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2023年 野鳥観察の旅 in ケアンズ (8月) ②

 

 

前回の続き。

 

友人と押し問答の末、実現した人生初の海外探鳥。

 

現地時刻4時18分(日本時刻3時18分)、一睡もできないままケアンズ国際空港へ到着しましたが待ち受けていたのはインターネット接続不可という最悪のトラブルでした。

 

予めセットアップしていたeSIMが機能せず、渋々購入したSIMカードも何故か使い物にならず...

 

ネットに接続できなければGoogleナビを起動することもできません。

 

友人が待つエスプラネードの宿泊先までどうやって行ったら良いものか。

あれこれ操作していると空港のフリーWi-Fiを利用できることが分かり、目的地までの道のりを脳内メモリーにインプット。

 

 

初めて訪れる国、慣れない交通事情。

 

緊張感が続く運転は脳内メモリーに障害を発生させ、薄れつつある記憶のなか奇跡的に友人の待つ宿泊先へ到着することができました。

 

途中、誰に道順を尋ねることもなく目的地へ辿り着けたことは自分でも褒めたいほど。

 

 

2023年8月9日

 

 

友人をピックアップ後、慌ただしく探鳥地へ向かいましたが観察の様子を綴る前に...

 

初めて訪れる見知らぬ土地でどのように観察を進めたのかについてお話したいと思います。

 

今回の観察旅行で参考にさせて頂いたのはこちらの図鑑。

 

 

ケアンズで何度か観察経験のある方より奨められ出発の半年前に購入しました。

 

こちらの図鑑はケアンズ周辺で見られる野鳥が掲載されている他、幾つか探鳥地の紹介もあり私はこちらの図鑑を参考に旅のしおりを作成。

 

現地の様子に合わせ予定変更した部分もありましたが、9日~13日までの5日間に観察できた野鳥は100種を大きく超える結果となりました。

※この記事を掲載する時点で正確な数は把握できておりません。

 

 

この旅の軌跡を綴るにあたり観察できた全ての種を掲載すると膨大な量の記事となってしまうため、旅行記には強く印象に残った種を中心に掲載したいと思います。

 

掲載しきれない種については新たに追加した海外の野鳥の項目へ順次掲載予定。

 

ホーム画面の【秋田の野鳥】→【海外の野鳥】の項目を順にクリック。

 

 

※写真の整理~追加ができるまで相当な時間を要する見込みです。

 

 

観察の方へ話を戻し、エスプラネードの宿泊先から初めに向かったのはケアンズ墓地。

 

『墓地で観察!?』と思う方もいらっしゃることでしょう。

 

日本では考え難い墓地での探鳥。

しかしオーストラリアのバードウォッチャーにとっては一般的な探鳥地となっているようです。

 

エスプラネードから所要時間は車で約5分。

入り口には [ Cairns Cemetery ] の看板がありました。

 

 

日本の厳かな様子とは異なり随所にカラフルな花があしらわれ、明るく開放的な雰囲気。

 

墓地へ着いて直ぐに目を引いたのはムギワラトキ。

 

 

初めて見る鳥を目の前に気持ちの高揚が抑えられません。

ついついシャッターを連写したくなってしまいましたが後々のことを考え控え目に撮影しました。

 

この後、ムギワラトキは公園・空き地・農地・住宅街と至る所で観察でき普通種であることが判明。

 

 

対峙する距離が近く、この距離感こそ日本との違いを感じる部分と言っても過言ではありません。

 

早朝、空港で撮影したツチスドリも沢山。

 

 

やはりこちらも人を気にする素振りは見られませんでした。

 

ツチスドリも場所を問わず観察することができ、目にした回数は今回の旅においてトップ3を争います。

サイズとしてはハトくらいの大きさ。

 

 

次に観察したのは空港からエスプラネードへ向かう途中にも沢山目撃したズグロトサカゲリ。

 

 

こちらもツチスドリと同様に場所を問わず観察することができ、平然と道路へ出ている個体も多く見られました。

 

トップ3の中でも個体数としては最も多かったかもしれません。

 

 

予習段階で必ず見られると分かっていたオーストラリアイシチドリは実物の大きさに驚き。

 

 

ケリと同等の大きさを想像していましたが実際に見るとケリよりも一回り大きく、想像とのギャップにビックリさせられました。

 

動きは緩慢ながらもチドリと名が付くだけあって採餌の姿勢はチドリそのもの。

但し異常にデカい。

 

 

墓地では単独の個体も見られれば群れになって羽を休める個体と様々でした。

 

この時、にわか雨があり虹を背景にオーストラリアイシチドリたちを撮影。

 

 

オーストラリアイシチドリもケアンズでは普通種。

エスプラネード周辺では夜になると鳴き声を耳にするようになり、トラツグミに似る鳴き声は物悲しさを感じました。

 

夜の墓地でオーストラリアイシチドリの鳴き声を聞くと薄気味悪く感じるかも...

