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2024年3月18日

 

 

 

本日更新の日記は先々週の記事でも触れた通り“嬉しい出会い”についてお話したいと思います。

先ずは本題へ入る前に嬉しい出会いに繋がるまでのプロセスから。

 

 

遡ること1月22日、勤務中に目撃したのは起点エリアで採餌するヤマドリ。

 

ちょうどこの日から社用車用の双眼鏡を用意していたこともあり双眼鏡にスマホを押し当て撮影してみることに。

 

 

標準的な倍率ではケラレが発生しまったもののスマ双ならではの画像になりました。

 

同位置からスマホの倍率を上げて尾羽が切れないよう撮影した画像がこちら。

 

 

何の説明もなく画像だけを掲載した場合、一眼レフで撮影した画像と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

更にスマホの倍率を上げて撮影してみると...

 

 

スマホでこれだけの画像が撮れるのであればもっと早くから社用車用に双眼鏡を用意するべきでした。

 

 

この時の撮影データを確認してみると撮影時刻は14時04分。

 

前日も同様の時刻に出ていたことから、こちらの個体は午後になると現れるようです。

 

 

こうしたデータを翌日に観察を控えていた知人へ伝え午後からの観察を奨めたところ...

 

1月23日、この日は朝一番で起点エリアを通過しなくてはならなかったため念の為にと田んぼへ目を移すと既にヤマドリの姿が。

 

時刻は8時30分。

慌てて知人へ連絡を入れるとまだ自宅に居るとのこと。

午後からの観察を奨めていただけに仕方ありません。

 

採餌が終わるまで間に合うだろうかと気を揉んでいましたが、9時を過ぎた頃に『居ました 居ました、ありがとうございます!』と連絡が入り安堵。

 

その後『10時10分頃に山へ戻っていきました』という続報も入りましたが、他のエリアに出ている可能性もあり場所の移動を奨めたところ11時24分、雌が1羽出ているとの報告を受けました。

 

 

順調に観察できている様子が伺え気分を良くしていたところ昼休憩中に驚きの情報が。

 

『オオマシコ、7羽くらい居ます!』

 

 

この一報を受け、驚いたのと同時に「やっぱり出たか」というのが正直な感想でした。

 

オオマシコの渡来数が多いと言われたこの冬、ヤマドリの出現エリアに出るのではと実は調査と平行してオオマシコを探していたのです。

 

昼休憩が終わった後にはちょうどそちらを通過する予定であった為、休憩を繰り上げ現地へ直行。

 

 

鳥屋であれば誰しも経験する胸騒ぎ。

現地へ着いて自ら確認できるまでは高揚よりも抜ける心配が先に立つでしょう。

 

「抜けてくれるなよ」と念じながら現地へ向かっていると『車が何台も続けて通ったら戻って来なくなりました!もう少し様子見ます』との報告。

 

一気に落胆。

これもまたよくある話。

 

「もうすぐ着くところだったのに...」とガッカリした気持ちで運転していると道路脇に小鳥の群れを発見。

 

「オオマシコ!!」

 

 

どうやらオオマシコは往来する車に飛ばされ移動していたようです。

 

オオマシコの成鳥を撮影できたのはいつ振りだったでしょう。

久しく記憶にありません。

 

 

昨年秋の渡り季にはオオマシコを二度見つけたものの、成鳥に関しては証拠写真すら残せず苦渋を飲んでいました。

 

今回こうして情報を頂く結果となりましたが、予想が当たったことに嬉々としながら観察していると知人も到着。

 

 

オオマシコの群れは雌雄の成鳥と若い個体が見られ各々換羽の状態も異なっていたことから距離を縮めて観察したいところでしたが、意外にも警戒心が強く近寄ることができません。

 

オオマシコと言えば警戒心の緩い鳥であるという認識であったため私にとっては想定外。

 

成鳥雄の警戒心が最も強く、対照的に若い個体はかなり近寄って来る場面もありました。

 

 

しかしあと一歩というタイミングで往来する車に飛ばされ、その度に振り出しへ戻されてしまいます。

 

落ち着かない状態が続いたものの限られた時間の中でオオマシコを観察できた喜びは言葉で上手く表現することができません。

 

 

知人へ感謝を伝え仕事へ戻りましたが、その後は降雪の影響により姿の見えない日が続きました。

 

 

2月18日の観察日、ヤマドリの調査を兼ねてオオマシコを探してみると1月23日に観察できた地点から約1km離れた場所でオオマシコの群れを発見。

 

 

相変わらず往来する車へ飛ばされては戻ってを繰り返し道路脇で餌を採っていました。

 

雪融けと共に戻ってきたようですが、これまで何処で過ごしていたのか気になるところ。

 

 

危険を冒してまで道路へ出ることを考えると他に良い餌場が無いものと想像できますが、道路で餌が採れなくなった積雪時は何を餌としていたのでしょう。

 

路上での観察は周囲の状況に気を配らなくてはならなかったため、気分的に落ち着かず観察の内容としても大味なものになってしまいました。

 

 

特に雄の若い個体と雌の違いについて観察したいところでしたが、現地ではその様な余裕も無く飛ばされるオオマシコを見失わないよう目で追うのが精一杯。

 

そのため撮影に至っては道路へ降りて間もない場面を捉えたものがほとんど。

証拠写真を撮影しては双眼鏡を覗き慌ただしい時間を過ごしました。

 

 

車に飛ばされたオオマシコは付近の木に止まると暫く様子を見ていることが多く、ようやく降りてきたかと思うとハイタカに襲われる災難も発生。

 

幸いにしてハイタカの狩りは失敗に終ったためオオマシコは難を逃れましたが、このハプニングの影響からか警戒心が増してしまい思ったような観察をすることができず...

 

 

なかなか降りて来ないオオマシコを眺めていると不意に飛び立ち姿を見失う失態。

 

他に餌場となりそうな場所がないかと右往左往したものの何ら手懸かりを掴むこともなくこの日は観察を終える羽目となりました。

 

往来する車やハイタカを恨めしくも思いましたがこればかりは仕方ありません。

次の機会には良い形で観察ができることを願って本日の観察日記はここまでとします。