メールはこちらから

 

 

X (旧Twitter)はこちらから

 

 

2023年7月10日

 

 

 

本日更新する日記は先月4日の観察分から。

 

前週はコシアカツバメの渡来状況を確認するため繁殖地の様子を見に出かけましたが、この日は夏鳥調査の第2弾。

 

 

今回の調査対象は日本でのみ繁殖をするノジコです。

昨年も同時期に調査を行っていましたが今季の渡来状況はどの様なものにあるのでしょうか。

 

ノジコが繁殖地として選ぶ場所には共通点があり、類似した環境を調べることで容易に見つかることが近年の調査で判ってきました。

 

 

この日は午前9時頃から降雨が予想されていたこともあり夜明けと共に調査を開始。

 

初めに見つかったのはこちらの個体。

 

 

睨んだ通りの環境で渡来を確認できましたが、やはり昨年調査を行った環境と酷似していました。

 

ノジコが繁殖地として選ぶ環境には疎らに低木が自生しており、一定程度の開けた環境が必要のようです。

 

次に見つけのはこちらの個体。

 

 

最初に発見した場所から400mほど離れた位置で見つかりました。

 

周辺には小川が流れる里山的な環境。

日本でのみ繁殖するノジコは日本の原風景を好むのかもしれません。

 

同じ場所で別個体も見られましたがこちらの個体は警戒心が強いのか、藪の中を移動することが多くウグイスを思わせる動きを見せました。

 

 

程なくして雨が降り始め、予報よりも早い降り出しにガッカリさせられましたが調査を継続。

 

強く降り出す前にテンポ良く調査を進めなければなりません。

早々に場所を移動しようと思った矢先、ノジコの囀りを確認。

 

声の出所を探ってみると観察しやすい場所で囀っており動画で記録してみることに。

 

 

人工的な雑音が皆無の環境ではノジコの囀りはよく響き、カエルの鳴き声もまた良し。

 

こうした音こそ古来から人間が耳にしていた音であり、特に日本人にとっては心地好く思えるのかもしれません。

 

こちらの個体をじっくり観察したいところでしたが“調査”と位置付けるこの日は先を急がなければなりませんでした。

 

 

暫く進むと道路脇から黄色い小鳥が飛び出し私の車の前方へ。

 

ノジコの調査を行っているとキセキレイを目にすることが多く、この時もキセキレイだろうと思いましたが体型も飛翔する姿も異なります。

 

飛ばさないようにジリジリと車を進め確認してみたところ、キセキレイではなくノジコと判明。

 

 

今までに数多くの個体を目にしてきましたが道路上に出ている姿を見るのは初めてでした。

ノジコを撮影した画像としてはなかなかレアな場面なのではないでしょうか。

 

こちらの周辺では距離は離れていたもののペアと思える個体を4羽確認。

 

 

ふと見上げると電線に止まるサシバの姿が。

どうやら田んぼに居るカエルを狙っているようです。

 

 

こちらのサシバを見ることで思い出したのは電線に止まるノジコの存在。

 

大きく場所を変えることになりますが、今季も渡来しているのか気になり移動を決断。

 

もし今季も渡来しているのであれば昨年と同様の場所で見られるはずです。

 

期待を胸に移動してみたところ、昨年と寸分違わぬ場所で囀る姿を確認することができました。

 

 

これで3年連続の確認となりましたが、この地を生まれ故郷として遠路遥々渡ってきてくれることを本当に嬉しく思います。

 

こちらの地域は高密度にノジコが分布していることから比較的近くで見ることができた個体を中心にスナップ撮影。

 

 

距離はさておき沢山のノジコを見ることができるのはちょっとした贅沢な時間。

 

しかも私以外にバードウォッチャーの姿はありません。

 

仮に首都圏であれば沢山のカメラマンが並ぶことでしょう。

 

 

時々強く雨が降ることもあり調査を中断せざるを得ない時間もありましたが、雨のなかで見るノジコもまた良いものです。

 

考え方によっては風情があって良いかもしれません。

 

 

ノジコが囀る傍らアオゲラの姿も。

 

見かけることはあっても撮影したのは久しぶりだったような...

 

 

職場でも頻繁に見られるアオゲラですが、カメラを持っていない時ほど良い場面に出会します。

 

しかし観察日に見る個体は遠く離れた姿を見ることがほとんどで、これまで観察という観察をした記憶もほとんどありません。

 

アオゲラも撮影だけではなく機会を作りじっくりと観察したいところ。

 

 

強く降るはずだった雨は次第に弱まり、時間の経過と共に陽射しのあるお天気に変わりましたが...

 

風が強く吹くようになり調査は難航。

 

 

終日調査を行う予定でしたが強風の影響により正午で断念することとなりました。

 

しかし確認できた個体は期待通りで、昨年よりも「減った」という印象を受けることはなく、この日確認できた数は20羽。

 

 

昨年の調査では24羽を確認していましたが、この日はあくまでも午前中のみの結果であり終日調査を行うことができればもう少し確認できた数は伸びていたことでしょう。

 

業務多忙のため継続的な観察をすることは出来ませんが、今季も無事繁殖してくれることを願っています。

 

 

もし観察時間を確保できた場合、改めてその様子を綴りたいと思いますが今季は一体どうなることやら...

 

 

本日の観察日記はここまで。