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2024年6月21日

 

 

 

本日更新の日記は観察旅行記。

 

今回の目的地は勝手知ったる石垣島。

嘗ては年に一度のお楽しみも今や年に5~6回足を運ぶようになり、最も渡島回数の多い旅先となりました。

 

観察旅行と言いつつもこれといった目的はなく、今回の旅はANAダイヤモンドステイタス維持のため国内最長路線に乗ることが第一の目的です。

 

私は夏ダイヤ・冬ダイヤの発表に合わせて大まかな計画を立てているため、旅先でどの様な出会いが待っているのか分かりません。

 

勿論ベストシーズンを狙って旅を計画することもありますが、石垣島の旅はおみくじ感覚。

運が良ければとんでもない珍鳥と出会すこともあり、以前観察できたセイケイが良い例でしょう。

 

 

今回の目玉商品はリュウキュウガモ。

1963年に慶良間列島での観察例を最後に記録が途絶えていたそうですが、61年ぶりに石垣島で確認されたとのことで大きな期待を持って石垣島へ飛びました。

 

 

 

2024年 野鳥観察の旅 in 石垣島 (6月) ①

 

 

この日、新石垣空港へ到着したのは定刻より少し遅れた14時45分。

 

本州へ北上した梅雨前線の影響により向かい風が強く揺れの多いフライトでした。

 

 

早速リュウキュウガモの観察と言いたいところですが先ずはレンズの解凍作業から。

 

高温多湿の石垣島へ着いて待っているのがこの作業。

貨物室でキンキンに冷やされたレンズをケースから取り出すと一瞬で曇りが発生してしまいます。

 

南国の強い陽射しに曝すこと約10分。

レンズの曇りが解消されたのと引き換えに私の額からは滝のように流れる汗。

 

沖縄地方はこの日の前日に梅雨明けの発表があり夏本番の暑さ。

連日33/29℃の容赦ない暑さが身体を襲いました。

 

準備が整ったところでリュウキュウガモの観察へ向かうはずでしたが残念ながら渡島前に抜けてしまい初観察は叶わず...

 

 

しかしリュウキュウガモと入れ替わる形で夏羽のレンカクが入ったとの情報を頂き現地へ直行しました。

 

情報のあった場所へ到着すると水の張った田んぼには複数羽のセイタカシギとタカブシギが見られこちらの田んぼで間違いないようです。

 

 

田んぼをなぞるようにチェックしていくとレンカクを発見。

 

 

私にとって初めて見る夏羽のレンカク。

 

石垣島には毎年渡来しているようですが、梅雨時期に入ることが多く梅雨明けを狙って渡島する私にとっては縁遠い鳥でした。

 

 

いつしか憧れの鳥となったレンカクとの初めての出会いは昨年秋。

 

時期的に冬羽に換羽していましたが、初めて見るレンカクは想像より大きく思い描いていた鳥とのギャップに驚かされたことを鮮明に記憶しています。

 

こちらは昨年秋に観察できた個体。

 

 

しかし今回見ることのできた夏羽のレンカクは想像通りのスマートな印象。

 

 

黒褐色の羽衣に長い尾羽がそう感じさせたのかもしれません。

 

何と言っても目を引くのは首の後部。

光りの加減によっては金色にも見え、白・黒・金色で構成される羽衣はインパクトが抜群でした。

 

 

後肢の指と爪が非常に長く、日本で見られる野鳥のなかでも異質と感じるのは私だけでしょうか。

 

 

このような容姿から私がイメージするのは中国の湖沼で睡蓮の葉の上を歩く姿。

 

水墨画に描かれているような妄想が膨らみ「レンカクは中国の鳥」という勝手なイメージが出来上がっていました。

 

 

分布域を調べてみたところユーラシア大陸・スリランカ・台湾・フィリピンで繁殖しインドネシア・マレーシアに渡って越冬するようです。

 

容姿の話題は程々に行動については他のシギチと何ら変わりはありません。

 

但しこちらの田んぼでは丸い物体を捕食する姿が多く見られました。

 

 

採餌の場面を写し拡大した画像がこちら。

この丸い物体は何なのか。

 

 

水田の作物を食い荒らすジャンボタニシの幼貝と想像しましたが確信に迫る画像を撮ることはできず...

 

もし私の見立てが合っているのであれば害虫駆除に役立っているかもしれません。

 

 

時々やって来るカラスに怯えながらも田んぼを広範囲に動き回るレンカク。

 

 

情報にあった通りカラスを警戒し周囲の様子を気にする場面が多くありました。

これまでに何か嫌な思いをしたことがあるのでしょうか。

 

 

昨年秋に見られた個体に比べるとそれなりに警戒心が感じられ、田んぼの中央付近に居ることが多かったように思います。

 

 

農道脇で観察を続ける私よりも付近を通過するトラクターには敏感で、小走りをして距離を取ろうとする姿も頻繁に見られました。

 

 

トラクターを気にせず採餌するセイタカシギとは対照的に今回観察できたレンカクは臆病な性格だったのかもしれません。

 

観察を始めてから暫くの間は採餌と休憩を繰り返していましたが、陽が傾いてきた頃には水浴びをする機会が増えました。

 

 

水浴びの様子を見ていて面白いと感じたのがこちらの姿。

 

まるで温泉に浸かるかのように身体を沈めています。

 

 

水浴びを終えた後にはその場でジャンプするように水気を払う姿も見られましたが、そちらの場面は背景にピントが引っ張られてしまい撮影失敗。

 

そこでMFに切り替え次の場面を待ってみると...

 

 

上手いことジャンプする姿を撮影することができました。

 

暫く採餌を続けたレンカクは再び水浴び。

 

 

この時も多分に漏れず入浴シーンを披露。

 

 

ジャンプの場面に備えてその瞬間を待っていると...

 

周囲を旋回するように飛翔。

これは想定外。

 

 

思いがけず飛翔する姿を撮らせてもらうことができましたが、こうした場面はこの後も数回あり様々な行動を見せてくれたレンカクには感謝しかありません。

 

 

石垣島へ着いてから約2時間半、レンカクの観察に専念してこの日の観察は終了。

 

 

観察を終えた後は休む間もなく居酒屋へ。

 

慌ただしく動いていたこともあり喉はカラカラ。

脱水状態の身体にビールを流し込むと与那国島での出来事を思い出しますが、渇ききった喉にオリオンビールは格別でした。

 

 

八重山民謡が聞こえる店内で沖縄料理に舌鼓を打ち、翌日からの観察に備えて栄養補給。

連日晴天猛暑が予想されていたため、しっかり食べなければ身体が持ちません。

 

翌日からは過去の経験を活かし夏の石垣島らしい鳥を見て回りましたが、思いもよらない出会いに恵まれました。

 

 

そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。