メールはこちらから

 

 

X (旧Twitter)はこちらから

2023年 野鳥観察の旅 in ケアンズ (8月) ③

 

 

前回の続き。

 

エスプラネードの宿泊先で友人と合流した後は墓地で観察を行い、その後は植物園へ。

 

植物園で観察を終えた後はエスプラネードへ戻り夕方まで観察を行いましたが、コンパクトな観察ながらも見られた野鳥の数は想像を遥かに超え日本とのギャップに驚くばかり。

 

 

動物園で見るような鳥たちが野鳥として暮らす環境に非日常を感じ、翌日の観察にも大きな期待を持ちましたが...

 

 

2023年8月10日

 

 

日程2日目は今回の旅行において最も楽しみにしていた海鳥の観察。

船に乗ってエスプラネードを離れる予定でしたが起床して耳にしたのは窓を叩くような雨音でした。

 

日本を離れる前から「この日だけは晴れてくれ」と祈っていたものの、願いも虚しく雨は強まる一方。

こうなっては腹を括るしかありません。

 

 

予約していた船の出港時刻は8時半。

 

乗船前に少しでも観察の時間を設けたいと考え、7時に宿を出発すると街路樹から街路樹へとおびただしい数の鳥が移動する姿を目撃しました。

 

日本で例えるならムクドリの大群が飛んでいるかのよう。

停車して双眼鏡を覗くとミドリカラスモドキに似た種であることが判明。

 

 

先ずは証拠写真にと撮影してみましたが曇天空抜け画像は今一つ色がはっきりしません。

そのため背景のある場所を狙って撮影してみることに。

 

 

画像を検証し図鑑と見比べることでオナガテリカラスモドキであることが分かったものの、この時は近年石垣島で記録が多くなっているミドリカラスモドキに似た鳥ということしか言えませんでした。

 

 

日本を離れる前まで図鑑に掲載されている種を全て頭に叩き込むつもりでいましたが、業務多忙の日が続きほとんど勉強することができず。

 

その為、旅行中は「赤い鳥が居る」「何とかミツスイが居る」等々いい加減なことばかり言っていました。

 

今となってはそれもまた旅の思い出ですが...

 

 

話を戻し、オナガテリカラスモドキの群れの中にはメガネコウライウグイスが少数混ざっており雌雄共に確認。

 

【 雌 】

【 雄 】


 

一通り群れの観察ができたところで港へ行ってみると敷地内に駐車スペースは無く、少し離れた駐車場から徒歩で移動する他ありませんでした。

 

移動の際に人工物を利用して雨宿りしているイシチドリを発見。

 

改めて人間の生活圏に暮らす鳥という印象を受け、この時はスマホで撮影。

 

 

また付近には前日も観察していたオーストラリアチョウショウバトが見られたため、こちらも併せて撮影しました。

 

 

こちらの写真だけを見ると普通のハトという印象しかありませんが実際に見るオーストラリアチョウショウバトは手のひらにすっぽり収まるほどの極小サイズ。

 

ドバトと一緒に採餌をしていた場面を撮影することでサイズの比較ができました。

 

 

この様に市街地であれば多少の雨であっても観察を楽しむことができるものの、この後は...

 

結局腹を括ることができないままやって来たリーフフリートターミナル。

 

 

世界最大の珊瑚礁帯、グレートバリアリーフの観光や各種アクティビティはリーフフリートターミナルから出港する船舶によって行われています。

 

 

今回私が利用したのはオーシャンスピリットという船舶を所有するツアー会社。

8時半に出港して17時に帰港するという一日掛かりのクルーズを催行しています。

 

 

受付を済ませ船着き場へ進むと声量の大きな鳥の鳴き声が...

 

まだ少し時間に余裕があったため立ち止まって様子を伺うと植え込みの中からサメイロミツスイが顔を覗かせました。

 

 

サメイロミツスイに限ったことではありませんが、ケアンズで見る鳥は体長と声量が釣り合いません。

 

どの鳥も声量が大きいと感じました。

 

 

行き掛けの駄賃で新たな出会いに恵まれ、いよいよ乗船の時刻。

 

乗船前に記念撮影をしようと船舶の前へ立ってみると想像以上の大きさにビックリ。

あまりにも大き過ぎて全景を写すことができず...

