メールはこちらから

 

 

X (旧Twitter)はこちらから

 

 

2023年11月13日

 

 

 

本日更新する日記は先月22日の観察分から。

 

前回と前々回、珍鳥との出会いに恵まれた田んぼでの観察。

 

二度あることは三度あるということわざにもある通り、今回も驚くような出会いが待っているかもしれません。

 

時期的に考えてもその可能性は高く、この日も田んぼでの観察を予定していましたが直前になって私を躊躇させたのは伸びきった二番穂。

 

自宅近くに限らず何処の田んぼを見ても二番穂が伸びており、ある程度体長の大きな鳥でもなければ観察は困難でしょう。

 

こうした理由から約3ヶ月継続してきた田んぼでの観察に終止符を打ち、この日は男鹿半島を巡り珍鳥探しをしてみることにしました。

 

 

男鹿半島で珍鳥探しをするにあたって近年参考にしているのは飛島のリアルタイム情報。

 

渡りの時期に毎日更新される先輩のブログですが、同じ日本海側という土地柄もあり渡り鳥の動向を知るうえで貴重な情報源となっています。

 

観察日前夜、最新の情報に目を通すと『ベニヒワとシベリアジュリンが増えた』との文言がありました。

 

 

当日はこの二種を念頭に置き男鹿半島で探鳥を始めると道路脇から飛び立ったのはベニヒワを疑う白っぽい小鳥。

 

「怪しい...」

 

渡りのこの時期、淡色または白く見える鳥は珍鳥の可能性が高く俄に期待が高まりました。

 

更に渡りの珍鳥は飛んでしまっても同じ場所へ戻ってくる傾向にあり、その場に待機すること約10分。

 

 

白っぽい小鳥が単独で飛来。

双眼鏡を覗くと案の定ベニヒワと判明。

 

 

やはり男鹿半島にも入っていたかと思わされましたが、戻ってきたベニヒワはものの1分で飛去。

 

この日は西風が強く小鳥たちも採餌には難儀していたようです。

 

空を見上げると風に煽られながらも南下していく群れが見られ、其々の目的地を目指す夏鳥と冬鳥が混在していました。

 

 

再びベニヒワが戻ってくることを期待していると3羽のベニヒワが付近のブッシュへ飛来。

しかし待てど暮らせど姿を見せずやはり強風が影響していたのかもしれません。

 

そこへ現れたのはシベリアジュリン...ではなくカシラダカ。

 

 

カシラダカには申し訳ありませんが期待値が高かっただけに少々がっかり。

 

ベニヒワもこれくらいの条件で見ることができると良かったのですが、光線の状態が今一つというところでした。

 

 

ここで私は博打に打って出ます。

 

ベニヒワは他の場所にも入っているはず。

待っても出てこないのであれば別の個体を探そうと考え場所を移動することに。

 

飛島の環境に酷似する畑エリアを散策すると驚かされたのは近年希に見る鳥の多さ。

カシラダカの群れの他、ジョウビタキがあちこちで見られました。

 

ジョウビタキにとって畑は餌を探し易い環境だけに杭へ止まる姿を沢山目にしましたが、どうせ撮影するならと秋らしさを表現してみることに。

 

 

これはこれで良かったのですが、柿を前ボケにできていたら傑作と思える写真になっていたことでしょう。

 

地面で採餌するカシラダカとアトリの群れを横目に歩いているとマヒワの群れを発見。

 

 

こちらを観察していると更に規模の大きな群れが畑の奥で採餌しており、双眼鏡を覗いてみたところ群れに混ざるベニヒワが視界に飛び込んできました。

 

ちょうど付近に農機具小屋があったため、建物の陰に回り込み身を隠しての観察です。

 

 

私はこれまでにベニヒワとマヒワの混群を観察した経験がありません。

 

そこで両者を比べてみると差は歴然。

ベニヒワの方が一回り大きく、然程変わらないと思っていた両者の違いをはっきりと見ることができました。

 

 

手持ちの図鑑によるとベニヒワは14cmであるのに対しマヒワは13cmとありますが、たった1cmの差でもここまで印象が異なります。

 

胴回りの太さも違っているため余計その様に感じたのかもしれませんが、こうして比べることができたのは私にとって良い経験となりました。

 

 

ベニヒワを中心に観察しているとアトリも飛来。

 

アトリが巨大に見えます。

 

 

アトリもまた数が多く、久しぶりに冬鳥が多いと感じた休日。

この様な印象を受けたのはいつぶりのことだったでしょうか。

 

