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2023年10月9日

 

 

 

本日更新する日記は先月18日の観察分から。

 

終日雨予報だった敬老の日。

雨の日はタシギを見るのも良いと考え、のんびりとした朝を迎えるとカーテンの隙間からは眩しいほどの陽射しが...

 

 

この時期は秋雨前線の位置により予報が外れるのはよくある話。

しかし連日のように外されるとたまったものではありません。

 

急遽予定を変更し足を運んだのはタカの渡り観測地の第二定点。

 

前日(17日)は第一定点にお邪魔して野鳥の会の皆さんと観察をご一緒させて頂きましたが、気になったのは定点を逸れて渡るハチクマたち。

そのためこの日は第二定点から観察を行ってみることにしました。

 

第二定点は嘗て私が会員だった頃に観察会が開催されていた思い出の場所。

 

現地へ到着して間もなくツミが頭上を旋回。

 

 

幸先の良いスタートに気分を良くしましたが、第一定点からは酷い土砂降りに見舞われているという情報が...

 

辺りが真っ白になるほどの降り方をしているという第一定点。

こちらは絶好のコンデションでしたが第二定点は第一定点の南側に位置します。

 

 

北方から南下するタカを観察するにあたって条件は一気に悪くなってしまいました。

案の定、待てど暮らせどタカの渡りは確認できません...

 

粘ったところで状況が好転するとは思えず

観察の打ち切りを考えると辺りを黒い雲が覆い始めポツポツと雨が降り始めました。

 

間もなくスコールのような土砂降り。

 

ここまで天気が崩れると潔く観察を切り上げることができ、第二定点を離れ向かったのはいつもの農耕地。

 

当初の予定通りタシギを探し始めるとものの3分で発見。

 

 

しかしこちらの個体は画像を見ての通り随分と離れた場所に腰を下ろしていたため他の個体を探すことに。

 

稲刈り直後の田んぼでタシギを観察するにあたって狙い目となるのはコンバインで抉られた部分。

 

農道からコンバインが出入りする際、田んぼが深く抉られるため水が溜まり易い上に農道の直ぐそばとあって観察にはもってこいの条件となります。

 

この部分だけに狙いを絞り、田んぼを巡回すると想定通り2羽のタシギを見つけることができました。

 

 

しかしこの時何故か私の居場所だけ穴が空いたように青空が見えタシギを観察するには逆光状態。

 

少々残念ではありましたが欲張りは言えません。

 

タシギは目の前に1羽と少し離れた場所にもう1羽。

私が停車すると片方の急ぎ足で距離を取った為、片方の個体は警戒心が強かったように思います。

 

 

そのため手前側でこちらの様子を伺っている個体を中心に観察を始めることにしましたが、静止したままの状態が10分ほど続いたでしょうか。

 

ようやく警戒心が解けるとトントンと地面を突っつき採餌を開始。

 

 

畔の縁を突っつくことの多いオオジシギと比べタシギは水捌けの悪い場所を好みます。

 

 

小刻みを地面を突っつき土壌に潜む生物を探っているようですが、挿し込んだ嘴は一体どの様な動きをしているのでしょう。

 

地中で嘴の先端をクネクネと動かし探りを入れてるのか、生物の微弱な振動を感じ取って探り当てているのか...

 

 

当たりを確信すると嘴を深く挿し込む様子が見られます。

 

この“確信すると”という部分はあくまでも私の想像の範疇に過ぎず、実際のところどの様に生物を捕らえているのか分かりません。

 

 

虫かごでアリの巣の断面を見るように捕獲した個体を飼育しない限り見ることはできないでしょう。

 

深く考えるとキリはありませんが、私にとってジシギの採餌する姿は見ていて飽きることがなく何時間でも見ていられます。

 

 

細かい部分をじっくりと観察するのも楽しいものですが、ぼんやりと眺めるのもまた良し。

 

 

『ジシギは全部同じに見える』と仰る方には理解し難いかもしれませんが、十人十色という言葉があるようにジシギは同種であってもバリエーションが豊富です。

 

 

その為、個体毎の特徴を比べたりと観察欲は年々増す一方。

 

勿論好きな種だからこそということもあるでしょう。

私にとってジシギを見ることは時間を忘れるほど楽しいものであり、観察する機会が増える度に新たな一面を探すようになりました。

 

 

自分語りで少々話は脱線してしまいましたが、あっちにこっちにと移動しながら採餌を続けていた個体は休憩に入った様子。

 

嘴の先端をクネクネと動かした後は大きなあくびをして長い舌を見ることができました。

 

 

その後、腰を下ろして休憩に入りましたが微動だにせずこちらの様子を伺っていた個体も安心したのか睡眠の姿勢に。

 

 

約40分ほど休憩の時間が続いた後、活動を再開すると今度は2羽揃って採餌を始めましたが、両者を見比べると色味の違いを見て取ることができます。

 

 

奥に写る褐色の個体は強い警戒心を見せていたものの、この頃になると人(鳥)が変わったように採餌を続け次々にミミズを捕食。

 

 

一つ残念だったのは獲物が小さかったためか一瞬で飲み込んでしまい、口からミミズがはみ出るような場面を見ることはできず...

 

 

それでもこちらを警戒することなく行動してくれたお陰で肉眼でも充分観察を楽しめるほど接近してくる場面もあり、私の観察欲ほだいぶ満たされていました。

 

 

いつの間にか青空も見えなくなり逆光状態は解消されましたが、辺りには真っ黒な雨雲が...

 

 

ポツポツと雨が降り出したかと思うとたちまち雨足が強くなりタシギは採餌を中断。

 

風雨を堪え忍ぶ姿が暫く見られ、その様子を動画で記録しようと思ったところ活動を再開。

雨のなか採餌する姿を記録していましたが更に雨足は強まり観察どころの話ではありません。

 

流石に録画を止めようと思った矢先、何を思ったのかタシギは土砂降りのなか水浴びを始め今回記録した動画では一連の様子を見ることができます。

 

 

一体どういった心境で水浴びを始めたのか...

 

人間目線で考えると天然のシャワーといったところですが、実際のところタシギに聞かないことには分かりません。

 

 

雨は15分ほどで上がりましたがその後2羽には距離を取られてしまったためこの日の観察はここまで。

 

今後も暫くタシギの観察を継続する予定ですが、特筆すべき点が見られなければ写真を並べるだけの内容になってしまうかもしれません。

 

 

本日の観察日記はこれにておしまいです。