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2023年11月27日

 

 

 

本日更新する日記は前週の続編。

 

前週更新の記事では今月3日の様子を綴りましたが、秋の渡り季ということもあり本来であれば男鹿半島での探鳥が楽しい時期。

 

しかし思ったような成果が得られず気分転換にと足を運んだのは大潟村でした。

ここまでが前週更新した記事の内容です。

 

 

続編の予告としてハクガンの画像を掲載していましたが、大潟村へ着いて直ぐ目にしたのは白い帯のように連なるハクガンの群れ。

 

この時確認できた数はおよそ100羽ほど。

 

 

こちらは先発隊の個体群であったかもしれません。

 

ハクガンの群れを眺め気になったのはアオハクガン存在。

昨季は3羽見られたアオハクガンでしたが、今季も無事に渡来してくれるでしょうか。

 

こちらの群れに混ざっていないか丁寧にチェックしてみたものの残念ながら確認することはできず同時に気になったのは幼鳥の数。

ほとんどの個体が成鳥、または亜成鳥で幼鳥の数が極端に少ないと感じました。

 

鳥インフルの影響によるものなのか、それとも肉食の動物に捕食されたのかと考えているとこちらの群れに接近しつつある別の個体群を目撃。

 

 

おそらく彼らの目に映っていたのは地上に居る仲間たち。

 

距離が近付くにつれ上空を飛ぶ個体群は着陸態勢へ。

 

 

上体を起こすことで空気抵抗を強め減速している様子が見て取れます。

 

 

着陸間際にはホバリングするように羽ばたき、他の個体との距離を微調整しながら群れに合流。

 

 

時に錐揉み状態で降りることもありますが、この航法はガン特有のものでありハクチョウの航法とは大きく異なります。

 

 

合流した個体群にもアオハクガンは混ざっておらず、別の群れを探しに行こうと思ったところ突然の飛び立ち。

 

 

飛び立った群れは徐々に遠退き、この時見られた光景は大潟村でお馴染みのもの。

キラキラと輝いて見え、遠巻きにもハクガンと分かります。

 

 

白い粒状に見えるハクガンと対照的に黒い粒状に見えるのはミヤマガラスの群れ。

 

 

ミヤマガラスは渦を巻くようにして飛ぶため、その特徴的な飛び方から遠くにいても種の同定が可能です。

 

一時は遠退いたハクガンの群れでしたが、元居た場所まで戻って来ると付近の田んぼへ着陸。

 

 

この様子を見届けたところで他の個体群を探しに出かけました。

 

しかし私の探鳥力が乏しく、この日確認できたのは最初に見つけた個体群のみ。

時間を持て余した私はマガンの群れのなかからカリガネを探してみることに。

 

そうは言っても簡単に見つかるはずもなく、結局見つけることができたのは黄色いアイリングを持つマガンでした。

 

 

当ホームページの画像からは分かり辛いかもしれませんが、双眼鏡越しに見るこちらの個体は黄色いアイリングが明瞭。

 

こうした特徴を持つマガンを2羽見つけた後はハクチョウの群れを観察。

 

 

一見優雅に見えるハクチョウも真面目に観察すると悲喜交々。

 

仲睦まじく家族群で行動する個体が見られた傍ら、こちらの2羽は何やら言い争いをしているようでした。

 

 

行動は各々違えどハクチョウの観察は浄化作用があるように感じます。

 

ストレス社会の現代、ちょっとした時間に眺めるだけでも“癒し”をもたらしてくれると思うのは私だけでしょうか。

 

スピリチュアル的なことを語ると『お前、大丈夫か』と心配されてしまいそうですが、疲れている時こそハクチョウの観察はお奨めです。

 

3日の観察はハクチョウを眺めて終わりましたが、続いて5日の観察分から。

 

 

3日から5日迄、ほとんどの方は三連休を過ごされたのではないでしょうか。

私に至っては飛び石連休であったため4日の仕事を挟み5日に観察を行いました。

 

この日も懲りずに男鹿半島で探鳥を始め、朝一番で目にしたのは海沿いの枯れ木に止まる謎の鳥。

 

 

直ぐ傍にはモズも止まっており警戒音を発し威嚇している様子。

 

見慣れぬシルエットに何が止まっているのかと双眼鏡を覗いてみるとアリスイであることが判明しました。

こちらは撮影した画像を拡大したもの。

 

 

時期的に考えて渡りの個体と判断してよいでしょう。

 

数年前にも同時期に同じ場所でアリスイの鳴き声を耳にしており、当時は自分の耳を疑いましたが今回の観察でこの場所を通過していることが裏付けられました。

 

好調な出だしに気分を良くしたものの、その後は空振りの連続。

 

この日は午後から予定が入っていたこともあり、早い段階で男鹿半島の探鳥に見切りをつけハクガンの渡来状況を確認するため大潟村へ移動しました。

 

 

餌場として想定する何ヵ所かのポイントを見て回ると500羽ほどの群れを発見。

 

 

厳冬期には雪景色へ溶け込むハクガンもこの時期は捜索が容易です。

 

遠方からの観察であったため精度としては低くなりましたが、群れのなかにアオハクガンは確認できませんでした。

 

暫く観察を続けるとマガンの飛び立ちからワンテンポ遅れてハクガンも飛び立ち。

 

 

飛び立ちの瞬間は声を発する個体が多いため、個体数が多ければ多いほど五感で感じる観察は迫力を増します。

 

視界いっぱいに広がるこちらの光景。

 

 

私が初めて鹿児島県を訪れた際、ツルの大群に圧倒されましたが鹿児島県の方がガンの大群を見るときっと驚くことでしょう。

 

以前、佐賀県でシギチの観察していると地元の方に声を掛けられガンの話題で盛り上がったことがありました。

 

やはり九州の方にとってガンが飛び交う姿は憧れの光景になるそうです。

 

ハクガンを含むガンの群れは周囲を大きく旋回。

 

 

多少離散したものの、ほとんどの個体は付近の田んぼへ戻ってきました。

 

 

この後は場所を転々としながらハクガンを探しましたが、見つけることができたのは50羽ほどの群れ。

 

しかしこちらの群れにもアオハクガンは混ざっておらず、5日時点でアオハクガンを確認することはできませんでした。

 

どうやらこの日は大潟村へ到着していなかったようです。

こちらは同じ場所で見られたシジュウカラガン。

 

 

5日の観察から3週間経過しましたが、現在は更に数を増やし大潟村で見られる冬鳥も揃い踏み。

 

アオハクガンを含めその他の冬鳥については追々記事にする予定ですが、本日の観察日記はこれにておしまいです。