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2024年1月26日

 

 

 

本日更新の日記は観察旅行記。

 

今年も様々な旅行を計画していますが、本年最初の旅は週末の僅かな時間を利用して過密スケジュールをこなす弾丸旅行。

旅の目的地に選んだのは九州のなかでも最も訪問回数の多い長崎県。

 

昨年見たカツオドリの狩りが忘れられず、もう一度観察したいという思いから弾丸旅行を計画しましたが、初日からとんでもないハプニングが待ち受けていました。

 

 

2024年 野鳥観察の旅 in 長崎県 (1月)

 

 

今回の旅は実質一泊二日の短い日程。

限られた時間を有効活用するためには金曜夜の羽田入りが望ましく、翌朝始発の便で長崎を目指す予定でしたが...

 

 

26日(金)18時を過ぎた頃、スマホの通知音が連続して鳴り響き何らかの知らせが届きました。

 

連続した通知音はANAからのお知らせであることが多く、出発前に届く知らせは良いことがありません。

 

大抵のケースは使用する機材が変更になったというものですが、場合によっては天候不良のためフライトに影響が予想されるといった内容も。

 

おおかたどちらかの内容であろうと思い通知を開いてみたところ...

 

 

「はぁぁぁ!?」

 

 

流石にこれは想定外。

 

まさかの欠航に動揺を隠しきれませんでしたが、慌てふためくことなく振り替え便をポチっとな。

 

おそらく始発便を予約していた乗客は一斉に振り替え便の手続きをしたことでしょう。

私は通知にいち早く気付けたから良かったものの、通知に気付かなければ夕方の長崎入りになっていたかもしれません。

 

航空機のトラブルが多い新年、この先が思いやられます。

 

 

2024年1月27日

 

 

長崎空港へ到着したのは当初の計画より1時間15分遅れて10時35分。

 

ターミナルはランタンフェスティバルの装飾が施され華々しい雰囲気。

 

 

昨年はランタンフェスティバルの開催に合わせて旅行を計画しましたが、あまりの混雑ぶりに思うように事が進まず今回は祭り期間を回避。

 

しかし蓋を開けてみれば空港は混雑しており、観光客で賑わいを見せていました。

 

早々にレンタカーを調達すると長崎県を一気に南下。

午後から船を予約していたため寄り道をするような余裕がありません。

 

空港のある大村市から長崎市へ入ると予報にはなかった雨が降りだし『長崎は今日も雨だった』のフレーズが...

 

当初の計画では軍艦島を眺めながらゆっくりドライブを楽しむ予定でしたが、空港からの所要時間を考えるとそうもいかず慌ただしい幕開けとなりました。

 

何とか出航時刻に間に合わせることができ港を出るとカツオドリの飛び交う姿が見え一安心。

 

 

実は船長との直前の打ち合わせで『カツオドリばおらんとですよ』という衝撃の報告を受けており、場合によっては空振りに終わることも予想されていました。

 

昨年のように狩りを見ることができれば良かったのですが、目的のハードルは随分と下がりカツオドリが見られるだけでも充分といった心持ちに。

 

いつものように岩礁へ瀬渡ししてもらった後は船長が迎えに来るまで心置きなく観察を楽しみます。

 

 

この画像を見る限り沢山群れているようにも思えますが、崖に止まるカツオドリはこちらの個体群でほぼ全て。

 

例年100羽超の群が見られていただけに閑散といった印象を受けました。

 

その為シャッターチャンスは少ないものと思いましたが、数羽の個体が何度も崖を出入りしていたことから飛翔シーンは撮り放題。

 

 

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。

 

これはデジタルだからこそ出来る芸当であり、フィルム時代は一体どうしていたのでしょう。

 

 

フィルム代に加えて発生するのは現像代。

 

仕上がった写真を見て愕然とすることもあったと思いますが、現代においては不要な画像を削除するだけ。

 

そういった観点からもデジタル化が進みカメラという趣味の敷居は随分と下がったと思います。

 

 

現行の機材では優れたAF性能により鳥の目を感知してフォーカスする高性能な機材も登場しました。

 

ここまで性能が良くなると機材が勝手に撮ってくれるようなものであり、人間の技術は無くなりつつあるようにも思います。

 

それに加えてデジタルの画像は現像ソフトによっていかようにも編集が可能。

 

最近は編集ありきの画像も見かけるようになり、写真としての技術よりも編集の技術が評価される時代になりつつあるのかもしれません。

 

カツオドリの観察とは全く関係のない話題になりましたが、掲載した画像は無数に撮影したものから選び抜いたもの。

 

これもまたデジタルの恩恵と言えるでしょう。

 

 

飛翔するカツオドリの撮影を楽しんでいると崖に止まれず右往左往する個体が。

群れの輪に加わろうとしてもこの通り。

 

 

先に止まっている個体からもの凄い剣幕で罵られているようにも思えます。

 

更に観察を続け、私の目を引いたのは脱糞の場面。

 

 

崖が白く変色しているのはカツオドリの糞による影響ですが、なかには糞を浴びせられる個体も...

