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2020年2月24日 10/4℃ 晴れのち雨




晩秋から始まった大潟村周辺での冬鳥観察は今回が最終日。

今季も足繁く通いましたが数々の出会いに恵まれ楽しい時間を過ごすことができました。

有終の美を飾るというという言葉がありますが、文字通りそのような観察ができればと思い大潟村に足を運び目にしたのは青空を舞うオジロワシ若の姿。

 

 

「今季最後はワシを観察するかな」

いつも見ているオオワシを含め大潟村周辺で見られるワシたちはいつ秋田を離れてもおかしくない時期ですが、いつもの場所に未だ滞在しているのか様子を見に行ってみることに。

目的地500mほど手前で見えてきたのは白く目立つオオワシの肩羽。
所定の位置と化した止まり木で休むオオワシはこの羽が見えることで遠巻きでも所在の有無が分かります。

 

 

今や多くのバードウォッチャーが観察しているオオワシですが、特定の場所ということもありWeb上に止まり木の全体画像を掲載することはできません。
その為いつも掲載している画像は近場から撮影していますが、今回は撮影目的ではなかったことからぼんやりと遠くから眺めていました。

時々「ケッケッケッケッ」と鳴き声を発していましたが体長の大きさに比例するように声量も大きく、吠えてるといった表現の方が合っているのではないでしょうか。


観察を始めて30分が経過した頃、尾羽をクイッと上げる仕草を見せました。
この動作の後にはウンチをします。

猛禽類は飛び立つ前にウンチをする傾向にありますが、飛び立ちの前触れを目にしたことからカメラを構えてみました。

それから間もなく飛び立ち。

 

 

「速い」

居場所を変える意味での飛翔はフワーッと比較的ゆっくりとした速度ですが、この時は明らかに何かを狙って飛び立ったと思わせる飛翔速度でした。

そして遠巻きに見えたのはパニック状態で飛び交うカモたちの姿。
一体何が起きているのかと野次馬根性でオオワシが飛んだ方に移動してみると、車道近くに降りているオオワシとオジロワシ若の姿が目に入りました。


よく見てみるとオオワシが何かを捕食している様子。

 

これはチャンスとばかりに車を横付けしましたがオジロワシ若は飛ぶこともなくオオワシの様子を見ています。

 

 

オオワシは私の存在を気にすることもなく獲物に喰らいついているようですが、畦の陰になっていたことから何を捕食してるのか見てとることができません。

上を向いた瞬間に連写を重ね、画像を拡大し検証してみると獲物は魚であることが分かりました。
嘴からヒレと思われる物体がはみ出ています。

 

 

私の想像の範疇に過ぎませんが、おそらく遠く離れた止まり木から水辺に浮かぶ魚の死骸を見つけ飛び立ったものと推測しました。

もし私の推測が正しければ恐ろしいまでの視力。
一体オオワシの目に見える風景はどんなものなのでしょう。


オオワシをファインダー越しに観察していると何か上空が気になる様子。

2羽とも空を見上げています。

 

 

ファインダー越しの観察は視野が狭いため何を気にしているのか分かりませんでしたが、突然ファインダーのなかに黒っぽい物体が飛び込んできました。

黒っぽい物体の正体はオジロワシ若。

 

 

何処から見ていたのか分かりませんが、オオワシが魚を捕食していることに気付き飛来したのでしょう。

突然現れた邪魔者にオオワシはえらい剣幕でオジロワシ若を威嚇しました。

 

 

あまりの勢いにたじろぐ姿が面白い。

この辺りの主であるオオワシは独占欲が強いようです。

 

 

面白いシーンだったのでオオワシだけを拡大。

実際問題、この大きな嘴と鋭い爪で攻撃されたらたまったものじゃありません。

 

 

この勢いに圧倒されたオジロワシ若はフワリと飛び立ちました。

普段とは違い、近い距離でこの角度の飛翔シーンはなかなか撮影する機会がないのでひたすら連写。

 

 

飛び立ったオジロワシ若はその場を離れることもなく私の車の上を旋回していたのでこちらも撮影を続けました。

しかし距離が近過ぎバランスの悪い写真に・・・

 

 

旋回していたオジロワシ若が田んぼに降りたことろで、再びオオワシの観察をしようと一度ファインダーから目を離すとオオワシの姿が見当たりません。

辺りを見渡すといつもの止まり木に向かって飛んでいく姿が目に入りました。
オジロワシ若に気を取られてしまったことで、オオワシの飛び立ちのシーンを見ることができず・・・

 

仕方ないので目の前に佇んだままのオジロワシ若を撮影してワシの観察は終了としました。

 

 

のんびり眺めるはずが狙って観察をすることができないような場面に遭遇し、有終の美を飾るという意味で本当に良い観察ができたと思います。

季節のなかでも最も冬が好きな私にとって北の方角へ飛んでいくガンやハクチョウの群れを見ると寂しさを感じますが、異常なまでの暖冬だった今季を振り返ってみると良い場面に出会えることの多い冬でした。

シーズンの最後は私にとって特別な存在であるオオワシを観察しましたが、無事に故郷へ帰りまた来季元気な姿を見せてくれることを願っています。


来週からは春の渡りが始まるまで自宅近辺での観察となりますが、全国に目を向けると普段見ることのないような鳥の確認例があちこちで相次いでいる模様。

もしかしたら自宅近くでも思わぬ出会いが待っているかもしれません。
何が出るかはお楽しみということで、先ずは普通種をしっかり観察していきたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。