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2017年1月8日 6/-4℃ 晴れ




今日はとても寒中とは思えないような穏やかな陽気となりました。

ただ快晴ということもあり早朝は放射冷却の影響で冷え込みが強く道路はブラックアイスバーン。

せっかくの快晴ですからいつもと違う観察をしたいと思い今日は県南部の内陸地域へ足を運びました。

 


去年夏、仕事でいつも通ったルートではチゴハヤブサを複数確認していましたがこちらの地域は開けた農地と果樹園が点在し、疎林が所々見られチゴハヤブサが繁殖するのに適した環境が整っていました。

個人的な見解ですがチゴハヤブサが繁殖する環境とトラフズクが繁殖する環境は似ていると思い、いつか機会があればこちらの地域でトラフズクの生息調査を行ってみたいと考えていました。

ハヤブサの仲間であるチゴハヤブサもフクロウの仲間であるトラフズクもカラスの古巣を利用して繁殖しますが、繁殖場所に選ばれるのは神社や屋敷回りにある杉林など。


これを踏まえて先ずはペリット探し。

チゴハヤブサを多く確認した場所を重点的に何ヵ所か探して回ったところペリットを発見。

 

 

杉の木の下に落ちているネコの糞のような黒い物体、これがトラフズクが吐き出したペリット。

トラフズクは主に小型の哺乳類を捕食しますが、消化しきれない骨や毛などを吐き出します。
前回観察したヤマセミもペリットを吐き出しますが、ヤマセミは魚を捕食するので吐き出すものは骨や鱗など鳥によって形態は様々。


ペリットを見つけることができたのであとは姿の確認。

運良く観察しやすい場所に止まっていました。

 

 

肉眼の見た目に近付けるため広角レンズで撮影。
体の模様が巧く自然に溶け込んでいます。

余程注意深く見て回らないと気付かれることはないでしょう。
こんな模様ですから闇雲に探して回るよりペリットを探した方が早いという訳です。

 


今度は望遠レンズで撮影。

 

 

この写真だけを見ると大きく見えるかもしれませんが、体長は38cmということで図鑑上ではヤマセミと同じサイズです。

夜行性なので日中は寝ていることがほとんどですが、この時はこちらが気になるようでオレンジ色の目を見ることができました。


ここで足元に落ちているペリットの調査。

 

 

落ちているなかで一番大きなものと空缶でサイズを比べてみるとこのようになりますが、見た目も大きさも本当にネコの糞に似ています。


こちらを以前観察した時と同様に分解してみました。

かなり凝縮された感じで毛が絡み付き、丁寧に解すと出てきたのは頭蓋骨を含め細かい骨がいっぱい。

 

 

おそらくネズミだと思われますがこれが一匹分のようです。


さて話を戻してトラフズクが変わった行動をしないか観察を続けていると、付近から交通事故が遭ったような大きな物音がきこえました。

ビックリしたのかこの表情。

 

 

こんなに目を見開いたのは初めて見ました。
目を瞑って寝ている姿はトトロにそっくりですが、警戒することで体が細くなったりと感情で見た目の変化が見られます。

しばらく見ていたもののやはり眠たいのかたまに目を開くくらいで特別な動きは無し。
一度飛んでるところを見てみたいものですがコミミズクと違ってなかなか難しいようです。

何はともあれこちらの地域でも生息が確認できたので今後トラフズクの繁殖~チゴハヤブサの繁殖が観察できるかもしれません。


今日はトラフズクの調査後に別の鳥を観察したので日記は二部構成となります。
後編は明日更新する予定です。

取り合えずトラフズク調査の前編はここまで。