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2022年7月11日

 

 

 

 

本日更新する日記はキジの観察記。

 

日本の国鳥でもあるキジはおとぎ話『桃太郎』に登場するだけではなく、万葉集でも詠まれていることから身近な鳥として古くから親しまれてきたようです。

 

地域によっては『普段見ることがない』と仰る方もいるかもしれませんが私の住む秋田県では何処にでもいる野鳥。

我が家の庭をウロウロすることは当たり前で時にはベランダの手摺に止まっていることも。

 

 

身近な存在であるが故に眺めることが多く、近年はカメラを構えることが少なくなっていました。

 

当たり前のように見られるキジを今回取り上げるのは先月12日の出会いがきっかけ。

 

公園内で探鳥をしていたところ親鳥となった雌のキジが雛たちを見守るように佇んでいました。

 

 

いつぞや見たライチョウの親子を彷彿とさせる光景に思わず立ち止まり暫しその様子を観察。

 

親鳥に見守られ地面で餌を採る姿もライチョウの雛にそっくり。

 

 

身近な存在ですがキジの雛を撮影出来たのは今回が初めて。

 

親鳥が雛を守るために表立った場所へ姿を見せないせいか、これまでに雛を見かけたのはほんの数回でした。

 

 

それも背丈の高い草地や藪の中へ入る間際の瞬間。

 

こうした理由からこの時まで撮影に至ることはありませんでしたが、今回この様に雛を見ることができたのは公園内で暮らし、人の往来が当たり前の環境で繁殖したことが要因となっているのかもしれません。

 

 

暫くすると親鳥の鳴き声に反応するようにして雛たちが移動を始めたことから、その様子はスマホで撮影してみることに。

 

※画角が広いため雛が分かりにくいかもしれません。

 

 

移動を始めて間もなく公園内をジョギングする人が接近したことでキジの親子は一斉に藪の中へ避難。

流石に勢いよく近付くと警戒してしまうようです。

 

藪の中からは微かに親鳥の鳴き声が聞こえ奥へと移動している様子であったことから再び見ることは難しいと判断。

 

 

しかし予想に反して親鳥が直ぐに藪の中から姿を現しました。

 

安全と判断したのか続々と雛たちも藪の中から出てきましたが見事なまでの保護色。

 

 

光の加減も相俟って雛の存在が分かりにくい画像になってしまいましたが上に掲載した画像の中には雛が10羽写っています。

 

雛たちは親鳥から大きく離れることなく餌を採っていたところ、今度はワンちゃんの散歩をしている方が接近。

 

再び藪の中へ姿を消してしまうと思いましたがキジの親子は付近にあった植栽の中へ。

 

 

その様子をそっと見てみると植栽の中に身を潜めその場を遣り過ごそうとしているようでした。

 

暫くすると植栽の中から親鳥が顔を覗かせ周囲の様子を確認。

 

 

どういった会話をしているのか分かりませんが、優しいトーンに聞こえる鳴き声を親鳥が発すると雛が現れ...

 

 

1羽出て来たとかと思うと次々に雛が現れ駆け足で遊歩道を横断。

 

 

静止画ではゆっくりとした動きのように見えますが実際は驚くほどの瞬足です。

 

遊歩道を渡った後は野を越え山を越えといった様子で公園内を移動し今度は車道を横断。

この時に限っては親鳥がしっかりと雛たちを見守るように横断する姿が印象的でした。

 

 

危険性を理解したかのような親鳥の動きに感心させられるばかり。

 

車道を横断した先は人の往来が無かったものの親鳥が雛を見守る様子に変わりはありませんでした。

 

 

ここで再び思い出したのはライチョウの親子を観察した時のこと。

 

ライチョウの雛が小さいうちは体温の調整が上手く出来ないと聞きます。

私が観察した際にも親鳥が雛たちを包むように温める姿を目にしていました。

 

同じキジ科の鳥であるエゾライチョウも同様の行動をするそうですがキジについてはどうなのでしょう。

 

ふとした疑問から同様の行動が見られるものかと動き回る雛たちを見ていましたが一向に親鳥の懐目掛けて集まるような行動は見られず。

 

 

この日は例年よりも気温が高く経過していたせいなのか、それとも雛の成長の度合いによって保温の必要性は無くなるのか...

 

残念ながら私の疑問は解消されないまま観察を終えましたが今後このような出会いに恵まれる日はいつ訪れるか見当もつきません。

 

 

そういった意味で少々残念に思える反面、シンプルにこの日は「良い場面に遭遇できた」と嬉しい思い出として記録に残したいと思います。

 

雛たちが無事に成長することを願って、本日の観察日記はこれにておしまいです。