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2023年1月9日

 

 

 

本日更新する日記は探鳥ガイド記。

 

先月18日はリピーターのお客さんよりガイドの依頼を受け、大潟村を中心に観察を行いました。

 

お客さんのお目当てはオジロワシ・オオワシを主体としてその他猛禽類の観察。

 

この日は暴風雪警報が発令されるなかでのガイドでしたがタイムリミットは正午頃。

お客さんは約6時間ほど掛けて帰宅しなくてはならなかった為『大荒れになる前に帰路につきたい』との申し出がありました。

 

悪天候のなか短時間でどれ程の観察ができるのか些か不安を覚えましたが、つべこべ言ってる暇はありません。

 

 

先ずは手堅くオオワシを観察して頂こうと考えいつもの止まり木へ。

 

現地へ着くとハイタカが上空を通過。

 

 

オオワシがいつもの場所へ止まっていてくれたお陰で早々に観察・撮影を始めることができました。

 

 

私がガイドするにあたり一番に心掛けるのは撮影ポジション。

 

その時の光線状態を考え、可能な限り一番良い条件に位置取り撮影の補助をしています。

車の位置もお客さんの撮影し易いように停車させるため、一人で観察する時とは異なり角度も考慮しなくてはなりません。

 

この時は空抜けにならない位置を探し、じっくりと観察・撮影をして頂きました。

 

 

いつ飛ぶかも分からないオオワシを目の前に、オジロワシを探しに行こうかとご主人と相談していたところ突然の飛び出し。

 

勿論私はカメラを構えておらず撮影できませんでしたが、奥さんは飛び出しの瞬間を上手に捉えていたようです。

 

餌を見つけて飛んだのであれば田んぼに降りて捕食する様子を観察できるかもしれないと考え、オオワシが飛んだ方向へ車を走らせました。

 

 

少し移動するとカラスに集られながら空を舞う2羽の大型猛禽を目撃。

 

片方の個体は先程まで観察していたオオワシと分かりましたが、もう片方は若いオジロワシのようです。

 

 

強風をものともせず悠々と飛翔するオオワシとオジロワシ。

 

 

過去の観察を振り返ってみても“長い”と思えるほどの飛行時間でたっぷりと飛翔シーンを見ることができました。

 

暫く同じ場所を飛んでくれたお陰で飛翔する姿をバッチリ撮影できたそうです。

 

 

付かず離れず飛んでいた2羽の大型猛禽でしたが、徐々に距離が離れるとオジロワシは降下し着陸の姿勢。

 

少し先の田んぼに降りる様子を確認。

 

 

この時、他のバードウォッチャーが比較的近い距離からオジロワシの撮影を始めたため私たちも達磨さんが転んだ方式で距離を縮めてみることに。

 

其々の位置で撮影して頂き、徐々に距離を縮めるとかなり近いと思える位置まで接近することを許してもらえました。

 

 

普段であればここまで近寄れません。

余程運が良くなければ直ぐに飛んでしまいます。

 

獲物を持っているようには見受けられず暫く様子を見ていると飛び立ちの構え。

 

 

ここから連写。

 

 

飛び立ちまでの一連の動作を見ることができ、お客さんは喜んでおられました。

 

オジロワシは遥か彼方へ姿を消し、オオワシは止まり木へ戻ったようであったことから他の猛禽類を探すため移動を始めたところ畔で羽を休めるコチョウゲンボウを発見。

 

距離を縮める前にコチョウゲンボウの居場所をお客さんに伝えていたところタイミング悪く飛び立ってしまいその後はロスト。

 

目印となる物が無い場所で鳥の居場所を伝えるのは難しいものです。

 

 

この後はハイイロチュウヒが見られないかと観察場所を移動しましたが、強風の影響からか姿を確認することはできませんでした。

 

ほんの一瞬でしたが雲の隙間から陽射しの届く時間があり、このタイミングでアメリカコハクチョウを観察。

 

 

ハクチョウの群れを観察した後はオジロワシの成鳥を探すため村周辺を巡回。

その際には小規模なハクガンの群れを何度か見掛けました。

 

 

ハクガンの群れはより一層分散してしまったのか、この日は本隊と思われるような大きな群れを目にすることはなく、いずれも一桁~二桁の群れ。

 

 

ここでお客さんより『シジュウカラガンを見てみたい』とのリクエストがあり、捜索してみたところ100羽ほどの群れを発見。

 

しかしマガンの群れが近くに居たことで一斉に飛び立ってしまいました。

見つけることはできても、お客さんが観察し易いように車の位置取りをすることは難しく一筋縄ではいきません。

 

その後幾つか小規模な群れを見つけることができ、比較的近い距離から観察することができました。

 

 

ガンの観察をしていたところコクマルガラスの鳴き声が聞こえ、ミヤマガラスの群れの中から成鳥の個体を探してみることに。

 

少々手こずってしまいましたが無事に発見。

喜びも束の間、居場所を伝えいるうちにミヤマガラスの群れと共に飛び立ってしまいました。

 

“見て・撮ってもらってなんぼ”のガイドとあってお客さんが見れなければ意味がありません。

 

 

結果としてコクマルガラスの観察は叶わず、時刻を確認してみたところタイムリミットまであと一時間。

 

本来目的としていたオジロワシ成鳥を探すため移動を繰り返していると一時ホワイトアウトするほどの悪天候に。

 

あまりの視界の悪さに捜索は難航しましたが、飛翔するオジロワシ成鳥を発見。

 

 

残念ながら地上に降りている個体の撮影出来なかったものの、何とか目的を達成することができました。

 

最後にもう一度オオワシの様子を見に行ってみたところ、強風の影響からかいつもより低い位置に止まっており、朝とはまた違った写真を撮ることができました。

 

 

この様にして午前中だけのガイドはあっという間に終わりましたが、内容としては濃い時間を過ごすことができたと思います。

 

お客さんの地元では大雪のため大規模な立ち往生が続いているとの報道がありたいぶ心配しましたが無事に帰宅されたとの連絡があり胸をなでおろしました。

 

Tさん、悪天候のなかでの観察お疲れ様でした。

また機会がありましたら秋田へお越し下さい。

 

 

本日の観察日記はここまで。