

それ以降毎年欠かさず観察を行うようになり現在に至ります。

 

 

今季も先ずは巣材を集めるために飛来する水溜まりへ足を運びました。

 

着いて早々コシアカツバメが飛来。

 

 

こちらは水捌けが悪く日照りの日が続いても水溜まりが維持されることからコシアカツバメにとって大事な場所になっています。

 

今年も渡来が確認できたことを嬉しく思うと同時に気になるのは渡来数。

 

 

実はこの日より少し前に渡来を把握していましたが、その日確認できたのは6羽でした。

 

しかしこの日確認できたのは30羽ほど。

これは驚きの数字です。

 

 

例年渡来当初に確認できるのは10羽前後。

近年はスズメによる巣の乗っ取りとカラスによる捕食もあり繁殖率が低下していました。

 

そのため渡来当初に確認できる数は然程増えることなく経過していましたが、昨年から形成された集団営巣地での繁殖は順調であったようです。

 

 

過去の観察では巣材集め~巣の補修~繁殖に至るまでを継続して観察を行ってきましたが、新たに形成された集団営巣地は諸般の事情から撮影は行わず肉眼での観察としていました。

 

今まで沢山観察することが出来たので撮影に関しては巣材集めの時だけで十分です。

 

 

この水溜まりも然ることながら、何の手懸かりも無しに広い秋田県内のなかから集団営巣地を探し当てた過去の自分を誉めたいと思う今日この頃。

 

最近の私は過去の経験則に基づいて行動することが多くなってしまった為、こういった発見は出来なくなってきているように思います。

 

 

珍鳥も然り、何も分からず手当たり次第見ている時ほど出会いが多いのは経験が浅いことが功を奏しているのかもしれません。

 

経験を積めば積むほど良い面もあれば悪い面もあると思わされます。

 

 

こちらは同じ場所で巣材を集めていた普通に見られるツバメ。

 

 

残念ながらイワツバメは別の場所で巣材を集めており、こちらの水溜まりに来ることはありませんでしたが3種のツバメは今年も近場で繁殖するようでした。

 

早朝の時間帯は陽射しがあったものの時間の経過と共に雲が広がり飛翔写真はシルエットに。

 

 

コシアカツバメの観察を終えてからは風に吹かれるまま車を走らせましたが空振りの連続。

まだ旅鳥が通過する時期とあって良い出会いに期待していたのですが世の中そんなに甘くはなかったようです。

 

 

探鳥地を大きく変えようかと思った頃、遠くを飛ぶ1羽の鳥が気になりました。

 

翼が尖って見えハヤブサ科の鳥のようにも思いますが飛び方が異なります。

車を止めて双眼鏡で確認してみたところツバメチドリと判明。

 

その際に撮影した画像がこちら。

 

 

最大まで拡大してもこの程度。

しかしながら腰の白い部分がはっきりと見て取れます。

 

ツバメチドリは強風に煽られながらも広範囲に飛び回り、どうやら採餌中の様子。

 

暫くその様子を観察していると徐々にこちら側へ向かってきました。

 

 

距離が縮まったと想えば直ぐに離れ、行く先を追い掛けようかと思いましたが縦横無尽に飛び回る相手に追い付くはずがありません。

 

何処かへ降りるまで「この場で待機」と決めて間もなく頭上を通過。

 

 

下手に動かず良かったと思わされましたが、頭上を通過したはずのツバメチドリが離れた場所を飛んでいます。

 

よく見てみると更に1羽飛んでおりツバメチドリは周囲に3羽居ることが判明。

 

 

「3羽同時に」「風景と絡めて」と欲を出してその時を待ちましたがどちらも叶うことなく視界から消えてしまいました。

 

3羽確認できたうちの1羽が急降下した場面を目にしたことからそちらへ移動してみることに。

 

 

移動した先に広がっていたのはまだ水の張っていない田んぼ。

乾燥しきった田んぼが何枚もあり見るからにツバメチドリが入りそうな環境です。

 

南西諸島では普通種のツバメチドリですが、目にするのはサトウキビを刈った後の畑など乾燥した環境で見られました。

 

参考画像。

 

 

過去に地元で見られたツバメチドリはいずれも乾いた田んぼであったことから虱潰しにチェックして回ることに。

 

しかしこれが見つからない..

 

目測を誤ったのかと捜索範囲を広げて探しましたが時間は過ぎていくばかり。

 

 

更に予報に無かった雨まで降り始め、記録となる証拠写真を残すことが出来ただけでも充分と自分に言い聞かせ捜索を断念。

 

帰り間際に念の為にと最初に見た田んぼを再びチェックしたものの、やはり姿はありませんでした。

帰宅しようと思ったその時、田んぼ脇の草地で何かが動いたような..

 

 

灯台とも暗し。

 

 

そのまま帰らなくて良かった。

 

田んぼばかり見ていたことで草地に居るツバメチドリに気付くことができなかったようです。

 

可能性を広げて幅広くチェックしていたらもっと発見は早かったと思いますが、これも経験則に基づき視野が狭くなってしまった悪い結果なのかもしれません。

 

 

何はともあれ無事に見つけることができてホッとしました。

 

3羽とも其々画像に残すことができ、行動に関する部分を観察できれば二重丸。

 

 

少しだけ動画を記録しようと思い録画ボタンを押すとツバメチドリは突然の飛び立ち。

 

採餌の為に飛び立ったのかと思いましたがモニターから視線を移すと3羽とも飛び立っており、あっという間に視界から消えてしまいました。

 

 

周囲を見渡してみるとこんな時に限って近くをチュウヒが飛翔。

これを警戒したのか真相は分かりませんがツバメチドリは何処へ降りたのか見当もつきません。

 

改めて探そうにも捜索範囲が広すぎて見つけ出すことは不可能と判断。

 

観察の内容としては充分と言えませんが、本県において観察は運次第とも言えるツバメチドリを見ることが出来ただけでも良しとしたいところ。

 

 

 

帰りがけにはササゴイを目にしたことから少しだけ観察。

昔はあちこちで見られたササゴイも最近は随分と見る機会が減ってしまいました..

 

 

鳥の数自体が減ることで嘗て普通に見られていた種も近年は珍鳥化しつつあります。

 

本日の観察日記はここまで。