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2024年4月8日

 

 

 

本日更新の日記は3月17日の観察分から。

 

下り坂の予報が出ていた日曜日。

正午過ぎには荒れ模様の天候に変わるとの予報を受け、この日は夜明けと共に自宅を出発しました。

 

時期的には少々早かったものの渡りの珍鳥を探すため男鹿半島へ。

正午までに1種でも珍鳥を見つけることができれば御の字です。

 

 

期待する珍鳥はヤツガシラ。

渡りの先駆けとして姿を見せることが多く、これまでにも3月中の確認が数多くありました。

 

その他にも期待の持てる種が幾つかあり、様々な生息環境をチェックして回ると...

 

 

見事に空振り。

 

やはり小さな離島とは訳が違い、広大な敷地のなかから珍鳥を探し出すのは骨の折れる作業です。

 

何処かに驚くような珍鳥が立ち寄っていてもおかしくありませんが、この日の結果は単純に私の探鳥力が及ばなかっただけ。

 

 

何も見つけることができなければ楽しい話題を提供することもできません。

 

こうした理由から本日の観察日記はこれにておしまいです...と言う訳にもいかず、某所で越冬していたベニヒワの群れを見にいってみることにしました。

 

疎らに自生する松の木を覗いてみると100羽超のベニヒワを確認。

 

 

先々週更新の日記でも話題に取り上げた通り、再びベニヒワの観察をすることは無いと思っていました。

 

しかし何の観察もせず帰宅したのでは翌日からの仕事に張り合いを持てません。

 

 

こちらの個体群は自宅近くで見られた群れとは違い警戒心が緩く車を降りての観察が可能でした。

 

暫く松の種子を取り出す様子を見ていましたが、枯れた松の木はベニヒワにとって採餌しやすかったようです。

 

 

枯れ木になる松ぼっくりは笠は開ききっており、その一方で青々とした木の松笠は閉じているものがほとんど。

 

過去の日記でも松笠の開閉は湿度によって変化するという点について触れましたが、実際のところどれほどの変化が見られるのか私には分かりません。

 

 

松笠の構造についても野鳥を観察するようになるまで何も知りませんでした。

 

松ぼっくりを手にしたのは何時が最後だったでしょう。

おそらく小学生の頃が最後だったと思います。

 

 

当時、松の種子が何処にあるのか興味もありませんでしたし小学生にとって松ぼっくりは松ぼっくりでしかありません。

 

私に松笠の構造を教えてくれたのは野鳥です。

 

 

この時もベニヒワたちは松笠から器用に種子を取り出すと薄い羽の部分だけを噛み砕き種だけを飲み込んでいました。

 

多角的に鳥を観察してみると面白いと感じることが沢山。

 

『食』について一つ取っても餌となる植物、生物について学ぶ機会も多く現在も新しい発見が度々あります。

 

 

風力発電に関しても野鳥に対する影響を知りませんでしたし、電波障害が発生する代物という知識しか持ち合わせていませんでした。

 

何事も同じですが、興味を持つということは大事なことだと思います。

 

 

ベニヒワを観察した後は某所で越冬したユキホオジロの様子を見にいってみることに。

 

 

この日の2週間ほど前、知人より『ユキホオジロが足を怪我したようだ』との報告を受けていました。

 

暫く見ていない間に一体何があったのか...

 

 

現地へ着いて直ぐ目にしたのはぎこちない歩き方を見せるユキホオジロ。

 

痛めたのは右足であることが判り歩行のバランスが悪くなっていました。

 

正面を向いた際に撮影したこちらの画像。

痛めた右足を庇うように重心が左足に傾いています。

 

 

右足に着目した画像を拡大してみると、跗蹠骨の付け根が変色し腫れあがっていました。

 

本来ユキホオジロの足は黒色ですが、茶褐色に変色し瘤のようなものを見て取れます。

 

 

原因について考えると思い付いたのは有刺鉄線。

越冬していた場所では有刺鉄線に止まる姿を度々目にしていました。

 

こちらは以前撮影した画像です。

 

 

掴まる際、若しくは飛び立つ際に風に煽られ引っ掻けてしまったのではと考えましたが、あくまでも想像の範疇に過ぎません。

 

観察を続けて気になったのは伸びの場面。

 

 

しっかりと行動を観察されている方であれば直ぐに気付かれたのではないでしょうか。

 

通常、伸びをする時には開いた翼と同じ側の足も一緒に伸ばしますが怪我をしたユキホオジロは左足を地面に着けたまま左翼を開いていました。

 

本来この場面は右足を地面に着け左足を後方へ伸ばし左翼を開くはずです。

 

 

通常の動きと異なる為か翼を上方へストレッチした場面ではバランスを崩し前のめりに。

 

 

こちらのストレッチが終わると右翼を開きましたが、この時は右足を一緒に伸ばしていることが見て取れます。

 

 

つまり伸びをするにしても右足に過重をかけられないほど痛めているということになりますが自然治癒する日は来るのでしょうか...

 

何とも居た堪れない気持ちになりましたが、しっかりと餌を採れている点は唯一の救いでした。

 

 

もう1羽の個体は元気に歩き回り少しずつ換羽も進んでいたようです。

 

 

時には水溜まりの中を歩き、まるで田んぼで撮影したような写真に。

 

 

ユキホオジロを観察していてこの様な写真を撮影した記憶はありません。

 

観察を続け間もなく正午といった頃、予報通り雨が降り始めこの日の観察はここまでとしました。

 

 

ユキホオジロの怪我の具合いが気になりますが、一日も早い回復を願うばかりです。

 

 

本日の観察日記はここまで。