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2021年3月14日

 

 

 

 

今回の日記はアトリの観察記。

 

先月23日付けの日記でも少し触れましたが今季はアトリの渡来数が多く当たり年となっているようです。

 

大潟村周辺でも大きな群れが見られるようになり度々目にしていましたが、先月28日には今季一番と言える群れに遭遇。

 

先ずは出会いの場面から。

 

 

農道を移動していると地面で採餌をしているアトリの群れを発見。

 

周囲の気配に非常に敏感で誰が通る訳でも無いのに付近の植物に待避する様子が何度も見られました。

 

 

車内からその様子を見ていると群れが徐々に近付いてきたので撮影を止めて暫し肉眼での観察。

 

付近の藪の中でも動き回る個体が見られのんびり眺めていると黄色い物を咥えている個体が。

よく見てみるとトウモロコシ。

 

 

直ぐに飲み込めばいいものの、まごまごしているうちに他の個体に追い回され嘴から零れ落ちた瞬間に奪い取られる始末。

 

あちこちで争奪戦の様相を呈していました。

 

 

「一体何処から?」と思いましたが、藪の奥にはトウモロコシ畑。

 

なるほど。

どうやら畑から拾ってきたトウモロコシを他の個体に盗られないよう藪の中に移動して食べているようです。

 

更に藪の隙間から見えたのはトウモロコシ畑を波打つように飛び交うアトリの大群。

農道に降りて採餌をしていたのはほんの一部だったようで、観察場所を畑の方に移動して群れの様子を見てみることにしました。

 

 

移動することで目にできたのは数千羽の大群。

 

シンプルに「これは凄い」と思わされるような光景が広がっていましたが一体何羽いるのか。

 

 

農道で採餌をしていた群れと同様に畑に降りたと思えば飛び立つ群れも見られ、総数にすると数千という数になることは確かなものの実数については見当がつきません。

 

難しいことは考えず先ずは目の前に広がる光景を楽しむことにしました。

 

 

小鳥とは云えこれほどの数ですから飛び立つ瞬間には『ブオォッ』という羽音が聞こえます。

 

トウモロコシ畑の面積は広く肉眼で見る光景と違って写真ではほんの一部を切り取ることしかできませんが、どういった形で撮影すると臨場感の溢れるものに出来るかと試行錯誤。

 

 

大きく撮る必要はないので出来ることであれば広角レンズで群れ全体を収めたいと考えましたが、理想の形で撮影するにはある程度距離を詰める必要があります。

 

しかし敏感に飛び交う群れに近付くことは出来そうにもなかったので、角度を変えて観察してみることに。

 

角度を変えてみると地面にはトウモロコシがいっぱい。

 

 

干からびたトウモロコシの実を芯から取り外そうと懸命に突っつく個体もいれば横取りしようと喧嘩をする個体も。

 

中には空中戦を繰り広げる個体も見られましたが、上の画像からはどれがトウモロコシなのかも分からないので画像を拡大。

 

 

地元でこれほどの数を目にするのは初めてですが、当たり年と呼ばれる理由は一体何処にあるのでしょう。

 

今季ほとんど目にしていないレンジャクですが昨季は過去に例を見ることのないほど観察することができました。

 

 

例えば昨季は爆発的に個体数が増えたハクガンについて。

そちらは繁殖地の事情で渡来数が増えたといったように理由として明確になっていますが、その他の鳥については詳しい理由を耳にしたことがありません。

 

アトリ、レンジャク、ベニヒワなど日本に冬鳥として渡来する鳥に対して当たり年と言われることが多く、こちらについては海外の文献を調べてみる必要がありそうです。

 

時として数が増えすぎて害鳥扱いとなる鳥もいればシギチのように激減している鳥がいるという現実もあり、アトリの大群を観察しながら色々な事を考えさせられました。

 

 

最後は少し難しい話になってしまいましたが、次の当たり年はいつ訪れるのか想像もつきません。

 

そういった意味で今回この様に観察できたことは良い機会となりました。

楽しかった冬もあっという間に終わり今季、大潟村周辺での観察はここまで。

 

 

渡りの時期ということもあり観察の舞台は海沿いへ。

良い出会いに恵まれることを願ったところで本日の観察日記はこの辺でおしまいです。