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2018年7月28・29日 ① 34/26℃ 曇り時々晴れ




今回は先週に引き続きショウドウツバメの観察から。

青空を期待して再び足を運んでみましたが、蓋を開けてみると思いのほか雲の多い空模様。

お天気はイマイチだったもののショウドウツバメの渡りは順調なようで4000~5000羽くらいの数に増えていました。


こうも数が多くなるとどれを観察しようか・・・
ふと見ると大きな羽毛を咥えたショウドウツバメが目に付きました。

何をしているのか気になり注視していると、他にも羽毛を咥えている個体が見られ羽毛を奪い合うような行動も見られました。

 

 

嘴からこぼれ落ちた羽毛を狙って後を追い回す者も見られ初めて観察する行動に釘付け。

一体この羽毛はショウドウツバメにとってどんな意味を持つのでしょうか。

 

 

暫く観察を続けましたが理由となるような答えは見つからず。

 


一頻りショウドウツバメを観察したところで場所を移動。
次に観察するのはコシアカツバメ。

4月下旬の渡来当初には巣材を集める様子を観察していましたがその後どうしているか様子を見てみると・・・

 

 

巣という巣が全てスズメに乗っ取られていました。

自然の摂理で仕方ないこととはいえ、あまりにも厳しい現実。
秋田では希少種のコシアカツバメを3年前に発見以降、こちらで毎年観察を続けていましたが遂に繁殖が途絶えてしまいました。

ここでの観察は諦め別の営巣場所に移動してみると・・・

朽ち果てた巣が多く、スズメに占拠された形跡も見られこちらも全滅。

 

 

唯一原型を保っていた巣も出入口から藁がはみ出ておりスズメが使用しているようです。

しかしこちらの周囲では成鳥が少数飛び交っていたので様子を見ていると崩れた巣に入る姿が見られました。

 

 

巣を補修する気配は見られません。

単に羽を休めているだけなのでしょうか。
予定では巣を出入りしたり巣を補修する姿を動画で撮影するはずでしたが、仕方なしにこの様子を動画で記録。

 

 

現在のことろ今年は未だ繁殖できていないようです。

正に想定外の展開。
飛翔している姿を少しだけ撮影をして今日の観察を終えようと思った瞬間、別の崩れた巣に飛び込み一瞬で戻ってくるコシアカツバメが目に入りました。

 


一体何をしているんだろうと思い、巣をよく見てみると・・・

 

 


雛の顔が!

 

 

想定外の出来事に一瞬スズメの雛かと思いましたがツバメの雛と瓜二つ。

コシアカツバメは別名トックリツバメと呼ばれることがあり、その呼び名の通り徳利状の巣を作るので通常は育雛の様子を見ることができません。


 驚きつつも取り合えず給餌の様子を撮影。

 

雛の姿を一般的に見られるツバメと比べてみると孵化から11日~12日目といったところ。

ここでふと思い浮かんだのは動画を撮影した個体は羽を休めていたのではなく抱卵していたのでは?ということ。

徳利状に巣を作ることでスズメに乗っ取られることから敢えて徳利状にせず、普通のツバメと同じような形状にしたのでしょうか?

陳腐な推理に思われて当然ですが、この推理の裏付けとなるある部分に着目しました。
それは巣の縁の部分。

 

 

崩れた巣であれば断面がボサボサになるはずですが、こちらの巣はどう見ても巣材の盛り付けを敢えてここで止めているように見えます。

他の地域のコシアカツバメもこのような形状の巣で繁殖しているものなのか?

もし乗っ取り対策でこのように巣の形状を変えたのであれば凄いことだと思います。
単純に子孫を残す為に命のリレーをしているのではなく、環境に応じて行動を変えていると思うと驚きを隠しきれません。


現時点で何故このような形で繁殖しているのか判りませんが、お陰で育雛の様子をしっかりと観察できそうです。

雛の特徴を観察できたのも収穫の一つ。
フンを外に排泄する為に後ろ姿になったことで、腰の赤い羽が伸長中であることを確認。

 

 

今日は曇っている時間が長かったことと巣は少し奥まった場所にあるため、撮影するにも条件としては厳しく日を改めて観察することにしました。


翌日の日曜日は思いもよらない出来事が・・・

後日更新の日記へ続きます。