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2023年5月29日

 

 

 

本日更新する日記は今月5日の観察分から。

 

私にとって5月の大型連休はこの日が最終日でした。

 

5月上旬ということもあり春の珍鳥シーズン真っ盛りでしたが、珍鳥との出会いは運任せとして連休最終日は特に目的を決めず行き当たりばったりの観察をしてみることに。

 

始めに出会ったのはゴイサギ。

 

 

嘗てはあちこちにコロニーがあり観察の機会が多かったゴイサギ。

しかし近年は見る機会が減ってるように思います。

 

目にすることがあっても観察に結び付くかは別問題でカメラを向けたのは“久しぶり”という印象でした。

 

ついついカメラを向けたくなる、そんな場面。

 

 

採餌に夢中だった為か近距離からの観察にも動じることはなく、気付いてみるとこの時だけで結構な撮影枚数に...

 

 

次に出会ったのはムナグロの群れ。

 

 

現在は田植えも終わり初夏の雰囲気を思わせるようになりましたが、秋田県では5月の連休頃に農作業が盛んになります。

 

乾いた田んぼを好むムナグロは代掻きが始まる前の田んぼに同化していることが多く、パッと見た目には気付かないことも。

 

 

田んぼに水が張り始めると場所を追われるように少しずつ数を減らしますが、それでも粘り強く居座る個体も屡々見られます。

 

こちらはミミズを捕食するムナグロ。

 

 

ムナグロの群れの中には別種が混ざっていることも多く、こちらの群れの中にはタカブシギが1羽混ざっていました。

 

こうした観察は宝くじのようなもの。

タカブシギは6等といったところでしょうか。

 

 

時に珍しい種が混ざっていることもあり、各所に点在する群れのチェックは楽しい作業。

 

新たな出会いを求め農道を移動しているとオシドリのペアを発見。

 

 

しかし車を止めて間もなく飛ばれてしまいました。

私の車から変なオーラでも出ているのか...

 

 

ここまでの出会いを文章にするとほんの数分程度で読めてしまいますが、早朝から活動を開始し4時間ほどの観察分です。

 

正直なところ自宅を出発する前は「珍鳥見つけるぞ」と意気込んでいたものの、いざハンドルを握ると疲労感から集中力の欠けた状態。

 

やはり2週連続の旅行は厳しかった...

 

 

それに加えて4月中は業務が多忙で、夜は連日ヤマシギの調査へ出ていたことから慢性的な疲労が溜まっていました。

 

その様な状態から意気込むことなく容易に観察できそうな鳥を見て回っていましたが、このタイミングで目にしたのはユリカモメの群れ。

 

 

秋田県の一部地域に見られるこの時期ならではの風物詩。

 

田んぼに水を張り代掻き作業が始まると何処からともなくユリカモメの大群が押し寄せます。

 

 

地域によってはウミネコまたはオオセグロカモメが集まる田んぼもあり、同じ秋田県内においても地域差が生まれるのは不思議なこと。

 

特にこのユリカモメの大群が見られるのは秋田県に住む者であっても知らない人が多いかもしれません。

 

私自身、野鳥観察を始めるまではこの様な光景が見られることを知りませんでした。

 

 

農作業の邪魔にならないよう広めの農道へ車を停め、農家さんへ挨拶してからの観察です。

 

珍鳥との出会いは嬉しいものですが、こうした日常の光景であったり地域ならではの観察は時として珍しい場面に思える方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

日本各地へ出歩くようになり気付かされたのは、地元の日常は他の地域へお住まいの方にとって非日常。

 

例に挙げると北国に住む者にとって冬の使者と呼ばれるハクチョウが田んぼに群れるのは日常の光景です。

 

 

しかし他の地域へお住まいの方(特に西日本)にとってハクチョウは水辺で少数見られる存在。

 

逆の例に挙げると私にとってツルが群れる光景は非日常となります。

 

 

最近は特にこうしたことを意識するようになり、この日はユリカモメの群れを腰を据えて観察したいと思いました。

 

代掻きをするトラクターを付いて歩くユリカモメも見られる傍ら、低空で飛び回る個体、畦で休む個体と様々。

 

 

水の張った田んぼにカモメ類が集まるのは餌となる生き物が捕り易くなることが理由となっているのでしょう。

 

代掻きとは田起こしが終わった田んぼに水を張り、土を更に細かく砕き掻き混ぜて表面を平らにする作業です。

 

この作業をすることにより土壌に潜む生物が撹拌されるため餌が捕り易くなるのは間違いありませんが、こちらのドジョウは一体何処から出てきたのか...

 

 

当然水を張る前は乾燥した田んぼであり、ドジョウは乾いた土の中でも生きていけるものなのか。

 

ミミズは分かるとしてもドジョウは摩訶不思議。

 

 

観察が一段落したところで、この後は撮影を楽しみました。

 

できる限り身を低く構えユリカモメ目線のローアングル。

 

 

構図を考え撮影を行いましたが、沢山群れているだけにどの個体を撮影していいのやら...

 

今更ながらもっと被写界深度を上げて風景も取り込むべきでした。

 

 

低空を飛び交い急降下すると瞬時に生き物を捕獲していましたが、それにしてもよく見つけるものだと関心させられます。

 

 

こちらの個体はよく吠えていた個体。

 

 

畦で羽を休める個体は縦構図で農家さんを絡めて。

 

 

本来であればトラクターに群れる光景を撮影したかったのですが、一番大きな群れが見られた田んぼは農家さんたちが忙しそうにしており今回は断念。

 

それでもこの時期、この地域ならではの光景をカメラに収めることができたのは良かったでしょう。

 

 

来年は青空の下、観察は勿論のこと画にも拘って撮影を楽しみたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。