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2023年8月21日

 

 

 

本日更新する日記は先月22日の観察分から。

 

例年よりも早く梅雨明けが発表されたこの日、時期的に少し早めではありましたが今季初となるオオジシギの観察へ出かけました。

 

毎年7月20日前後には渡来を確認しているものの、渡来当初は個体数が少なく観察は容易でありません。

 

その為ある程度個体数が増える8月に入ってから観察を始めていますが、今季は大雨災害の影響により多方面で予定が狂ってしまいました。

そこで今回白羽の矢が立ったのはオオジシギ。

 

ジシギ好きな私としては何度見ても飽きることがないため、少々難儀しても何の苦痛もありません。

 

 

燦々と陽の光が降り注ぐなか農道をゆっくり進むと突然飛び上がった2羽のジシギ。

 

一瞬の出来事であったため識別できるようなものは何一つありませんが時期的に考えてもオオジシギと判断して間違いないでしょう。

 

飛ばしてしまう前に気付くことができれば良かったのですが、過去に例のない場所だっただけに油断していました。

 

気を取り直して次に見つけたのはこちらの個体。

 

 

今季初撮影となったこちらの個体は農道と農道の中間位置に佇んでおり観察をするには少々遠く感じます。

 

そのため別個体を探して回りましたが、これがなかなか見つからず...

やはりシーズンに入ったばかりということもあり渡来数が少なく選べるような余地はありませんでした。

 

そこで初撮影の個体の元へ戻り、ここから根比べの観察が始まります。

 

 

中間位置から動き出したのは待機を始めてからおよそ3時間後。

 

炎天下の田んぼは湿度が高く既に汗でびっしょり。

正直なところ心は折れかけており「やっと」という心境でした。

 

 

少しずつこちら側へ歩みを進めるオオジシギに対し「こっちへ来い  こっちへ来い」と念仏のように唱えます。

 

おそらくジシギの観察が好きな方であれば同じように唱えているはず。

 

不意に翼を大きく広げた瞬間。

 

 

油断大敵、ピンボケ画像を生産。

これがSONYのα1であればバシッと写すことができたのかもしれません。

 

今流行りのミラーレス高性能カメラのAF精度は凄まじく、以前Canonユーザーだった石垣島の友人が『SONYのAFに比べるとCanonのAFは玩具だ』と揶揄するほど。

 

 

畦の縁を突っつくようにして採餌する姿はいかにもオオジシギ。

 

次に掲載する画像は畦の上にあがり真横になった姿を撮影したもの。

オオジシギらしい羽衣です。

 

 

畦をジグザクに進みながら移動する姿もオオジシギらしさを感じますが静止画で伝わるものではありません。

 

 

再び畦に上がると一時停止。

田んぼに降りている時は躊躇なく移動しますが、畦に上がった際は周囲の様子を伺うことが多いように思います。

 

 

仮に何か警戒すべきものがあると直ぐに引き返してしまう為、不用意な動きは禁物。

 

ジシギの警戒心については個体差があり、一概に言うことはできませんが警戒心の塊と仰る方もいるようです。

 

 

どんどん近寄って来るオオジシギ対し「いいぞ いいぞ」と呟きながら観察を続けていましたが端から見るとさぞ滑稽なことでしょう。

 

一般的に考えても何が面白くて真夏の炎天下に一日中田んぼに居るのか。

 

 

同じバードウォッチャーから見ても興味の薄い方には理解し難いと思われるかもしれません。

 

ジシギの話題になるとほとんどのケースにおいて『どれも同じに見える』と言われてしまいます。

 

これに対して興味のある方から出る言葉も共通しており『尾羽は撮れた?』といった具合にある種の共通点が生まれました。

 

非常に面白い現象です。

 

 

人其々観察のスタイルも違えば好きな種が異なるのも当たり前。

 

私が何故ジシギに夢中になるのか。

それは生態が関係しています。

 

動き方一つ取っても魅力に溢れ、コソコソと動く様は私の拙い言葉で上手く表現することができません。

 

 

観察難易度が高ければ高いほど興味を抱き、夢中になる鳥の共通点は潜行性。

 

他の種で例えるならヨシゴイ。

隠れて暮らす相手を観察できる喜びは何にも代え難いものがあります。

 

 

だいぶ話は逸れてしまいましたが、この辺りまで近寄ってくると私は興奮状態。

 

一定程度距離が詰まると尾羽を開いた瞬間が狙い易く、その瞬間を待つのみ。

 

 

しかし幾ら距離が近くなったとしても角度によっては見えない場合も往々にしてあり、その点に関しては運要素も絡んでくるでしょう。

 

加えて私の場合、良い場面が訪れた時に限って何か食べています。

 

 

学習能力が低いため同じ失敗を繰り返してきましたが、最近になって漸く集中できるようになりました。

 

集中力を保ちその瞬間に備えたものの、残念ながらこの日は尾羽を開いた瞬間を見ることはできず...

 

 

それでもここまで近寄ってくれたことを考えると御の字です。

 

流石にオオジシギも違和感を覚えたのか突然Uターン。

元の位置を目指し戻り始めてしまいました。

 

 

この日の観察を振り返ると単に写真を撮っただけの内容となってしまいましたが、シーズンの先駆けで無事観察できたことを考えると◎にしたいところ。

 

秋田の夏はお盆までと言われますが今年は異常な暑さが続いています。

今後もオオジシギを含めジシギの観察を継続しますが、健康に留意して日々過ごしたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。