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2024年8月5日

 

 

 

本日更新の日記は7月21日の観察から。

 

7月中旬、X(旧Twitter)を閲覧していると秋田県以南の地域において『オオジシギ初認』のポストがありました。

 

つい先日、渡ってきたばかりの個体を観察した感覚でいましたが、早くも越冬地を目指し繁殖地から移動を始めたようです。

 

このポストを受け私も休日はオオジシギを探してみることに。

 

 

梅雨寒という言葉がある通り嘗ては梅雨に入ってから肌寒い日があったものの今季は例外。

最低気温は25℃前後で推移する日が多く、この日も早朝から不快な蒸し暑さを感じました。

 

気温が上がる前にと先を急ぎましたが捜索は難航。

 

今季初認の個体を見つけたのは捜索を始めて二時間半が経過した頃。

 

 

画像を見ての通り警戒している様子が伺えます。

 

膠着状態が続いた後、オオジシギは身体を起こすと駆け足で距離を取り畔をジグザグに進むとあっという間に田んぼの反対側へ。

 

 

車に対してこれほどの警戒心を見せる個体はどう足掻いても良い観察ができません。

 

追ったところで飛ばしてしまうのは関の山。

お互いにとって何一つ良いことが無いため別個体を探すことに。

 

この後は苦労することなく別個体を発見できましたが、こちらの個体も警戒心が強く観察に適していません。

 

 

そのため別個体を探したものの、この日は観察を許してくれる個体と出会うことができず...

 

観察に結びつかなかったとは言え渡りの統計を取る上では大事な記録。

今後の観察に役立つ日が来ることでしょう。

 

 

オオジシギの捜索後は代替案として考えていたアカショウビンの観察へ。

 

この日、オオジシギが見られなかった場合を想定してアカショウビンの観察を考えていましたが、現地へ到着するとお二方がブラインドを張っていました。

 

聞くところによると『今日はまだ姿を見せていない』とのことで、私もブラインド用意していると『遠藤さんがブラインドや三脚を使うのはスーツを着ている姿を見るより珍しい』と早速イジってくる御仁。

 

日本全国を見渡しても私をイジるのはこの御仁くらいでしょうか。

 

更に『ブラインドに入っても手持ちで撮影するの?』等々次から次へとよく出てくるものです。

 

 

軽口を叩く御仁を余所に準備を整えアカショウビンの飛来を待ちました。

 

飛来するまで長丁場を覚悟していましたが、姿を見せてくれたのは現地へ到着して30分後の出来事。

 

 

こちらの個体は先週更新の日記に掲載したリュウキュウアカショウビンとの交雑を疑う雄の個体。

 

やはり上面の羽衣が紫色を帯びています。

 

前回と同じ枝へ移動すると池に飛び込み水浴びを始めたためMFに切り替えて撮影を試みました。

 

 

撮影に四苦八苦する私と対照的に隣で撮影するお二方は今流行りのミラーレスを使用しており、意図も簡単に撮影を成功させていたようです。

 

このところSNSでは決定的瞬間を綺麗に撮影した画像を目にするようになりましたが、高性能のミラーレスカメラは水面へ飛び込むアカショウビンにもAFが追従してくれるのだとか。

 

私の使用する骨董品とは差が歴然。

 

 

こうした現実から私もミラーレスへの移行を検討しR1(飲むヨーグルトではない)の購入を考えていましたが、2420万画素というスペックに躊躇しているところ。

 

画素数が全てではないとは言え、せめて3000万画素くらいあってもいいのでは...

 

納得のいく撮影ができないままアカショウビンは水浴びを終えてしまい、飛来当初の横枝へ移動すると羽繕いを始めました。

 

 

入念に羽繕いした後、アカショウビンは私の真横を通過して林の中へ姿を消しましたが、この時も隣からは高速の連写音が...

 

雛が孵化してからは池で餌を採ることが少なくなり、給餌を終えた後に水浴びへ来ているのだとか。

 

暫くは姿を見せないだろうと高を括っていると25分後に再び飛来。

 

 

想定外の出来事に慌てふためき観察を再開しましたが、これまでに見た個体と上面の色が違うような...

 

疑問を感じたため「色薄くない?」と問うと隣から『雌だな』という声が聞こえ、どうやら雄と入れ替わりで飛来したようです。

 

 

雌も雄と同じ枝へ移動し水浴びを始めましたが、雌は飛び込む場所がその都度変わるため狙いを定めることができません。

 

見事にピンぼけ写真を量産。

 

 

落ちついた気持ちで撮影できたのは再び横枝へ移動し羽繕いを行う時でした。

 

 

羽繕いは雄よりも雌の方が丁寧な印象。

何度も体を震わせては水気を払い嘴で丁寧に整えていました。

 

 

羽繕いを終えると雌も同じコースで私の真横を通過。

 

この時も隣から聞こえたのは高速のシャッター音。

無言で私に圧力を掛けてきます。

 

 

御仁によると次に飛来するのは13時30分頃なのだとか。

私としては雌雄の個体を見ることができ既に満足していましたが「本当かいな」と御仁の言葉を疑い13時まで待ってみることに。

 

次の飛来まで暫く時間が空き、私は蚊と格闘していると綺麗な蝶が飛来。

 

すかさず蝶を撮り始める御仁。

次にブラインドに飛んできたキリギリスの撮影も始め『ナチュラリストなんで』と主張を繰り返していましたが、間もなく頭上から降ってきた毛虫の撮影を奨めると『これはダメだ』と言う自称ナチュラリスト。

 

 

ここで自称ナチュラリストの御仁に問われました。

 

『アカショウビンは何故赤いのか』

 

飛来を待つ間は知識と教養を深める時間なのだそうです。

アニマルウォッチャー氏はいつもこんなことに付き合わされているのかと、この議題について仕方なく相手をしていると時刻は13時に。

 

御仁の言う13時30分まであと少し。

 

「全然来ねーじゃねーか」と言ってやろうとあと30分をタイムリミットに待っていたところ...

 

林の奥を飛翔する赤い影を目にしました。

この時の時刻13時24分。

 

それから2分後、アカショウビンが飛来。

 

 

「本当に来たよ...」と驚いていると何ともう1羽が飛来。

雌雄揃っての飛来は全くの想定外。

 

当初は別々の場所に止まるペアでしたが、ここで予期せぬ出来事が。

 

 

柔らかい声を発していた雌が雄のもとへ一直線。

 

 

隣からは『マジか!!』と御仁の声が。

 

ここから雌雄交互に水浴びを始めましたが一体どの様に撮影することが正解なのか。

まごまごしている私は悉く撮影に失敗。

 

 

水浴びを繰り返しているうち雄はペリットを吐き出そうとこの表情。

 

 

その後も水浴びを繰り返すと別々の場所へ移動し羽繕いを始めました。

 

 

羽繕いを終えた2羽は林の中へ姿を消しましたが、観察を終えるや否や『失敗したぁ。遠藤さんに今日はもう池に来ないって言えばいがった』と言い放つ御仁。

 

御仁は昔からこういう人です。

 

お陰様でと言うのは癪に触りますが、この時期としては珍しいツーショットの場面を見ることができ満足のいく一日になったことは言うまでもありません。

 

この日の観察を振り返るにあたり、結びの言葉として一言。

 

「ツーショットのアカショウビン、ご馳走様でした」

 

 

本日の観察日記はここまで。