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2023年4月17日

 

 

 

本日更新する日記は先月25日の観察分から。

 

例年よりも高温傾向が続いた3月。

渡り鳥にどの様な影響をもたらすのか気になり、この日は海沿いでの観察を計画しました。

 

徐々に鳥たちの移動が活発化する頃とあって珍鳥との出会いにも期待が持てます。

 

海沿いを転々として多く目にしたのはオオジュリン。

 

 

そのほとんどは群れをつくり行動していましたが、なかには単独かつ地面で採餌をしている個体も見られシベリアジュリンを疑うケースがありました。

 

しかしこの日はシベリアジュリンどころかホオジロ科の珍鳥は一切確認できず。

 

ホオジロ・ミヤマホオジロ・カシラダカ・アオジの4種は目にする機会が多かったものの全体的に鳥は少ない印象。

 

車を走らせていても道路脇から飛び立つ場面は以前に比べると格段に少なくなったと感じます。

 

 

所々で梅が開花している様子を目にしましたが、なかには満開の木も。

 

陽当たりによって開花状況は異なるものの3月下旬に満開の梅を見た記憶はありません。

例年であればちょうど今時期に見頃を迎えることから約半月ほど早い印象です。

 

 

主要な観察ポイントでは珍鳥が見当たらなかったため、普段足を運ぶことのない地域で探鳥をしてみることに。

 

そこで発見したのがヤツガシラ。

 

 

春季に限っていうと本県でヤツガシラが見られるのは3月中旬頃~4月下旬頃まで。

そのなかでも3月下旬~4月上旬は特に観察例の多い時期となります。

 

この前の週は知人もヤツガシラを観察しており、渡りのタイミングとしては例年通りといったところでしょうか。

 

 

ヤツガシラにしては珍しく車に対しても距離を置きたがる個体で、狭い集落のなかでの観察には難儀させられました。

 

 

それ以外に特筆すべき点は無く、観察の内容も例年通り。

 

餌となるのはクモ・甲虫類の幼虫がほとんど。

 

あっちにこっちにと忙しなく動きながら採餌するヤツガシラでしたが、観察を続けていると顎が外れるほど口を開く場面が...

 

 

ペリットでも吐き出すのかと思いきや、食べて間もない茶色い物体を吐き出す姿が見られました。

 

拡大画像。

 

 

本来食べるべきではないものを飲み込んでしまったのでしょうか。

 

真相は分かりませんが、特に変わった様子もなくこの後も普段通り採餌を続けていました。

 

 

今までに沢山のヤツガシラを観察し様々な場面を目にしてきましたが、鳴き声だけは耳にしたことがありません。

 

手持ちの図鑑には『ポポポ』と鳴くと記載があるものの、どの様な声質か想像もつかないことからYouTubeで検索をしてみました。

 

動画を視聴した結果、想像とはかけ離れており籠ったような声質。

鳴き声を発するタイミング・状況も不明で、実際に耳にするのは難しいと感じさせられました。

 

 

次に掲載するのは冠羽を開いた場面。

 

特徴的な容姿をしておりバードウォッチャーに人気種のヤツガシラですが、冠羽を開いた瞬間は誰もが狙うシーンでしょう。

 

 

首都圏であればシャッター音の嵐になること間違いなし。

 

当ホームページにはヤツガシラの観察に関するお問い合わせを数多く頂いておりますが、秋田県での観察は博打要素が強くお奨め出来ません。

 

フットワークの軽い方であればリアルタイムの情報を基に観察は可能かもしれませんが、探す面積が広いことに加えて渡来数も少ないことから事前の計画で観察の実現は難しいでしょう。

 

こちらの個体は観察を始めて15分ほど経過した頃、徒歩で移動する地元の方を警戒し飛去してしまいました。

 

 

暫く待ってみたものの戻ってくる様子がなく極めて短い時間の観察となりましたが、少しでも発見が遅れていたら今回は観察できなかったと思います。

 

ヤツガシラは神出鬼没、出会いはいつも運次第。

 

 

本県よりも観察のチャンスが多くなるのは日本海側の島嶼。

更にチャンスが多くなるのは南西諸島になりますが、いずれも春の渡りのシーズンがお奨めです。

 

この日はヤツガシラ以外に珍鳥と呼べるような鳥との出会いがないまま観察を終えましたが、ヤツガシラを発見できなければ危うく空振りに終わるところでした。

 

翌週も懲りることなく探鳥に出かけましたが、そちらの様子は次週更新の日記に続きます。

 

 

本日の観察日記はここまで。