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2021年9月12日

 

 

 

 

今回の日記はチュウジシギの観察記。

 

先週更新の日記ではジシギ観察の様子を一端お休みをしましたが、ジシギ観察は現在も継続中です。

 

今回も懲りずにジシギの観察記を更新しますが本日は先月22日の観察分から。

 

夏季休暇が明けて1週間が経過した先月22日、いつもの農耕地へ行ってみるとあれほど見られたオオジシギがごっそり抜けていました。

1週間の間にほとんどの個体が秋田を離れ南下した模様です。

 

 

本格的な観察を前に農耕地を巡回してみたところ確認できたジシギは6羽と少なく、目にするジシギはほんとんがチュウジシギ。

 

 

羽衣や体型での判断となるため正確性には欠けますが、先ず間違いないでしょう。

 

伸びをした際に見えることのある外側尾羽の確認は難しいものの、翼下面は容易に見ることができました。

 

タシギ属の翼下面は白と黒の縞模様ですがタシギを除いてオオジシギ・チュウジシギ・ハリオシギの3種は割合として黒色が優勢。

 

 

この日は未明から雨が強まり、観察中も窓を開けられないほど強く降る時間帯もありましたが、ジシギにとっては餌が採りやすくなるようで活発に動く様子が見られました。

 

 

雨の降るなか側溝を覗き込むような姿も見られ一体何をしているのか。

 

見たこともない行動に謎は深まるばかり。

 

 

暫く側溝を眺めていたチュウジシギは突然飛び立ち民家脇の畑に姿を消してしまいました。

 

 

何処かに観察のしやすい個体は居ないものかと農道を行ったり来たり。

 

この日はなかなか良い個体と巡り会えることができなかったことから、下手に動き回ることは止めて普段は観察対象外となるような個体の動向を見守ることにしました。

 

目を付けたのはこちらの2羽。

 

 

パッと見た目にどちらもチュウジシギ。

 

反対側の農道から観察した方がより近そうに感じますが、実はこの時反対側にも回り込んだ後でした。

 

反対側に移動するとチュウジシギが反対側へと移動するといった動きを繰り返し、一定の間隔を保とうとする個体に対し待ってみたところでどの様な展開になるのか。

 

 

先が見通せないなかぼんやりと眺めていると多少警戒心が緩んだのか餌を採り始めました。

遠巻きに採餌する姿を見ていて一時間が経過した頃、同じ場所で採餌を続けていたチュウジシギは徐々に移動を始め進行方向はこちら側へ。

 

 

依然として雨が降り続いていたことから羽ばたいて水分を飛ばす様子も見られました。

 

 

少し距離が縮まったと思えば再び遠退いたりと、どんどん近寄ってくるようなことはありませんでしたが根気よく待つと近くで観察できそうな兆しが。

 

 

何度か伸びをしていましたが、残念ながら尾羽をしっかりと見ることは出来ません。

 

畔で休憩する際には羽繕いをする機会も多く、そちらの様子は動画でも撮影。

何度も体を震わせ水分を飛ばしながら羽繕いをする様子を見ることができます。

 

 

採餌・休憩・羽繕いを繰り返していましたが、伸びのポーズで尾羽を見られのであれば羽繕いの際に確たる証拠を得られないものかと闇雲に連写。

 

 

撮影した画像を拡大してみると・・・

 

「外側尾羽が極細」

 

 

画像を確認すると外側尾羽は極めて細く針状に見えたことから瞬時にハリオシギと同定。

 

しかしこれは私の誤認。

 

 

観察当初からチュウジシギとして見ていたはずなのに、この画像を見た瞬間ハリオシギだと決め付けてしまいました。

 

そもそもこちらの個体はハリオシギとは体型が異なるのに何故この一瞬でハリオシギと決め付けてしまったのか・・・

 

改めて別カットを確認してみたところ角度の問題で細く見えたことに加えて、黒色部分が陰となり白色部分が強調されたことによる誤認と判明。

 

外側尾羽はチュウジシギの特徴を示していました。

 

 

オオジシギの観察記を更新した際に自分で総合的な判断が必要と言っておきながらこの始末。

 

本当に情けない。

 

 

誤認が判明した後も観察を継続しましたが、チュウジシギとの距離はどんどん縮まり肉眼でも観察を楽しめる位置まで。

 

こちらは休憩中に見せた嘴の先端を反らす様子。

 

 

ミミズの大きさによって異なりますが大きめのミミズであれば3~4匹捕食すると畔の上で休憩をするようです。

 

ミミズが腹の中で暴れているのか分かりませんが、少し経つと畔を降りて再び採餌を開始。

 

 

地面に嘴を挿し込みミミズを引っ張り上げました。

 

 

私の見る限り先日まで観察をしていたオオジシギと同様に、チュウジシギもジグザグに歩きながら移動することが多いように思います。

 

畔を中心に右から左へ、左から右へといった形で移動することが多く採餌方法に関してもタシギとは異なる様子が見て取れました。

 

 

畔を越えると再び採餌。

 

この様にしてチュウジシギとの距離は縮まり直ぐ目の前まで来てくれましたが、ここへ到達するまでに要した時間は凡そ4時間。

 

 

今回は難儀させられましたが、ここまでのプロセスもジシギを観察するうえで楽しみの一つなのかもしれません。

 

何故私はこんなにもジシギに興味を持つようになったのか改めて考えてみましたが、私はコソコソ隠れて暮らすような鳥に魅力を感じるようです。

 

 

ヨシゴイに対しても同様の想いがあり、普段隠れて暮らす鳥を観察する楽しさと、観察に漕ぎ着けるまでのプロセスに楽しさを感じているのだと気が付きました。

 

確実に見られる場所に行って観察するよりも探す楽しみもありますし、私にとってはこういった種を観察することの方が性分に合っているのかもしれません。

 

 

観察の難易度が高くなればなるほど良い形で観察できた時の喜びは一入です。

 

この日は粘りに粘って観察を続け、気が付いてみると6時間半も同じ個体を見ていました。

 

 

間近まで来てくれた頃には警戒心もかなり緩くなっていたことから同じ目線の高さでも撮影。

 

 

やはりアングルが変わるとボケ味も一変するので写真の仕上がりも大きく異なりました。

 

今回もダラダラと自分語りの多い日記になってしまいましたが、もっと観察眼を鍛え他所様の役に立てるような観察ができるようになればと思います。

 

 

本日の観察記はこれにておしまい。