 

 

目撃回数の多かったトップ3、最後を飾るのはヨコフリオウギヒタキ。

 

 

早くもエンディングのような書き方になってしまいましたが旅行記はまだまだ続きます。

 

和名にある通り、腰を捻って尾を降る姿はイワミセキレイを彷彿とさせました。

 

 

こちらも環境を問わず見られたことから日本に置き換えるとハクセキレイのような存在に当たるでしょう。

 

 

ケアンズ墓地での観察において最も気分が高揚したのはトレスショウビンとの出会い。

 

 

まさか墓地でカワセミ科の鳥を見られるとは思っておらず、日本では見られない色合いからもだいぶ興奮していたように思います。

 

観察中は木の幹にしがみついて採餌する場面も見られ、単に写真を撮るのではなく行動を観察できたのは収穫でした。

 

 

その他にもケアンズ墓地では沢山の鳥を観察しましたが、最後に掲載するのは墓石に止まるハチクイ。

 

 

観察が難しい種と想像していましたが早朝の空港ではフェンスに6羽ほど並んで止まる姿も見られ、こちらも場所を問わず観察できる種の一つでした。

 

 

ケアンズ墓地で観察を終えた後はケアンズ植物園へ。

 

墓地から植物園までの所要時間は車で約5分。

エスプラネードから移動しても約7分とあって徒歩でも移動が可能な範囲です。

 

植物園は幾つものコースに分かれおり全てのエリアを網羅することは出来ませんでしたが、日本と違った形で整備された遊歩道はとても歩き易い印象。

 

植物園で探鳥を始めて間もなく出会えたのはオーストラリアツカツクリ。

 

 

往来する人を気にすることなく地面を掘る姿が可愛らしい。

 

この鳥は2羽で行動していることが多く、植物園の中では頻繁に見ることがでしました。

 

途中、穴掘りを止めてそそくさと隠れてしまったペアがいたため興味本位で作業していた場所を覗き込んでみると...

 

穴の深さに驚き。

 

 

大玉のスイカが縦に2個すっぽりと入るほどの深さでした。

協力して穴を掘っている姿を想像すると何とも微笑ましいものです。

 

 

次に出会えたのはヤブツカツクリ。

 

 

尾羽が特徴的なこちらの鳥はまるでニワトリのような印象を受けました。

 

これまで距離の近さについて触れてきましたが、野に生きる鳥としての感覚はそれなにり感じたもののヤブツカツクリについては例外。

 

 

平然と歩行者の合間を縫って歩きます。

 

「面白い鳥がいたもんだ」と眺めていましたが、期待するようなインコやオウムとの出会いには恵まれず。

 

時間帯が悪いのか、単純に私が見つけられないだけなのか...

 

 

時刻を確認すると間もなくお昼時ということもあり、前日友人が足を運んだというお店で昼食を頂くことに。

 

 

日本とは違いメニューに写真が載っていないためどんな料理が出てくるのか想像できません。

 

友人のお奨めでビーフバーガーをチョイスし料理が出来上がるのを待ってると...

 

店内に現れたのはヤブツカツクリ。

 

 

しかし店内の客は誰一人として動じることがなく、面白がって写真を撮っていたのは私くらい。

 

現地の方は良くも悪くも鳥に干渉しないように思いました。

そのため道路に鳥が出ていても車を減速させることはありません。

 

ぶつかったとしても『避けない方が悪い』といった考え方なのでしょうか。

 

何度も顔を見せるヤブツカツクリを見ていると注文したハンバーガーを綺麗なお姉さんが運んできてくれました。

 

 

デカい...

 

そして一個26豪ドルという脅威のお値段。

日本であればマクドナルドのハンバーガー(単品)15個分に相当します。

 

肝心の味は抜群、とても美味しゅうございました。

 

 

食後の探鳥について友人と相談しましたが答えが出ないまま植物園を歩いていると、正体不明の鳥が高速で飛んでいることに気が付きました。

 

友人曰く『昨日も見かけたけどあまりの速さに撮れなかった』とのこと。

 

暫く眺めていましたが確かに友人の言う通り形どころか色すら識別できないほど。

 

こうなると逆に燃え上がります。

暫く眺めた結果、高速で飛ぶ鳥は黄色の鳥であることが判明。

 

 

更に様子を見ていると追い掛け合うように飛んでいる個体とは別に、見にくい場所ながらも止まる個体が居るということが分かりました。

 

しかし止まるのは一瞬で直ぐに飛んでしまいます。

何とか正体を暴こうと抜けの良い場所へ止まる機会を狙いカメラを構えること約5分...

 

黄色の鳥はキバラタイヨウチョウであることが判明。

 

 

メタリックに輝く喉も見ることができ喜んでいたところ、花の蜜を吸うためなのか徐々に止まる時間が長くなり間近で撮影できる機会が増えました。

 

 

こうなると人間欲が出ます。

 

止まって蜜を吸う姿は充分に観察できたことから、今度はホバリングしながら蜜を吸う姿を狙ってみることに。

 

見事成功。

 

 

最初の苦労は一体何だったのか...

