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2024年5月27日

 

 

 

本日更新の日記は5月3日の観察から。

 

待ちに待ったGW後半。

地元の探鳥に勤しもうと例年にない意気込みで初日を迎えましたがGW前半から驚くほどの好天続き。

 

一般的には行楽日和となり最高の連休になったことでしょう。

しかしバードウォッチャーにとっては好ましい天候ではありません。

 

渡り鳥が足早に移動してしまうため探鳥地として名高い飛島からも『過去一鳥がいない』という声が漏れてくるほどバードウォッチャー泣かせの好天が続いていました。

 

こうした実状から飛島の北東に位置する男鹿半島には期待が持てず...

 

しかし行ってみないことには様子が分かりません。

無駄足覚悟で男鹿半島へ繰り出しましたが開始早々厳しい現実を突き付けられました。

 

 

最初に覗いた海岸ではシギチの姿が無し。

 

ほんの数年前まで沢山のシギチを見ることができていただけに、僅か数年でここまでの変化があるのかと得も言われぬ気持ちに...

 

幾ら好天が続いていたとはいえ1羽も見られないというのは異常です。

シギチそのものが急速に数を減らしていることを表しているのでしょう。

 

 

何ヵ所かチェックしているうち、とある場所ではムジセッカの地鳴きを耳にしました。

 

鳴き声から直ぐに居場所を突き止めることができたものの好天の悪影響がここにも。

ムジセッカを撮影した原画がこちら。

 

 

直射を受けた葉っぱが光りムジセッカが何処に写っているのかも分かりません。

 

カメラのAFも当てにならずMFで撮影しましたが、ピンぼけ写真だけに拡大しても分かる人には分かるといった画像です。

 

 

ムジセッカが視界に入っていたのは約1分。

あっという間にブッシュへ潜ってしまい、その後姿を見ることはありませんでした。

 

気を取り直して探鳥を再開しましたが、やはり好天が悪影響して思うように事が運ばず。

 

鳥そのものが少ないうえに逆光になったりとストレスを抱えながら鳥を探しているとビンズイを発見。

 

 

ヨーロッパビンズイを疑う特徴が見受けられ一時喜ぶ場面もありましたがとんだ糠喜び。

光の加減から誤認を招きました。

 

 

結局、男鹿半島での探鳥は空振りと言っていい内容。

 

これだけで半日を無駄にしてしまうため男鹿半島での珍鳥探しは博奕要素が高過ぎます。

本当に骨折り損のくたびれ儲け。

 

 

既に心は折れていましたが手ぶらで帰る訳にもいかず農耕地へ場所を移動。

農繁期を迎えた田んぼにはシギチが入ることが多く、チュウシャクシギがあちこちで見られました。

 

 

いざ車を止めると警戒されてしまうことが多いため観察をするにはある程度の距離が必要となります。

 

しかし他地域の方が撮影された写真を見ると比較的近い距離から撮影されているようですが、秋田で見られる個体群とは警戒心が異なるのでしょうか。

 

 

乾いた田んぼにはケリが点在し私を威嚇していました。

 

 

おそらく付近に営巣していた、あるいは雛が居たのでしょう。

 

 

私の気を逸らそうとしていたのか周囲を飛ぶ事が多く早めに退散。

 

 

ムナグロもあちこちの田んぼで見られましたが、例年に比べると数が少ないように感じます。

 

 

この頃から予報になかった雲が出るようになり晴れたり曇ったりの繰り返し。

何故、男鹿半島を回っている時に曇らなかったのか...

 

ムナグロの群れには別種のシギチが混ざっていることも多く、目新しさを求めてチェックして回ると想定外の鳥を発見。

 

田んぼにシマアジ。

 

 

一緒に行動していたコガモに釣られやって来たのかもしれません。

 

シマアジはこの時期に見られることが多く、一部地域では毎年同じ場所で見られているようです。

 

 

付近の田んぼにはトウネンが3羽。

このうちの1羽が面白い特徴を持っていました。

 

それがこちらの個体。

一見するとヨーロッパトウネンを疑いたくなるような足の長さ。

明らかにトウネンより足が長く嘴もやや細いように感じます。

 

 

こちらは一般的なトウネン。

 

 

上下の画像を比べると分かる通り足の長さについては一目瞭然でしょう。

 

しかし背の模様はトウネン。

初列風切の突出もそこまで際立っておらず何よりもヨーロッパトウネンは喉が白いため特徴として異なります。

 

 

交雑個体と言われると合点がいきますが、それを調べる手立てが無いため真相は分かりません。

 

面白い個体が居たものだと暫く眺める時間が続きました。

 

 

水を張り始めた田んぼにはユリカモメが沢山。

 

この時期の風物詩とも言えるユリカモメですが代掻きをした田んぼは採餌しやすく非常に合理的。

 

 

古来からこのように人間と共存してきたのでしょう。

鳥そのものの数が減っているだけに、こうした光景がいつまでも続くようにと願ってやみません。

 

 

この日はタシギをよく見掛けましたが相手の方が一枚上手でした。

ほとんどのケースにおいて飛ばれてしまうことが多く、撮影を許してもらえたのはこの1羽だけ。

 

 

あっという間に時間は過ぎていき、この日の探鳥はここまでと帰宅の途についたところ久しぶりに地元でアマサギを目にしました。

 

旅先で見ることが多いため意識が薄くなっただけかもしれませんが、地元で見る機会はそれほど多くありません。

 

 

車を止めて間もなく田んぼへ入ったアマサギはカエルを捕獲。

その場で食べるのかと思いきやカエルを咥えたまま歩き始めました。

 

 

面白い場面を期待したものの背を向けているうちに飲み込んでしまい決定的瞬間を撮ることができず...

 

そのため最後にはモデルになってもらいこの日の観察を終了。

 

 

結果的にこの日は観察らしい観察もせず移動しながら写真を撮っただけの一日となってしまいました。

 

 

以降もGW後半は渡り鳥の観察に不向きな好天が続いたため男鹿半島での探鳥を断念。

翌日からは気分を変えて山間部で観察を行いましたが、そちらの様子は次週更新の日記へ続きます。

 

本日の観察日記はここまで。