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2023年1月30日

 

 

 

本日更新する日記は先月31日の観察分から。

 

年の締め括りとなる大晦日。

この日は行き先が決まらないまま朝を迎えてしまいました。

 

年明けの2日からは道東での旅行を計画していたため、冬季休暇における地元での観察はこの日のみ。

 

そのため有終の美を飾る観察納めができたらと考えたものの自宅を出発しても尚行き先が定まらず...

 

 

風に吹かれるまま車を走らせていると道路沿いから見えたのは田んぼで採餌をしていたマガンの群れ。

 

本県においては当たり前のように見られる光景だけに普段は素通りしてしまうことがほとんど。

今思い返してみると自分でも不思議ですが、この時何故か車を止めました。

 

これといった目的を持たないままハンドルを握っていたこともあり群れの中にカリガネが混ざっていないかとチェックしてみることに。

 

しかし次々に飛び立ってしまうマガンの群れ...

警戒心が強いだけにチェックもままなりません。

 

 

飛去する群れを眺めていたところ群れの中にマガンとは異なる特徴の鳥が混ざっていることに気がつきました。

 

翼上面の一部(雨覆)が白く見え、瞬時に脳裏を過ったのは前週(12月25日)に観察できたアカツクシガモ。

 

複数の個体を確認できたことから数えてみたところ1..2..3..4..5..6...

 

 

「間違いない、先週見たアカツクシガモだ」

 

 

上の画像はカウントしてから証拠写真にと思い撮影したため全ての個体は写っておりませんが赤丸で囲った鳥はアカツクシガモです。

 

前週に観察できた場所と今回確認した場所は車で2時間半ほど離れた距離。

 

まさかの再会に吃驚仰天、青天の霹靂とはこのことでしょうか。

 

 

アカツクシガモは前週と同様に周囲を旋回。

 

 

着陸する姿を確認してそちらへ移動。

 

前週の観察では警戒心の強さが印象に残っていたため、刺激を与えないよう適切な距離を保って観察を始めました。

 

 

「一体いつ移動してきたのだろう...」と思い野鳥の会の方へ連絡。

 

野鳥の会の方の話によると12月28日から姿が見られなくなり、その後の消息が途絶えていたとのことでした。

 

 

いつもであれば素通りしてしまうマガンの群れに混ざっていたという自分の引きの良さに驚きを隠しきれません。

 

前週とは異なり誰一人居ないなかでのんびり観察できるものと思いましたが、この日はカラスに追い回されこちらでも落ち着かないアカツクシガモ。

 

 

カラスに追われて右往左往するアカツクシガモをひたすら連写。

 

飛翔シーンは地域らしさを表現できたらと思い、山並みを背景に撮影してみましたが思うようにいきません。

 

 

当然こちらの意図する場所を飛んでもらえる訳もありませんし、自分の立ち位置を変えたところでアカツクシガモを警戒させてしまう恐れがあります。

 

そのためここは辛抱の時間。

 

 

何処へ降りるのかと無駄にシャッターを押しながら行く末を見守っていると比較的近い場所へ降りてくれましたが直ぐにカラスが接近。

 

「ちょっかい出すなよ」

 

 

と思ったのも束の間、再び飛び立ってしまいました。

 

正直なところ飛び立ちの瞬間を近い距離で見ることができて喜んでる自分もいましたがアカツクシガモは鬱陶しかったことでしょう。

 

 

度重なる飛翔シーンを眺め改めて思わされるのは羽衣の美しさ。

 

雨覆の白色、金属光沢を放つ緑色の翼鏡、初列風切の黒色も際立ち、翼を上下する度に美しいと感じます。

 

 

時には頭上も通過することもあり、飛翔を続けていたアカツクシガモはようやく着陸地点が定まったようでした。

 

徐々に高度を下げ、次々に着陸。

 

 

ようやく採餌の場面が見られるようになり暫し観察。

 

 

採餌の様子を見ていると仲良さそうに思えたアカツクシガモが小競り合いする場面もあり、人間には分からない何等かの軋轢があるのかもしれません。

 

 

何を餌としているのか注視しましたが、撮影した画像を拡大してみても今一つ判らず...

 

採餌中は広範囲に動き回ることが多く、活発に動く様子は動画で記録。

 

 

こちらの場所に落ち着き2時間ほど経った頃でしょうか。

急に首を上げて何かを気にする様子が見られました。

 

周囲に居たガンの群れだけではなくハクチョウの群れも飛び始めたことから、オオワシ若しくはオジロワシが飛んできたのかと思いきや物凄い勢いで接近してきたのは狩猟犬。

 

間違いなく飛んでしまうだろうと思いカメラを構えた瞬間...

 

 

片っ端からガン・カモ類を飛ばした狩猟犬は農道を移動していた軽トラの荷台へ。

 

私としても初めて目にする光景で唖然としてしまいました。

 

「何してくれるんだ!このボケぇ!」と叫びたくなりましたがここは天下の農道。

農地へお邪魔させて頂いている立場の私は何も言えません。

 

 

再び落ち着ける場所を探し右往左往していたアカツクシガモでしたが、地上へ降りると休息の姿勢を取っていました。

 

 

その様子を動画でも撮影してみたものの、行き交う車が背景に写っていただけで我ながら「何だこの映像は」と思えるものでボツ。

 

思い出したように採餌を始めたアカツクシガモを眺め、午後14時を過ぎた頃に野鳥の会の方が見えられたので観察をバトンタッチしてこの日の観察を終えました。

 

 

思いがけず二週連続でアカツクシガモの観察となりましたが、この日の出会いは全くの運によるもの。

予期せぬ再会を喜び一年の締め括りとして有終の美を飾ることができました。

 

こうして2022年の観察を終えましたが、アカツクシガモの群れは年が明けてから間もなく某県へ移動したようです。

 

今後アカツクシガモの群れは何処で越冬するのか予想もつきませんが、地元でこの様に観察できたことを本当に嬉しく思います。

 

本日の観察日記はここまで。