 

 

間もなく出港時刻を迎えようとした頃、ターミナルには大きな虹が。

天候の回復を期待したものの陽射しが出たのはほんの一瞬でした。

 

 

出港して間もなく朝食が提供されたため観察に備えて腹拵え。

 

 

こちらのクルーズでは朝食と昼食の他、アフタヌーンティーとシャンパンが振る舞われ、各種アクティビティの料金込みでお一人様219豪ドル。

 

私はカップケーキとコーヒーを片手に2Fデッキで過ごしましたが、受付の際にも話があった通り海況は荒れており風も強めに吹いていました。

 

紫外線対策で長袖を羽織っていたものの吹き付ける風は寒さを感じるほど。

灼熱の日本とは別世界です。

 

 

期待の海鳥がなかなか飛ばず、船内をウロウロしていると同乗していた女の子たちの服装が気になり話し掛けてみたところ...

 

クイーンズランド州の自然保護官という自己紹介があり海鳥の調査で乗船したのだとか。

とても気さくでユーモラスな女の子たちでした。

 

 

目的地が迫ってきたタイミングで日本人スタッフに召集され、オリエンテーションの場へ行ってみると数名の日本人観光客の姿が。

 

日本人スタッフによる日本語のオリエンテーションが開かれ、目的地へ着いてからの注意事項など様々な説明がありました。

 

 

間もなく目的地である白砂の島、ミコマスケイが視界に入り気分は一気に高揚。

そして何よりも嬉しかったのは、このタイミングで天候が回復。

 

 

グラデーションの海に白い砂の島。

 

何とも美しい景色ですが、目的は景色にあらず。

この白砂の島、ミコマスケイは南半球最大の海鳥の繁殖地。

 

双眼鏡で島を覗くと海鳥が沢山。

 

 

島へは大型船で上陸できないため沖から小型船に乗り換えてミコマスケイに上陸します。

 

乗り換えの順番待ちをしていたところ気になる海鳥の姿が...

 

日本ではまだお目に掛かることができずにいたアカアシカツオドリを発見。

 

 

船の周りを何度か飛んでくれたお陰で間近に見ることができました。

 

 

これだけでも来た甲斐があった。

 

 

アカアシカツオドリを見ていると10分間隔で運航する小型船はあっという間に戻ってきており、いよいよミコマスケイへ...

 

初めて上陸したミコマスケイは砂粒が大きく日本の砂浜と全く異なる印象でした。

 

 

ミコマスケイは島全体が保護区となっているため観光客の立ち入りが許されるのはほんの一部。

 

それでも充分過ぎるほどです。

しかもこの日は私たちの他にバードウォッチャーの姿は無く、他の人たちは皆シュノーケリングへ。

 

 

8月のオーストラリアは真冬に当たるため一年のうちでも最も個体数は少ないようですが、それでも5000羽以上は生息していたでしょうか。

 

最盛期には数倍の数に膨らむそうです。

 

 

オリエンテーションで話にもあった通り、制限を設けるロープ付近には抱卵中のカツオドリの姿がありました。

 

稀に営巣に気付かず卵を踏んでしまう観光客がいるそうです。

 

 

そのためロープ付近の巣には要注意という話が事前にありました。

 

頭を掠めるようにして飛ぶ個体も多く、闇雲に上空へ向けてシャッターを押しただけでこの様な写真が撮れていました。

 

 

ここまで全て広角レンズで撮影した画像になりますが、以降は望遠レンズで撮影した画像を掲載。

 

ミコマスケイで見られた海鳥はカツオドリの他、クロアジサシ・ヒメクロアジサシ・オオアジサシ・セグロアジサシ。

 

 

エスプラネードではアジサシ・ハシブトアジサシ・オニアジサシを確認していましたがミコマスケイでは姿を見ませんでした。

 

期待のベンガルアジサシは見られるシーズンが異なる為か残念ながら確認できず。

 

 

また淡い期待を寄せていたグンカンドリとコグンカンドリも残念ながら見ることはできず、こちらもシーズンが異なるのかもしれません。

 

