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2023年6月12日

 

 

 

本日更新する日記は先月14日の観察分から。

 

話は遡ること先月9日。

知人より送られてきた一通のDMが今回の観察に繋がります。

 

いつも素晴らしい探鳥力を見せる知人からの連絡とあって「今回は何を発見したのだろう」とDMを開いてみたところシマゴマの画像が貼付されていました。

 

近年この鳥を見たいが為に春の渡り季には意識して探すようになりましたが未だ発見に至りません。

 

非常に羨ましく思い次の週末に探してみようかと思案していたところ、翌々日にはキマユホオジロを発見したとの報告が。

 

昨年はハシグロヒタキも見つけていた知人ですが、その探鳥力には関心させられるばかり。

情報に頼ることなくしっかりと自分の足で稼ぎ良い結果を残しています。

 

 

私も見習わなければとこの日はシマゴマに限らず何か一種でも珍鳥を探し出そうと早朝から様々な環境を見て回りました。

 

しかし何処を回っても普通種ばかり...

 

勿論、普通種の観察も大切なことですが「渡りの時期だからこそ普段目にすることのない鳥を観察したい」とこの様な思いから粘り強く探鳥を続けた結果、ようやく当たりと思える鳥を自力発見することができました。

 

 

私にとって秋田県内では初見となるキマユホオジロです。

 

 

飛島で見て以来の出会いでしたが、私の知る限り秋田県の観察記録としては3例目。

 

本県において初記録が出たのは確か2020年だったでしょうか。

 

離島では観察例の多いキマユホオジロですが何故か秋田県では近年まで記録がありませんでした。

 

土地柄、春には相当数が本県を通過しているものと考えますがこれまで記録が少なかった理由としては生態と観察方法が関係しているのかもしれません。

 

 

秋田でバードウォッチングをするにあたり基本となるのは車内からの観察。

 

田舎が故に移動手段として選ばれるのは自家用車であり、探鳥についても車で回ることのできる場所がほとんど。

 

車はブラインド代わりとなり剥き出しの身で観察するよりも鳥を警戒させることがなく便利である一方、場合によっては観察に偏りが出てしまいます。

 

私自身、長い期間車内からの観察を続けることで行き着いたのはワンパターンの観察でした。

同じ環境で探鳥を続けることにより見られる鳥はいつも同じ。

 

これは渡りの時期に見られる珍鳥も同じであり、ホオジロ類を例に挙げるとツメナガホオジロ・ユキホオジロ・シラガホオジロなど見られる種は相場が決まっています。

 

 

但しキマユホオジロは少々事情が異なり、飛島で初めて見た際に先輩との雑談のなかにあった『あの鳥は潜るんだ』という言葉。

 

離島で見る鳥の多くは旅の疲れからか低い位置に止まっていたり、採餌に意識が取られているといった個体が多いように思います。

 

こちらは飛島で観察できたキマユホオジロ。

 

 

飛島のような離島に比べると本土を通過する、または立ち寄る個体は比較的元気な鳥が多いのか本来持つべき生態であると思わされることも屡々。

 

そのためキマユホオジロについては車内からの観察が主となる秋田のバードウォッチャーにとって目に付き難い鳥であるのかもしれません。

 

 

事実、今回発見できたキマユホオジロも見つけてから5分も経たないうちに藪の中へ潜ってしまいました。

 

こうした生態からも離島で観察を行うバードウォッチャーのように自分の足で稼ぎ、様々な環境に目を配ることが大切だと考えます。

 

 

観察のスタイルは人其々であり、私の持論を押し付けるつもりはありません。

個人的に地元で沢山の鳥を観察したいと思うからこそ自壊の念を込めて今回の記録を考察し記事に残しました。

 

 

やっとの思いで見つけることのできたキマユホオジロでしたが、再び姿を現すことを期待して待ってみたものの急な土砂降りに観察を断念。

 

天候はなかなか回復せず極めて短い時間の観察となりましたが、今年の春はこのキマユホオジロを見つけることができなければ何も収穫の無い春になるところでした。

 

今回の記録を今後の観察に活かすため改めて種毎の生態の勉強し、実践的な観察ができるようこれまでと違った探鳥を心掛けたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。