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2020年9月6日 33/24℃ 晴れ


 

台風10号が異例の勢力で北上を続けた日曜日。

この度の台風により被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

 

次々に発生する台風の影響でこの二週間、秋田県も季節外れの暑さが続いており気温の高い状態はあと数日続く見込みですが、季節は確実に進みタカの渡りのシーズンを迎えました。

 

本格的な渡りにはまだ早いと思いましたが、今季1回目の観察はいつもと違った山へ足を運んでみることに。

 

 

天気は良いもののフェーン現象の影響で33℃と気温が高く東寄りの風。

タカの渡りには条件の悪い風向きでした。

 

暑さに耐えながらタカの飛来を待ってみたものの条件の悪さが重なりタカの『タ』の字も見当たりません。

 

 

暇な時間を持て余していたところ私の相手をしてくれたのがホシガラス。

『撮れるものなら撮ってみろ』と言わんばかりに目の前を何度か飛んでくれましたがカメラワークが追い付かず撃沈。

 

そんな私を哀れに思ったのか一度だけ枝に止まるサービスタイムがありました。

 

 

ホシガラスの他に暇人の相手をしてくれたのはアマツバメ。

 

20羽ほどが飛び交い時には頭上を掠めるように飛ぶこともありましたが、ホシガラスを撮れない私が高速で飛ぶアマツバメを撮れるはずもありません。

 

カメラ任せに連写したなかで❝それらしく撮れていた❞一枚です。

 

 

結果的に渡りを確認できたタカはサシバが1羽とハチクマが1羽という残念な結果に終わりました。

 

 

 

この日は観察らしい観察ができなかったことから、ここからは先々週観察していたトウネンのお話をしたいと思います。


この夏は継続的に観察を続けた鳥が多く、シギチに関しては何処か片手間になっている部分がありました。

週に一度の観察では時間が限られており気になるポイントを全て網羅することも難しくじっくりと観察する時間を確保できない状態でしたが、そのようななかにおいて久しぶりに観察らしい観察をすることのできたトウネンに焦点を当てて日記を綴ります。


8月に入ってから仲間内でもちらほらとシギチの話題が出るようになり、海岸や休耕田に足繁く通ってみたものの空振りになることがほとんど。

月曜日~土曜日にかけては賑わいを見せても私が行くと蛻の殻で日曜日はシギチも定休日なのかと思うほどでした。

タイミングの悪さに歯痒い想いをさせられながらも、ようやく出会うことができたトウネンの群れ。

 

 

久しぶりに纏まった数の群れを目にしました。

秋に見るシギチの数は減る一方で、過去の観察記録に照らし合わせ海岸に足を運んでみても1羽も居ないということがザラにあります

そのため群れが水面の上を飛び交う姿も見る機会が減ってしまい、この様なシーンを見るのは久しぶりのような気がしました。

 

 

この日に見られたトウネンは幾つかの群れに分かれており、合計では200羽ほど入っていたでしょうか。

飛び交っていた群れは護岸脇のブロックに止まり羽を休めるようだったので私も移動して観察してみることに。

ブロックの上は満員御礼。

 

 

こちらは釣り人の往来が激しい場所ですが、このような場所に止まったシギチは浜辺に居る時に比べ警戒心が薄くなる傾向があると感じます。

そのため比較的近い距離から見ることができるので肉眼での観察も可能。
細部を見るには双眼鏡やファインダー越しの観察に軍配が上がりますが、距離が近い場合には肉眼で全体的な雰囲気を見ると一味違った観察を楽しめるかもしれません。

望遠レンズで撮影するとあまりにも大きく撮れてしまうので少し距離を取っての撮影。

 

 

それでもサイズ感を失ってしまう絵面になってしまいましたが、日本のシギ類では最小クラスで大きさは15cmのほぼスズメ大。

夏羽では赤褐色の印象が強いものの今時期は冬羽に換羽した個体が多く灰褐色の印象を受けます。

 

 

こちらのトウネン、渡りをするシギチのなかでは最もポピュラーな種と言えますが近年は渡来する数が激減。

野鳥の数そのものが全体的に年々減少傾向にありますが、秋田に渡来するシギチの数は異常と思えるほど減り続けておりその理由は何故なのか・・・

淡水域を好む種であれば休耕田が無くなり渡来する場所が無いということで合点のいくところですが、シギチの渡来する海岸については侵食が多少見られる程度。

 

 

私が野鳥観察を始めて以降、大きく変わったと言えば風車が乱立したことが挙げられます。
因果関係について立証できるものがないので憶測になってしまいますが、風車が乱立して以降あからさまに渡来数が減っているので何かしら影響が出ているものと考えざるを得ません。

海岸は年々寂しくなる一方ですが、鳥を目の前にできた時はそんな気持ちを忘れさせてくれます。

猛禽が上空を通過したのか、空を見上げる仕草が可愛らしい。

 

 

次々に護岸から離れ辺りを飛び交う群れを眺めていると群れの一部が足元に飛来し、そのうちの1羽をじっくりと見ていると良いシーンを撮影することができました。

飛び立つ前に翼を大きく開いた瞬間。
フレームから翼がはみ出ることなく偶然撮れた画像です。

 

 

可愛らしいトウネンもこのような姿勢になるとカッコ良く見えます

辺りを飛び交う群れは浜辺に降りると波打ち際で採餌を始めたようでした。
少しずつ移動しながら採餌をしますが、その様子はマイカーと絡めて撮影。

 

 

波が押し寄せる度に浜辺を行ったり来たりする姿は可愛らしく、まるで幼稚園児の運動会を見ているようでした。

そんなシーンは雰囲気を壊さないよう敢えて小さく撮影。

 

 

大きく撮ってしまうと何時、何処で撮影しても全て同じような写真になってしまいます。

其々好みはあると思いますが、余裕があれば大きくも小さくも撮影したいと思う今日この頃。


ほんの数年前まで当たり前だったものが見られなくなり、この先はどのようになるのか想像すると暗澹たる気持ちになってしまいますが、この日は久しぶりに海岸を飛び交う群れを観察することができ充実の一日となりました。

 

 

いつまでもこうした光景が続くことを願って本日の観察日記はここまでにしたいと思います。