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2022年12月26日

 

 

 

本日更新する日記は今月4日の観察分から。

 

終日悪天候が予想されたこの日はゆっくりとした出足で自宅を出発。

 

大潟村を目指し車を走らせましたが分厚い雲に覆われた影響により8時を過ぎても辺りは薄暗く、行き交う車はライトを点灯させるほどでした。

 

霙が降り風も強く吹いていたことから窓を開けることさえ躊躇を覚える悪天候。

道すがらに見られるハクチョウたちを眺めながら車を走らせると田んぼには一際大きな物体が。

 

直ぐにオジロワシと分かり停車したところ、双眼鏡を覗く間もなく飛び去ってしまいました。

 

この時の距離は200mほど。

秋田で見られるオジロワシは警戒心が強く近い距離で観察できる機会は多くありません。

 

 

気を取り直し再び車を走らせているとまたもやオジロワシを発見。

最初に見た個体とは別個体のようでした。

 

 

秋田の感覚ではかなり近いと思える距離感。

 

この距離でも飛び立たないというのは稀なケースで少し離れた場所にはもう1羽のオジロワシが見られました。

 

 

これは大潟村ならではの光景。

県内各地においてオジロワシ・オオワシは見られるものの単独またはペアでの確認がほとんどです。

 

高密度に分布するということは生態系のバランスが良く、食物連鎖が成り立っている証と言えるでしょう。

 

2羽のオジロワシは腰を屈め風に耐えるような姿勢を取ることもあり、こうした距離で見ることができたのは悪天候が影響していたのかもしれません。

 

不意に1羽飛び立つともう1羽も飛び立ち飛翔シーンを撮影することができました。

 

 

2羽とも遥か彼方へ飛去したことから新たな出会いを求め車を走らせると、水辺に集まるカモを狙うオジロワシを目撃。

 

急上昇と急降下を繰り返しており、その様子を眺めていると付近に居たハシボソガラスがちょっかいを出し始めました。

 

この時に撮影できた画像のなかに両者の大きさを比較できるカットがあり、こうして比べてみると改めてオジロワシの大きさを感じさせられます。

 

 

狙いが定まらなかったのかハシボソガラスが邪魔だったのかは分かりませんが、狩りは失敗に終わり事後の様子を観察していたところ急速に天候が悪化。

 

車の窓を叩きつけるように霙が降り始め観察どころの話ではありません。

車が横揺れするほど風も強まり帰宅を考えてしまうほどの荒れ模様の天候に...

 

しかし毎年観察を続けているオオワシを見なくして帰る訳にもいかず、いつもの止まり木を確認してみたところ個人的に今季初認。

 

一瞬の晴れ間を待ち少しだけ観察することができました。

 

 

この個体を観察するようになって12年目。

 

観察を始めた当時、既に成鳥羽であったことから推定年齢18歳以上であると考えますが、各所の羽を過去の記録と比べてみると随分と白色の羽が増えてきました。

 

これは人間の白髪と同じ加齢によるもの。

 

今季も無事に渡来してくれたことを嬉しく思う一方、心配なのは全国的に猛威を奮う鳥インフルエンザ。

感染した個体を捕食することにより彼が鳥インフルエンザに感染してしまわないかと心配が絶えません。

 

生まれ故郷へ戻るまでの間、無事に過ごしてくれると良いのですが...

 

 

オオワシを少し観察した後は視界の悪いなか当てもなく車を走らせてみましたがこれといった出会いには恵まれず。

 

ハクガンは小規模な群れに分散してしまったようで、あちこちの田んぼで群れを確認しました。

 

こちらも一瞬の止み間を待ってスナップ撮影です。

 

 

次々と流れてくる雲の影響により降っては止んでを繰り返し、これといった観察をすることが出来ないまま正午を迎えました。

 

正午を過ぎると雲の隙間から陽射しが届くようになり、このタイミングで出会えたのはチョウゲンボウ。

 

 

細い杭に止まり強風に耐えながら獲物を探しているようでしたが、獲物が見つからないのか全くと言っていいほど動きを見せず。

 

暫く根比べの時間が続きやっと飛び出したと思えば一つ先の杭に移動しただけでした。

 

 

ここで我に返り「他に観察するべき冬鳥が居るはず」と新たな出会いを求めて移動を始めたところオオワシと遭遇。

 

よく見てみるといつもの彼でした。

 

 

何かを啄んでいるようでしたが獲物の正体が今一つはっきりせず。

 

おこぼれを頂戴しようとカラスが纏わりつき鬱陶しい様子。

 

 

獲物が何であるのか注視していたところ突然の飛び立ち。

 

 

獲物と一緒に稲藁を抱え飛去してしまいましたが、間もなく高度を下げ再び田んぼへ降りたように見えたことから私もそちらへ移動してみることに。

 

今度はカラスに纏わりつかれることなくゆっくりと獲物を食べていました。

 

 

この時、双眼鏡を覗いてみたところ獲物は魚と判明。

 

撮影した画像を拡大してみると既に原型を留めておらず鋭い嘴で食い千切られている様子が見て取れます。

 

 

尾ビレを丸飲みしたところで嘴を地面に擦り付け『ご馳走さま』の合図。

 

素嚢が膨らんでおり落ち着くまで暫く動きはないだろうと思っていたところ飛び立ちの構え。

 

 

思ったよりも早い飛び立ちに慌てて連写しましたが、大きく場所を移動することはなくあっという間に着地の姿勢を取りました。

 

 

「何の為の移動だったのだろう」と不思議に思い行動を注視したところ、こちらの田んぼは一部に水が溜まっており嘴を浸すような行動が見られました。

 

角度的に見て取ることは出来ませんでしたが、おそらく嘴を洗っていたのか水を飲んだのかどちらかであると思います。

 

 

後は飛び立ちの瞬間を待つだけですが、飛行ルートに察しがついたことから私は進行方向の風上側でスタンバイ。

 

だいたいのパターンとして私が何か食べ始めると決定的瞬間が訪れる為、この時はしっかりとカメラを構えました。

 

 

Steller's Sea Eagle 821.

Wind 360 at 19.

Runway 28.

Cleared for take off.

 

 

Steller's Sea Eagle 821.

Contact Departure.

Good Day!

 

 

フライトレベルなどこちらの指示通りに飛んでくれたら良いのですが、そんな訳にもいかずオオワシは強風に煽られながらも上昇を開始。

 

 

ある程度上昇したところで軌道を修正するようにレフトターン。

 

 

予想通りこちらへ向かって飛んで来ました。

 

 

しかし単焦点レンズでの撮影が裏目となり次のカットを最後に全身を収めることができず...

 

 

こうした形でオオワシを見送りこの日の観察を終了しましたが、思いがけず良い場面を見ることができ気分良く大潟村を後にしました。

 

 

この日の観察の様子はここまでとするはずでしたが帰宅間際の出来事。

 

自宅脇の田んぼにミヤマガラスの群れが見られたことからコクマルガラスが混ざっていないか確認してみたところ成鳥を1羽発見。

 

 

午前中にはオジロワシとハシボソガラスの大きさを比較することが出来ましたが、この時はハシボソガラスとコクマルガラスのサイズを比較できるような写真を撮ることが出来ました。

 

 

近隣の方の目もあり、じっくと観察はできなかったものの最後にこうした出会いにも恵まれ楽しい一日となりました。

 

本日の観察日記はここまで。

 

 

※30日は今年一年を振り返る総集編を更新します。