 

 

朝方は肌寒く感じたもののお昼を過ぎると25℃を超え陽射しの元では暑さを感じます。

 

とは言っても体温超えの暑さが続く日本と比べると天国とも思える環境ですが、喉が乾いたためビジターセンターへ飲み物を購入しに寄ったところ面白い場面に遭遇しました。

 

記事の前半で目撃回数の多い鳥トップ3を発表しましたが、実は例外としていた鳥がいます。

 

 

それはインドハッカ。

 

日本でも(八重山諸島)見ることができるためトップ3に含みませんでしたが、ケアンズにおいて見る機会の多い鳥はインドハッカが断トツです。

 

そんなインドハッカをケアンズらしく表現するにはどうしたらよいものか。

幾ら数が多くても地面にいる姿は日本で撮影したものと代わり映えしないでしょう。

 

あれこれ考えていましたがビジターセンターで見ることができたのはこちらの“美味しい”場面。

 

 

食事を終えたお客さんが席を離れた瞬間、当たり前のように盗み食いを始めたインドハッカ。

 

店員が片付けるまでの間、旨そうに食事をしており余裕たっぷりの姿は常習犯。

鳥に干渉しないケアンズだからこその場面と言えるのではないでしょうか。

 

植物園での観察を終えた後は宿泊先のエスプラネード周辺で観察を楽しむことに。

 

短い移動の途中、ちょっとした空き地でキバタンを発見。

 

 

マメ科の植物を食べており、片手に持って器用に食べる姿はいかにもオウム。

 

幼い頃から鳥を家族として暮らしてきた私にとってオーストラリアと言えば野生のインコやオウムが暮らす国というイメージを持っていました。

 

「いつか自分の目で見てみたい」という想いを抱いて何年経っていたでしょう。

この時の出会いは私にとって夢が叶った瞬間でした。

 

 

エスプラネードへ着いて観光がてら遊歩道を進むと....

 

街中のオープンスペースで体を鍛える人たちを発見。

 

 

私も日々トレーニングをしている身とあって非常に体が疼きました。

 

ゴリゴリのマッチョがトレーニングしている傍ら、せっせと採餌をしていたのはオーストラリアクロトキ。

 

 

場所によってはゴミを漁ったりしているようです。

ちょっと日本では考えられません。

 

エスプラネードはケアンズ市民の憩いの場でもあり、観光地の中心になっているため沢山の人が行き交っていました。

 

様々な楽しみ方ができるエスプラネードには無料で使えるBBQ専用のコンロも。

 

 

綺麗な状態が保たれ周囲にゴミが落ちていることもなく、こうした面は日本人も見習って欲しいところ。

 

海沿いに伸びる遊歩道からは干潟を眺めることができ、観光客がこぞって撮影していたのはこちらの鳥。

 

 

動物園から逃げ出した個体ではなく野生のペリカン。

 

図鑑によるとコシグロペリカンという種であることは分かりましたが、1羽混ざる褐色の個体については不明。

 

 

サイズがサイズだけに皆さん足を止めてスマホで撮影していました。

 

グレートバリアリーフの玄関口と言われるケアンズですが市内には泳げる海が無いため誰もが無料で使えるラグーンプールがあります。

 

 

入り口には砂が敷かれ入り江のようにも見える屋外プールで楽しそうに遊ぶ子供たちの姿が印象的でしたが南半球ということもあり季節は真冬。

暖かいとは言え水遊びをするにはちょっと寒そうな...

 

 

その後は観覧車を背景にヒジリショウビンを撮影してこの日の観察は終了。

 

夕食までに宿泊先で一旦休憩を挟むつもりでしたが、部屋へ入りテラスから外を眺めてみると眼下に見えるヤシの木にメガネオオコウモリがぶら下がっていました。

 

 

こちらを観察していると四方八方からゴシキセイガイインコが現れ、エスプラネード周辺の街路樹はゴシキセイガイインコだらけ。

 

どうやら街路樹がゴシキセイガイインコたちの塒になっているようです。

 

そのうちの1羽がメガネオオコウモリのぶら下がる木へ止まったため遠慮なく撮影。

 

 

陽が傾くと物凄い数のオーストラリアアナツバメが飛び交うようになり、その様子を見ているとあっという間に夕食の時刻となりました。

 

ぶらぶら歩きながら決まったお店がこちら。

 

 

開放的空間で食事を楽しむことにしましたが渡されたメニューに勿論写真は載っていません。

 

 

ロブスターを食べようということになり値段を見るとMarket priceの表記が。

 

店員を呼んで値段を確認すると一匹150豪ドルという驚愕のお値段。

それにも関わらず人数分注文しようとする友人を制止して一匹だけ注文して調理されたロブスターがこちら。

 

 

流石に肉厚で食べ応え抜群。

風味も良く、お酒がすすんだのは言うまでもありません。

 

日本出国から様々あった不眠不休の40時間。

先ずは初日を無事に終え、この日は快眠することができました。

 

 

日程2日目は船に乗ってエスプラネードを離れましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。