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2024年8月26日

 

 

 

本日更新の日記は8月3日の観察から。

 

この日は通常通り勤務日でしたが思いもよらないチャンスが巡ってきました。

 

社用車に乗って移動することの多い私ですが、当日の仕事先は例年観察を行っているショウドウツバメの渡りの中継地。

この機会を逃す手はありません。

 

但し業務内容としては忙しく時間を確保できるのは昼休憩の一時間のみ。

慌ただしい観察になることは覚悟のうえ、10分で飯を掻き込み50分限定の一本勝負を始めました。

 

 

この日の前日(8月2日)例年より5日遅く梅雨明けの発表があり、梅雨明け直後から一気に気温が上昇。

 

秋田県も夏本番の暑さとなりましたが、この時期になると繁殖を終えたショウドウツバメが群れを成して渡ってきます。

 

 

渡りの中継地では電線に並ぶショウドウツバメが見られるようになり、ピーク時には数千という数になることも。

 

8月3日時点での総数は1500羽前後だったでしょうか。

 

 

数こそまだまだという状況であったものの、例年と変わらず観察できることを嬉しく思いました。

 

群れの様子については目新しい行動も見られないため特筆すべきことがありません。

しかしこの時期の風物詩とあって欠かさず観察を行っています。

 

 

電線に止まる群れの様子を見ていると体を傾け翼を開き気味の個体が。

こちらは毎年話題に取り上げている日光浴。

 

 

こうした行動はショウドウツバメだけではなく他の鳥類にも見られますが、ショウドウツバメは特に日光浴を好む鳥だと感じます。

 

群れを観察していると追いかけ合うように飛ぶ場面もあり、そのほとんどは幼鳥同士。

 

 

遊びの範疇なのか、それとも何等かの目的を持っているのか理由は定かでありません。

 

 

不思議な行動と言えば羽の争奪戦。

この行動についても毎年触れていますが、何処から見つけてくるのか他の鳥類の羽を巡って奪い合う様子が見られます。

 

どういった意味があるのかと考察しましたが、遊びの一環として行われるという線が有力。

 

争奪戦に加担するのは幼鳥が多く成鳥は見て見ぬふり。

こうした点を踏まえても幼鳥は遊ぶことが好きなのではと考えるようになりました。

 

 

この日も争奪戦を繰り広げていないかと群れ全体を眺めていたところ...

 

明らかに羽毛とは異なる白い物体を追いかけるショウドウツバメたち。

白い物体の正体は何と驚き、アルビノのショウドウツバメでした。

 

 

遠くを飛んでいるところを発見したため画像は最大まで拡大しています。

 

そのため画質は悪くなってしまいましたが部分白化とは思えません。

 

 

アルビノの個体は他の個体たちに追い回され私の目には苛められているように見えました。

 

この姿を見て脳裏を過ったのは童話・みにくいアヒルの子。

 

 

アヒルが美しいハクチョウになったというお話ですが、どう転んでもツバメはツバメ。

残念ながらツバメがハクチョウになることはありません。

 

 

アルビノの個体は次第に遠退き視界から消えてしまったため、何処かの電線に止まってはいないかと探してみることに。

 

電線に止まる姿を見ることができればアルビノのか否かはっきり答えを出すことができるでしょう。

電線に止まる個体を1羽1羽チェックしていると不意に四方八方へ飛び立つ群れ。

 

 

原因は上空に現れたトビ。

ショウドウツバメは猛禽に対して敏感に反応するため、こうした姿を度々目にします。

 

トビがショウドウツバメを襲うことはありませんが、チゴハヤブサであれば相当な脅威となるはず。

 

 

結果としてアルビノの個体を見つけることができなかったため、残された時間は再び群れの様子を観察することにしました。

 

 

この時に見られたのは個体毎の性格差。

こちらの個体、お隣さんにちょっかいを出すのが好きなようです。

 

 

摺り足で距離を縮めては嘴で突っつき相手は迷惑そうにしていました。

 

 

何度も突っつかれると我慢ならなかったのか場所を移動。

 

 

こうした行動を見ている間に期待したのはアスファルトの地面に降りて虫干しをする姿。

 

晴天時に見られる行動ですが、気温が上昇しアスファルトが焼けるように熱くなると地面に寝転ぶ姿を見ることができます。

 

この時も身体中から汗が吹き出るほど暑かったため期待を持って群れの様子を見守りましたが思うようにはいきません。

 

 

今か今かと待ってる間はひたすら撮影に没頭。

 

 

これまでとは違った写真を撮ることができればと、飛翔する姿はボケの効いた写真になるよう意識しました。

 

 

撮影に没頭しているとあっという間にタイムアップ。

 

 

流石に50分の観察時間は短過ぎました。

群れはアスファルトに降りてくることのないまま仕事へ戻ることに...

 

とは言えアルビノの個体を見ることができたのは大きな収穫でしたが、先天的な遺伝子の疾患を持って生まれた命は今後どうなるのか。

 

いじめられっ子ではなく人気者として仲間たちと過ごしてくれたら良いのですが、先ずは無事に越冬地へ辿り着くことを願い仕事に戻りました。

 

 

本日の観察日記はここまで。

 

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