 

船上で見られたアカアシカツオドリについては上陸中に見ることはなく、個体数としては少数が見られるといった程度だったようです。

 

こちらはセグロアジサシの幼鳥と思われる個体。

 

 

ネイチャー系の番組で飛べるようになって間もないセグロアジサシの幼鳥が水面から飛び出てくるロウニンアジに食べられてしまうというシーンを見たことがありました。

 

何処の地域で撮影された映像なのかは忘れてしまいましたが、南半球最大の繁殖地と言われる場所に自分が立っていることを感慨深く感じ夢のような時間を過ごしていたように思います。

 

 

テレビでしか見ることがないと思っていた環境に身を置くことができたのは本当に良い経験になりました。

 

今回の経験は一生記憶に残ることでしょう。

 

 

一通り観察を終えた後は撮影に没頭。

 

いつもであれば構図を考え試行錯誤を繰り返していますが、この時ばかりは難しいことを考えず気の向くままに撮影を楽しみました。

 

 

思い出の一つとして動画でもミコマスケイの様子を記録してみることに。

 

 

朝の悪天候から一変して、ここまで晴天が広がることを誰が想像できたでしょう。

 

天候が回復してくれたお陰で存分に観察を楽しむことができ、お天道様には本当に感謝です。

 

 

楽しい時間はあっという間に終わり船へ戻ると再びアカアシカツオドリの姿が。

 

 

こちらは上陸前に観察した個体と羽の特徴が異なり別個体と判明。

 

距離は遠かったもののグレートバリアリーフを飛ぶ姿は美しく記憶に残る一枚です。

 

 

エスプラネードへ向けて船が動き出すと緊張の糸が切れたのか帰港するまで爆睡。

 

こうしてミコマスケイでの海鳥観察は無事終わりましたが、この日は新たな宿泊先を目指しケアンズから北西に位置するキュランダまで移動する必要がありました。

 

この日の宿泊先はゲストハウスということもありエスプラネードで食材を用意しようと車を走らせると...

 

 

「何だこれ?」

 

「...」

 

 

「おいぃぃぃ」

 

 

駐車違反のキップを切られていました。

 

違反キップを目にして思い出したのがケアンズ市内の駐車システム。

 

予習の段階でケアンズ市内には道路沿いの至るところに駐車場が設けられていることを知りましたが、駐車の際にはパーキングマシンでチケットを購入しなければならないということを学習していました。

 

しかしケアンズ市内にはFREEと表記されている駐車場も多く、有料であっても曜日や時間帯によって無料の場合もあり、これが油断の元でした...

 

 

罰金はネットでも支払えることが分かり後日送金。

 

気を取り直してやって来たのはウールワース。

 

 

オーストラリア全土に展開するポピュラーなスーパーマーケットです。

 

オーストラリア旅行定番のお土産TimTamが山積みになっていたりと目新しい物が沢山。

 

 

プロテインのフレーバーも色々ありました。

 

 

500mlのコーラ1本が500円くらいのオーストラリアでプロテインがこのお値段とは日本感覚でもかなり安い。

 

買い物を済ませスーパーを出ると街路樹には塒入りしたインコたちが沢山。

 

騒々しいとも思える市街地の様子をスマホで動画撮影してみました。

 

 

盛り沢山の一日を終えキュランダへ到着した頃には既に真っ暗。

 

 

先ずは風呂に入って身体を温めようと思いましたが...

 

 

なかなかお湯が出ない。

ようやく出たと思えば熱湯になりたちまち真水に戻ってしまいます。

 

流石に熱湯で身体は洗えません。

暫くシャワーと格闘したものの埒があかず真水のシャワーを浴びることに。

 

ほぼ修行。

真冬のオーストラリアで真水のシャワーを浴びるとは思いませんでした。

 

駐禁といいシャワーといい、この日の運をミコマスケイで全て使い果たしていたようです。

 

 

暖房の無いオーストラリアで寒い夜を過ごすことになりましたが、日程3日目はこの宿の屋号にもなっている鳥を探して周辺を散策。

 

そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。