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2023年4月10日

 

 

 

本日更新する日記は先月12日の観察分から。

 

観察時期としてちょうど端境期となる3月中旬。

渡りの珍鳥を探して回るには少々早く、前日(11日)はクマタカの観察を行いました。

 

 

この日は曇り時々晴れといった予報で観察に支障なし。

せっかくの天気を活かしたいと考えましたが観察場所が定まらず...

 

悩んだ結果、空振り覚悟で海沿いを巡り渡りの珍鳥を探してみることに。

 

あちこちに目を配りながら移動していたところ、高木の枝先に止まるレンジャクの群れを発見しました。

 

 

群の規模としては100羽ほどでしたがその大半はヒレンジャク。

キレンジャクが圧倒的に多い当地としては珍しいケースです。

 

ちょうどこの頃はWeb上にレンジャクの画像が溢れかえっており、秋田県以南の地域で越冬していた個体群が北上してきたのかもしれません。

 

 

レンジャクが群れる場所には必ずと言っていいほど実のなる木があるものの、流石にこの時期はナナカマドの実も残ってないでしょう。

 

レンジャクの餌として思い浮かべるのはナナカマドの他にヤドリギが代表的でしょうか。

しかしこの付近にヤドリギの木はありません。

 

一体何を餌としてレンジャクが群れているのか...

 

 

餌の方が気になり周囲を調べてみたところレーズンより一回り小さな赤い実のなる木を発見。

 

 

地面にも赤い実が散乱しておりレンジャクたちが食べ散らかした跡かもしれません。

 

こちらの木へ飛来することを想定し待つこと20分。

偵察をするかのように単独の個体が付近の木へ飛来しました。

 

更に5分ほど経過すると偵察個体が先行して実のなる木へ飛来。

 

 

安全が担保されたと判断したのか高木へ止まっていた群れも次々に飛来しました。

 

どの個体も夢中になって実を食べています。

 

こちらがヒレンジャク。

 

 

そしてこちらはキレンジャク。

 

 

蕾が膨らみ黄色い花が顔を覗かせていますが、こちらの木は一体何なのか。

 

植物の知識が全く無いため開花する頃を見計らい改めて足を運んでみるとこの様な花が咲いていました。

 

 

こちらの画像を基に調べてみるとサンシュユという木であることが判明。

秋になると赤い実をつけるそうなので間違いないでしょう。

 

話題は観察の様子に戻ります。

 

 

採餌中、歩行者が付近を通り掛かると一斉に待避。

 

再び高木へ止まり、実のなる木へ飛来のタイミングを見計らっているようでした。

 

待避してから20分~30分ほど経過した頃、始めに見た時と同様に単独の個体が付近へ飛来。

 

 

やはり偵察の役割りを持って飛来しているように思えます。

 

偵察個体が実を食べ始めると高木へ止まっていた群れも次々飛来。

 

 

観察と併せて撮影も楽しみたい私はどの個体を撮ると見栄えの良い写真になるのかあれこれ考えていたところヒヨドリが飛来。

 

なんとこのヒヨドリ、レンジャクの群れを片っ端から追い払い我が物顔で実を食べ始めました。

 

 

何とも横暴なヒヨドリです。

 

ヒヨドリが消すと様子を伺っていたレンジャクは再び実のなる木へ。

 

 

こうして一連の様子を何度か観察していると人通りが多くなった為か飛来する間隔は長くなる一方。

 

腰を据えて観察に当たろうかとも考えましたが当初の目的は珍鳥探し。

やはり海沿いの様子が気になります。

 

 

意を決するようにこの場を離れ海沿いのチェックポイントを転々としてみることに。

 

その道中、20羽ほどのレンジャクの群れを発見。

 

 

やはりヒレンジャク優勢の群れでしたが、こちらの群れは観察に不向きであったことから早々に場所を移動しました。

 

その後目ぼしい鳥が見つからず時間は過ぎていくばかり...

 

 

結局この日の珍鳥探しは空振りに終わり、数時間かけてまともに見たのはハイタカだけでした。

 

 

ハイタカを眺めていると30+ほどのレンジャクの群れが付近を通過し、レンジャクの移動が活発化している様子が伺えました。

 

こんなことであれば下手に移動せず、腰を据えてレンジャクを観察していたら良かったと思いましたが何を言ったところで後の祭り。

 

 

朝に見た個体群も居なくなっているだろうと思いましたが「念の為に」と帰りがけに様子を見てみたところ意外にも群れは同じ場所に留まっていました。

 

群れを確認し観察を再開しようと考えましたが同じ内容の観察をしては芸がありません。

そこで今度は水飲みの場面を観察してみることに。

 

実のなる木の反対側には水田が広がっており、そちらで水飲みをしていることは容易に想像がつきます。

 

問題は狙った場所へ飛来するかどうか...

 

 

先ずは様子見と待つこと約15分。

採餌の時と同様に単独の個体が飛来。

 

 

しかし狙いの場所からは少々離れており、充分な観察をすることはできませんでした。

 

改めて狙いを定め待つこと約20分。

当初より更に離れた位置へ飛来。

 

なかなか思い通りにはいきません。

 

 

群れ全体が一斉に水飲みを行ったのは残念ながら狙いの場所とは離れていたものの、ヒレンジャクを主体として観察できたことは良い意味で想定外であり非常に嬉しく思いました。

 

 

この様にこの日はレンジャクの観察を行いましたが、現在は春の珍鳥シーズン真っ只中。

 

一年で最も楽しい時期と云っても過言ではありません。

 

探鳥をしていて楽しい時期を迎えていますが、今後良い出会いに恵まれることを期待して本日の観察日記はここまでとします。