 

当然の話になりますが排泄された糞は重力によって落下します。

そのため上部へ止まる個体の糞は下部へ止まる個体へ浴びせられることもあり、糞を顔面に食らい身震いする個体を目にしました。

 

 

私は『うんこ』というフレーズに反応してしまう子供と変わらないオジサン。

 

うんこを引っかけられる場面を捉えようとこの日一番の気合いでファインダーを覗き込み、カメラを構えること約30分。

 

惨劇の瞬間。

 

 

くだらないことに労力を費やしました。

 

力の入らなくなった腕を下ろすと『キッキッキッ』という声と共にハヤブサが飛来。

 

 

近場に止まったハヤブサを眺めていると更に1羽のハヤブサが現れ、不可思議な光景を目撃。

 

ハヤブサが移動した先の崖には沢山の巣材が。

 

 

岩棚に営巣するハヤブサは巣材をほとんど使いません。

 

しかしこちらの崖にはまるでカラスの巣の如く沢山の枝が敷き詰められていました。

 

たまたまこの場所へ止まっただけなのかもしれませんが、ハヤブサの巣であるとするなら特異な例になるのでしょうか。

 

間もなく船長の乗る船が見えカツオドリの観察はここまで。

 

 

個体数が少なく昨年のような狩りは見られませんでしたが、穏やかな天候のなかゆっくりと観察できたことは幸いでした。

 

 

港へ戻ってからは宿泊を予定していた長崎市街地へ早めに移動。

 

旅の目玉はカツオドリの観察でしたが、中華街で食べる中華料理もまた旅の楽しみの一つでした。

 

 

昨年はランタンフェスティバル開催期間中ということもあって中華料理店は軒並み満席。

 

今回は早めに中華街へ移動したこともありすんなりと入店できましたが、注文した料理が全て揃う頃には満席に。

 

コロナの反動と円安の影響もあり、国内での観光需要が伸びているようです。

 

さてさて、気になる中華料理のお味は...

 

 

私の期待値が高過ぎたのでしょうか。

中華料理の基本と言われる炒飯は全然パラッとしておらず、まるで西洋のピラフ。

 

分かりやすく例えるならコンビニでも買える冷凍チャーハンの方が美味しいと感じる程です。

 

東坡肉に至っては煮込みが足りず「手間を惜しんでるのか?」と思える固さ。

 

 

食通ぶるつもりは毛頭ありませんが唯一及第点を付けることができたのは海老蒸し餃子のみ。

 

 

有名なお店になったことが仇となり、料理人の腕を鈍らせてしまったのかもしれません。

 

中華街で学んだのは、本場だからといって必ずしも美味しいとは限らないということでした。

 

 

2024年1月28日

 

 

実質一泊二日の旅行はあっという間に最終日を迎えましたが、長崎は今日も雨だった...

 

 

この日は時間の許す限り諫早干拓地での観察を計画。

空港までの所要時間を考慮して観察のタイムリミットを14時に設定しました。

 

市街地を走る路面電車に怯えながら高速道路へ入ると諫早市まで一気に移動。

 

諫早干拓地へ到着した頃には雨も上がり、最初に観察したのはヘラサギ。

 

 

不思議なことに後にも先にもヘラサギを見たのはこちらの個体のみ。

 

クロツラヘラサギに関しては1羽も目にせず、以前に比べると鳥そのものが少ない印象です。

 

マナヅルとナベヅルも然り、こちらの個体群が干拓地で越冬している個体のほぼ全て。

 

 

それでも地元秋田では見られない光景とあって、暫く眺めていると山並みを背景に飛ぶ姿や頭上を通過する群れを見ることができました。

 

 

観察には生憎の天候も急速に回復し、陽射しの眩しいお天気に早変わり。

 

ツルの多いエリアから場所を移動するとタゲリが多く見られ、こちらは例年並みといった印象。

 

 

タゲリの群れを眺めているとムクドリの群れが飛び交っているように見えましたが、違和感を感じ双眼鏡を覗いてみたところ全てホシムクドリであることが判明。

 

秋田でも観察の機会は増えつつありますが、ここまで大きな群れを見た経験はありません。

 

 

ホシムクドリの群れを暫く眺めていると落ち着きがなく周辺を右往左往。

 

原因はハヤブサとコチョウゲンボウの襲来にありました。

 

 

ハヤブサはタゲリを狙い、コチョウゲンボウはホシムクドリやタヒバリを狙っていたようです。

 

 

ようやく落ち着きを見せたホシムクドリの群れは畑を歩いて移動し道路脇で採餌を開始。

 

 

なかには畑に留まる個体も見られ個体毎の特徴を観察してみると冬羽の個体、既に夏羽に換羽している個体と様々。

 

但し、夏羽に換羽している個体であっても嘴の色まで変化している個体は居なかったように思います。

 

 

諫早干拓地では多くのバードウォッチャーが観察に勤しんでいましたが、誰一人としてホシムクドリを観察している人はおらず、これもまた地域性の違いといったところでしょうか。

 

ホシムクドリの観察を終えた後は珍鳥探し。

 

タヒバリの群れに混ざる珍種を探してみたものの私の目にはタヒバリしか映らず...

 

 

一説によるとヒメチョウゲンボウが出ていたという話もあり、そちらを探してみましたが確認できたチョウゲンボウは4個体。

 

しかしどれもヒメチョウゲンボウの特徴を示しておらず、それらしき個体を見つけることのできないままタイムアップ。

 

 

やはり一泊二日の日程では時間が限られてしまい、探鳥をするにも何処か落ち着きのない状態が続いていました。

 

 

今回は目玉としたカツオドリに加えて中華街にも残念な思い出を残してしまいましたが、次回こそ満足感が得られよう綿密に計画を練って旅を楽しみたいと思います。

 

 

2024年 野鳥観察の旅 in 長崎県 (1月) はこれにておしまい。