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2018年7月8日 29/20℃ 晴れのち曇り




災害が続発する日本。
豪雨災害に地震と各地で甚大な被害が出ているなか再び台風が発生しました。

今回の豪雨では西日本で多数の犠牲者が出ましたが、それと同時に多くの生き物が犠牲になっていると思います。


私の住む秋田県も度々豪雨による水害が発生するようになり、今年もコアジサシが犠牲になりました。

 

 

三年前に渡来を確認したコアジサシですが、川の中洲で繁殖を試みるも尽く失敗。
一度大雨が降ると川が増水することで中洲は水没し、今年も先月末の大雨で繁殖は失敗に終わりました。


増水の影響はコアジサシに留まらず、他の鳥たちにも被害が出ています。
今日は水害が発生した場所を何ヵ所か回り被害状況の確認をすることにしました。

先ずはこの時期毎年観察をしているヨシゴイの様子を確認。

繁殖場所に着きヨシゴイを探して回ると首を伸ばし辺りを見渡す成鳥の姿が見られました。

 

 

葦に捕まりながらこのような姿勢を保てるのは体重が軽いからこそ
ヨシゴイの体重は我が家のオカメインコよりも軽量です

画像からは伝わらないと思いますが、首を縮めた時の大きさは普段よく見るアオサギの顔と同大ではないかと思えるほど。

 

 

野鳥を観察するようになり、この極小のサギの存在を知った時は衝撃的でした。
また初めて実物を見た時の感動は今でもハッキリと覚えています。

サイズがサイズだけに飛翔するシーンを見ても鳥に興味のない方にはサギには見えないかもしれません。

 

 

初めて実物を目にして以来、毎年観察を続けていますがこちらで繁殖をしている数ペアは先月末の大雨で全てのペアが繁殖に失敗したようです。

普段はあまり姿を見せないヨシゴイですが、今時期は雛に給餌をするため葦原から出てきて小魚を捕る様子が見られ比較的簡単に姿を確認できる時期。

しかし今日は確認できる範囲で餌を捕るシーンは一度も見られませんでした。

ヨシゴイは水辺に自生する葦を折って巣を造り、巣は非常に低い位置にあることから増水の影響で水没したと思われます。

 


それを裏付けるようにあちこちで巣材を運ぶバンの姿を目にしました。

 

 

バンも今時期は雛や幼鳥の姿が見られてもおかしくないのですが、今日一日を通して親子で行動するバンは1羽も見ることができず。


予定であれば産毛の残った毬栗頭の可愛いヨシゴイの幼鳥を観察し楽しい記事を書きたかったのですが、残念ながらこれが現状。

場所を変えて同じように観察をしてみましたが、やはり水害のあった場所では繁殖の兆しは見られませんでした。

いつもであれば密集した葦に紛れるヨシゴイを探すのは楽しいものですが、今日に限っては何だか切ないものがあります。

 

 

唯一楽しく思えたのは擬態のポーズを見た瞬間。

私が近付くことで首を伸ばしこちらを凝視しています。

 

私が子供の頃の梅雨と云えばシトシト雨が降る風情のあるものだったと記憶していますが、近年は高温多湿で一度降りだすとバケツをひっくり返したような大雨。

数十年に一度クラスの特別警報も毎年のように発令されるなど、本当に暮らしにくい世の中になってきました。


このような災害が発生する原因は気象の変化によるものですが、残念ながら根本的な原因は人間によるものが多いでしょう。
野生の生き物たちは環境の変化に非常にシビアですし、我々人間以上に影響を受けてしまいます。

暗い話題になってしまいましたが今日はヨシゴイを観察することで身の回りの環境について考えさせられる、そんな一日となりました。

 


本日の観察日記はここまでですが、これで終わりとなると書き手の自分もそうですが、日記に目を通してくださる方もモヤモヤした気持ちになると思うので気分転換的な動画を一つ。

カワセミが何度もダイブを繰り返し、その様子を見ているとカメが道路を横断してきました。

車を降りて近付くとカメは甲羅に身を隠し・・・

 

 

本日の観察日記はこれにておしまい。