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2020年11月15日 15/3℃ 晴れ時々曇り




空振り続きの男鹿半島。
今回も懲りずに早朝から主要ポイントを中心に探鳥を重ねてみましたが結果としては残念なものに終わってしまいました。

 


週に一度のお楽しみも空振りばかりでは精神衛生上よろしくありません。

そこで今回は観察の舞台を大潟村に移しハクガンを観察してみることに。

15日の時点ではまだ全ての個体が渡来していないようでしたが、日に日に渡来数は増えているようです。
今季は一体どの様な観察ができるのか・・・

 


久しぶりに大潟村へ足を運んでみるとあちこちでハクチョウやガンが飛び交い「これぞ大潟村」といった光景が広がっていました。

こんな光景も大潟村ならでは。

 

 

見渡す限り田園が広がる大潟村ですが、ハクガンが好んで採餌をする場所はだいたい決まっており、居場所についてはおよその目星を付けることができます。

この時も大潟村入りをして間もなく今季初見となるハクガンの群れに出会うことが出来ました。

 

 

ざっと見たところ250羽ほどの群れでしたが、この群れの他にも小規模な群れがあちこちで見られたので15日時点では300+ほどのハクガンが渡来しているようです。

周囲を見渡すと県外ナンバーのバードウォッチャーが数名撮影されていたので、邪魔にならないよう遠巻きに観察してみることに。


見える範囲でハクガンをチェックしてみると、ほとんどの個体が成鳥で幼鳥がほとんど見当たりません。

昨季は幼鳥が多かったことで爆発的に渡来数が増えましたが、今季は昨年とあまり渡来数が変わらない可能性があります。
今後渡来する群れにどれくらい幼鳥が混ざっているか要チェック。

暫く群れを観察していると何処からともなく飛んで来る小規模の群れ。

 

 

上空を飛んでいるハクガンは仲間を見つけると合流することが多いので、気長に待つとこの様なシーンを度々見ることができます。

 

 

また着陸する際は1~2周辺りを旋回することもあれば、目の前を通過することもあるので良いシャッターチャンスに恵まれることでしょう。

 

 

腰を据えて観察をしていると、ガン・カモだけではなく様々な猛禽も見ることができます。

この時はチュウヒがヒラヒラと飛ぶ様子が見られました。

 

 

夏季に見られる個体の大半は漂鳥として南下するようですが、一部の個体は留鳥として越冬します。


暫く群れの様子を見ているとハクガンたちが一斉に首を上げて何かを警戒しているようでした。

上空を確認しても警戒対象となるワシの飛来は見当たりません。
「一体何を警戒しているのだろう?」と思っていたところ、目に飛び込んできたのは反対側の田んぼから腰を屈めコソコソとハクガンに近付くバードウォッチャーの姿。

隠れているつもりでもハクガンたちからは丸見えです。

 


案の定、群れが飛び立ってしまいました。

 

 

ハクガンに限らずガンの群れを観察する際、十分に距離を保てていれば三脚を立てて撮影することに問題はありませんが歩いて近付くと警戒させて飛ばしてしまう結果に繋がります。

 

 

剥き出しの身でも近付ける場合もありますが、群れの状況によっても違いますし時間・根気・体力が必要となるのでお薦めできません

 

 

ガンの群れを観察する方法として一番良いのは車内からの観察。

首都圏では三脚を立てての観察が主になっているようなので車内からの観察に慣れてない方が多くいらっしゃると思いますが、ガンの観察で大潟村へ遠征される方には車内からの観察をお薦めします。

 

 

だからと言って車内にいると全く警戒しないということはなく、ガンの群れの状況・距離・移動の速度によっては警戒させてしまうのでご注意を。

間違っても追い回して飛ばすようなことはないように配慮して頂きたいと思います。

 

 

根気良く待てば必ず自然に飛び立つシーンを見ることはできますし、故意に作り出した場面を撮影しても後ろ向きの画像になってしまうはず。

良い場面を写真に残したいのであれば自然の成り行きに任せるのが一番です。

 

徒歩で近付くバードウォッチャーを警戒して飛び立った群れは私の頭上を通過してあらぬ方向へ。

 

 

上空を大きく旋回するようにして何処に降りようか見定めているようでした。

徐々に高度を下げ始める様子が伺え、降りようとしている位置に見当がついたことからそちらへ移動してみることに。

 


移動した先で目にしたのはハクチョウの群れに合流する姿でした。
願ってもないチャンスです。

ハクガンは他のガンに比べて警戒心の薄いガンだと思いますが、ヒシクイやマガンの群れに混ざってしまうと途端に観察難易度が跳ね上がり近くで見ることはできません。
警戒心の強いマガンなどが飛び立つと釣られるようにしてハクガンも飛び立ってしまいます。

 


近くで見ることが難しいハクガンも警戒心の薄いハクチョウの群れに混ざることで状況が全くと言っていいほど異なり、この時は比較的近い位置から観察することができました。

 

 

大潟村でハクガンを観察するにあたり、小規模な群れが道路沿いに居たりハクチョウと一緒に採餌をしてる場面に遭遇することができればラッキーなケース。

だからと言って車外に出てしまうと途端に距離を取られたり、警戒してハクガンのみ飛び立ってしまうので車内からの観察を心掛けて下さい。

 

 

車内からであればのんびりと採餌を行う様子をじっくりと見ることができます。

そんな様子を観察していると後続の個体が群れに合流してきました
場所によっては自宅の茶の間からハクガンを見ることができるのも秋田ならではの光景でしょうか。

 

 

個人的には飛び立ちのシーンよりも下降してくるシーンが好み。

ハクガンを観察していると何かを警戒した訳ではなくても飛び立つ姿をよく目にしますが、飛び立ちのシーンは故意に作り出すことも可能です。

しかし下降についてはハクガンの意思で行われるため、自然な姿であることが好みの理由になっているのかもしれません。

 

 

群れをチェックしているとシジュウカラガンの姿も見ることができました。

ガンの群れには珍しい個体も混ざることもあり、可能な限りチェックすることをお薦めします。

 

 

楽しい観察も突然終わりの時。

群れが何かを警戒した様子。
これがガンの首上げ状態。

 

 

間もなく一斉に飛び立ってしまいました。

 

 

何を警戒したのかと辺りを見渡すと上空にはオジロワシの姿が。

 

 

こればかりは仕方ありません。

ガンの群れは右往左往しながらオジロワシが遠ざかるのを待っているようでした。
暫く上空を旋回すると少し離れた場所に次々と降下。

 

 

しかしこの場所にはハクチョウが居なかったため、残念ながら近い距離での観察は難しくなってしまいました。

それにしてもシーズン一回目の観察としてはラッキーな場面にも遭遇することができて上々の滑り出し。
この日は秋田においてレアケースと言える水面に浮かぶハクガンの姿も見ることができました。

 

 

塒では水面に浮かぶハクガンを見ることはできますが、日中にプカプカしているハクガンを見るのは初めて。

これも個体数が増えることで変わりつつある行動の1つかもしれません。

 


さて、今回の観察記では大潟村でガンを観察するにあたって参考になる記事になればと思い日記を綴りましたが、この日の観察はハクガンの群れに1羽混ざる青色型(アオハクガン)の観察に力点を置いていました。

 

 

このまま一気に青色型についてお話したいところですが、このところ業務多忙の日が続き未だ写真の整理ができておりません。

そのため青色型については次週の更新の日記へ続きます。

 

本日の観察日記はここまで。