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2023年11月20日

 

 

 

本日更新の日記は今月3日の観察分から。

 

文化の日は過去の統計上、珍鳥との遭遇率が高く男鹿半島を中心に観察を重ねています。

 

この日は畑の多い地域から探鳥を始めましたが、カラ類が多く見られ非常に賑やかな印象でした。

「フィー フィー」というウソの鳴き声も頻繁に聞こえ、私が目にしたのは亜種アカウソ。

 

 

亜種ウソとは明らかに特徴が異なるものの亜種アカウソは個体差が激しく羽衣の濃淡は様々です。

 

先週更新の記事ではアトリ・マヒワ・ベニヒワの渡来数について触れましたが、このウソも同様に渡来数が多く今季はアトリ科の当たり鳥となるかもしれません。

 

こちらはカラ類のなかでも一際多く見られたヒガラ。

 

 

私の存在など気にする様子もなく、せっせと採餌していました。

 

畑での探鳥は期待するような成果が得られず、場所を変え海沿いの岩場を歩いてみることに。

 

30分ほど歩いてみましたがこれといって気になるような鳥は確認できず...

車へ戻り探鳥場所の移動を考えていたところ飛翔するハギマシコの群れを目撃。

 

強風に煽られ右往左往しているハギマシコは切り立った崖下へ急降下。

 

吸い込まれるように崖下へ降りたハギマシコでしたが、私の立ち位置から見ることはできません。

そこで身を屈めながら歩み寄り崖下を覗いてみると...

 

ハギマシコが目の前に。

 

 

流石にこの距離はびっくり。

 

あまりの近さに一度は身を引っ込めましたが、私が身を乗り出さない限り観察できない状況に頭を抱えました。

 

身を乗り出すことで飛んでしまう恐れよりも、この時は強風の影響を受けて飛んでしまうのではという懸念が勝り、再び身を乗り出し様子を伺ってみることに。

 

 

崖に点在するハギマシコを数えてみると11羽。

各々枯れた植物を啄む様子が見られました。

 

当初の心配を余所に黙々と採餌を続けるハギマシコでしたが、私のことなど気にする余裕が無かったのかもしれません。

 

 

次の目的地を目指すため栄養を蓄えなければならなかったのか、強風のなかやっと見つけた餌場だったのか...

 

個人的な観察例ですが過去の記録を振り返ってみると秋の渡り季に見られるケースが最も多く、真冬に見られたのは片手で数えるほどでした。

 

 

日本には冬鳥として渡来するものの、ほとんどの個体群は秋田県以南の地域で越冬しているようです。

 

手持ちの図鑑によると『太平洋側でよく見られる』とありますが、これは積雪量が関係しているのかもしれません。

 

 

今後温暖化が進み本県も積雪量が少なくなると今以上に見られる日が来るのでしょうか。

 

ハギマシコの群れを観察して10分ほど経った頃、海側から突風が吹き付け一斉に飛び立ち。

 

一瞬にして群れは遠退き「こりゃダメだ」と思っていると旋回するようにこちらへ戻り再び目の前の崖下へ降りました。

 

 

写真だけを見ると派手な色合いをしているようにも感じますが、崖に止まるハギマシコは見た目以上に目立ちません。

 

日陰となる岩場であれば尚のこと、複雑な模様が保護色となり注意深く探さなければ見落としてしまうこともあるでしょう。

 

 

現に岩場を歩いていた約30分の間、見落としていた可能性も大いにあります。

 

今回はたまたま飛翔する姿を目撃したことで観察に至りましたが、タイミング次第では「何も見つけられなかった」と引き返していたかもしれません。

 

 

過去の観察では岩場の窪みに溜まった淡水を利用して水浴びをする場面や丁寧に羽繕いをする姿が見られました。

 

しかしこの日は採餌以外にこれといった行動は見られず。

 

 

これまでに見られなかった場面があればと注視していましたが、ハギマシコの群れはまたしても飛び立ち遥か彼方へ...

 

あっという間に視界から消えて無くなりました。

 

観察歴が長くなるにつれ目的意識も変わり、単に写真を撮るのではなく行動に特化して観察をしたいと考える私にとっては消化不良とも思える内容です。

 

 

悶々とした気持ちのまま車を走らせていると道路脇から2羽の赤い小鳥が飛び立つ姿を目にしました。

 

「オオマシコ!」

 

ベニマシコでもなければイスカでもありません。

特徴的な色合いから直ぐにオオマシコと分かりましたが、飛び立ったオオマシコは幸いにも遠くへ飛ぶことなく50mほど先に降りたことを確認。

 

 

じわじわと車を動かし、先ずは証拠写真の撮影から...

カメラを構えた瞬間、対向車線から勢いよく車が接近。

 

これに驚いたしオオマシコは遠くへ飛んでしまいコンマ数秒の差で証拠写真を撮り損ねてしまいました。

 

この時私の頭からは濛々と湯気が立っていたことでしょう。

 

諦めきれない私は再び戻って来ることを信じ何度も確認地点を往復しましたが残念ながら姿を確認することはできず...

 

 

この後、チフチャフと思わしき鳥を発見するも直ぐに見失ってしまい運に見放されてしまったようにも思えました。

 

何をやってもダメな日はダメ。

こうした事情から男鹿半島を離れ気分転換にと大潟村へ行ってみることに。

 

 

大潟村に着いて早々、目にしたのは田んぼに連なる白い帯。

 

直ぐにハクガンだと分かり観察を始めましたが、大潟村での観察の様子は次週更新の日記へ続きます。