当初は珍鳥探しの為に出向いた男鹿半島でしたが、普通種であっても鳥が多いというだけで嬉しさを感じました。

 

肝心のベニヒワは忙しなく採餌を続け、姿が見え隠れすることも多くありましたが最初に見られた個体に比べると観察の内容は雲泥の差です。

 

 

ベニヒワの渡来は年によって変動が激しく全く見られない年も屡々。

 

 

こちらの個体を観察している間にも小規模な群れが上空を通過していたことから今季はベニヒワの当たり年になるのかもしれません。

 

 

一頻り観察を楽しんだところで本来目的としていた珍鳥探しへ。

 

行く先々で目にしたのは50~100羽ほどのマヒワの群れ。

観察に結び付くかは別として、これほど多くのマヒワを見た記憶は久しくありません。

 

ベニヒワが当たり年だとするとマヒワは大当たりの年になるのではないでしょうか。

 

 

なかなかお目当てとする珍鳥が見つからず帰宅を考え始めた頃、やはり目にしたのはマヒワの群れ。

 

停車して様子を伺ってみると道路脇に降りては飛んでを繰り返していました。

 

マヒワが降りる場所にはちょっとした空き地があり観察には持ってこいの状況。

この機会を逃す手はありません。

 

 

ざっと数えても150羽ほどの群れだったでしょうか。

 

こちらの群れは道路脇で採餌をしており、車が通る度に警戒心から飛び立っていたようです。

 

 

何度飛んでも必ず同じ場所へ戻ってくるため観察し放題・撮り放題。

 

イネ科の植物を好むマヒワですが、この時見られたのはコスモスに群れる姿。

 

 

一見して食べるような部分は無いようにも思えましたが、枯れた蕾を抉じ開けるようにして採餌をしていました。

 

花の構成として一体どの部分を食べているのか気になり注視したところ種を取り出して食べていることが判明。

 

 

次に掲載するのはマツヨイグサを啄む場面。

 

 

黄色の花をつけ道端や荒れ地で見られる雑草ですが、この時期はすっかり枯れておりマヒワはこの植物によく群がります。

 

以前の観察ではベニヒワもマツヨイグサに群れる姿が見られました。

 

 

このマツヨイグサについて調べたところ四種類あることが分かりマツヨイグサ・メマツヨイグサ・オオマツヨイグサ・コマツヨイグサに分類されるようです。

 

 

花の直径などで見分けるそうですが、枯れた状態では何であるのかさっぱり判りません。

 

こちらはススキの小穂を啄む場面。

 

 

この様に道路脇にはマヒワの餌となる植物が多く採餌をする姿も三者三様。

 

しかしここは道路脇。

車が通る度に飛び立ちます。

 

必ず同じ場所へ戻って来ていましたが一度だけ農道へ降りる場面がありました。

 

今まで幾度となく地面で採餌する姿を見てきたものの、この規模の群れが農道で見られるのは初めて。

 

 

農道での採餌は然程長続きせず結局元居た場所へ戻ってきましたが、ここからは観察としての撮影から“撮る”楽しみとして撮影した画像を掲載。

 

何度かチャレンジして成功した飛翔シーン。

 

 

今流行りの機材であれば瞳AFが働き容易に撮影できる写真でしょう。

しかしアナログな機材を使用する私はマニュアルの設定でなければこの様な写真を撮ることができません。

 

参考までにこの時の設定はF/5.6 シャッター速度1/600 ISO・800でした。

上手く目にピントが合い、翼の動きも表現できたため個人的には満足の一枚。

 

ススキに止まる姿はこちらが及第点。

 

 

欲を言えばもう少しマヒワを小さく撮影し、ススキの穂を取り込むことができると良かったのですが車内からの撮影ではこれが精一杯。

 

コスモスの花とのコラボを考えたものの、いざ撮影してみるとごちゃごちゃした印象に。

 

 

ファインダーを覗いている時は良い写真になったと思ったのですが、帰宅してから画像を確認するとあまりの出来の悪さに驚愕しました。

 

せっかくの場面を上手に表現できなかったのは残念の一言。

 

 

最後に掲載するのは至近距離から撮影した大きく撮っただけの写真です。

 

 

こちらについてはコメントのしようがありません。

 

この様に観察だけではなく撮影も楽しむことができたマヒワの群れは、全国各地から『今季は当たり年』という声が聞かれます。

 

今後も観察の機会に恵まれると思いますが、何より気になるのはベニヒワの動向。

果たして当たり年となるのか、今季はより丁寧な探鳥を心がけたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。