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2022年11月23日

 

 

 

本日更新する日記は旅先の思い出を綴る観察旅行記。

 

旅の目的地は今年3度目の訪問となる石垣島。

 

今回は常連のお客さんと一緒に観察旅行を計画しましたが、旅行を目前に控え週間天気予報を確認してみると連日の雨予報。

 

まるで雨雲を連れて行くかの如く、私の石垣島入りに合わせて強雨が予想されていました。

 

22日の夜に秋田を離れ、23日は羽田始発の便で石垣島を目指しましたが...

 

 

石垣島へ間もなく着陸といった頃、外の様子を見てみると予報通りの土砂降り。

 

 

綺麗に見えるはずの景色も悪天候によりほぼ何も見えず。

 

雨男が行く石垣島の観察旅行。

先が思いやられる始まりとなりましたが一体どうなることやら。

 

 

2022年 野鳥観察の旅 in 石垣島 ① (冬)

 

 

空港へ到着してから一旦お客さんの宿泊先へ。

前日入りをしていたお客さんと合流し、雨が落ち着くまで昼食を頂きながら暫く待機することに。

 

お話を伺ったところ朝までは青空の見える良いお天気だったそうです。

やはり天候の急変は雨男のエネルギーによるものなのでしょうか...

 

私が到着するまでの間、最寄りの公園ではヤエヤマシロガシラ・シマアカモズ・カラムクドリを観察できたとのこと。

加えてヤエヤマオオコウモリも観察できたそうで初めての石垣島を楽しまれていたようでした。

 

 

14時を過ぎた頃、ようやく雨も落ち着きを見せ始め様子見がてら市街地周辺で探鳥開始。

 

今回も地元の友人が沢山の情報を提供してくださり、始めに足を運んだのはオニアジサシが見られていたという河口。

 

残念ながらチドリ類が数羽確認できた程度でオニアジサシの姿はありませんでしたが、未だ夏羽のメダイチドリを見ることが出来ました。

 

 

次に足を運んだのは市街地から最寄りの休耕田エリア。

バードウォッチャーであれば誰しも訪れるホットスポットです。

 

着いて直ぐ目にしたのは点在するセイタカシギ。

 

 

数の多さだけではなく、対峙する距離の近さにお客さんは驚いた様子。

 

この距離の近さこそ石垣島の特徴と云っても過言ではないでしょう。

鳥との距離感は本州と全く異なります。

 

セイタカシギの他、アオアシシギやタカブシギが見られ、珍しい種が混ざっていないか見て回ると草むらから伸びるムラサキサギの顔を目にしました。

 

「ほら、あそこに居る」

 

『あそこって何処...』

 

お客さんとこの様なやり取りを続け、発見当初は観察が難しかったものの暫く様子を見ていたところムラサキサギは開けた場所へ移動。

 

 

獰猛な生態と聞きますが美しいサギだと思います。

 

条件良く観察できた一方、天候は再び悪化。

 

 

窓を開けることが厳しいと思える場面もあり思うように観察することができません。

 

スコールのような降り方に暫く待機を余儀なくされましたが、この場に留まるよりなら移動時間に被せることが得策と考えクロヅルが長期滞在しているという地点へ移動してみることに。

 

 

そちらへ到着して間もなく視界に入ったのはぞろぞろと群れを成して移動するインドクジャクたち。

 

そのうちの1羽はアルビノの個体でお客さんに撮影してもらっていたところ反対側の田んぼには当たり前のようにクロヅルが佇んでいました。

 

 

何を思って石垣島へやって来たのか。

 

ツルと云えば鹿児島県のツル飛来地を連想しますが、今季は鳥インフルエンザが猛威を奮い連日のようにツルたちが落鳥しているそうです。

 

そういった案件を考えると石垣島でのんびり過ごすことが安全だろうと思い耽けながらクロヅルを眺めていました。

 

 

日が長いはずの石垣島も降り止まない雨の影響で薄暗い状態となり、この日の観察を終えようとしたところ電柱に止まるサシバを目撃。

 

 

今時期は本州で見ることのできないサシバをこうして見られることに嬉しさを感じましたが、やはり降雨の影響から思うように観察することが出来ませんでした。

 

この日の観察はここまでとして宿泊先へ戻り天気予報を確認してみたところ残念ながら雨予報は変わっておらず...

 

暗澹たる思いでしたが、この日の夜は美味しいお料理を頂いて気分をリフレッシュ。

 

 

お腹いっぱいご馳走になり翌日の観察に備えました。

 

 

2022年11月24日

 

 

日程2日目。

 

懸念していた強い雨は何とか回避することができ曇り空の朝を迎えました。

 

朝一番で足を運んだのは前日もチェックしたオニアジサシが見られていたという河口。

しかし満潮時刻だった為か前日とは様子が異なりオニアジサシどころかシギチの姿すら見られず。

 

しかしこの日は白色型のクロサギを間近で観察することが出来ました。

 

 

まるでモデルのような立ち振舞い。

 

羽色は白いものの嘴や足の特徴は普段見るクロサギと同様です。

その様な特徴を間近で観察することができ、お客さんにとっても収穫だったことでしょう。

 

 

クロサギを観察した後は市街地の公園へ。

 

時期的にギンムクドリも居るはずだと考え周辺をウロウロしてみましたが、ギンムクドリどころかカラムクドリも見られず。

 

電線に止まるヤエヤマシロガシラは当たり前に見られますが、樹木に止まり空抜けではない状態での撮影は難易度が高めでした。

 

 

併せてヤエヤマオオコウモリも観察しましたが、1本の木に8頭も確認できたことには驚き。

 

 

公園での探鳥を終えた後は市街地から最寄りの休耕田エリアへ。

 

前日と鳥相はほぼ変わりなく、目新しかったのはツルシギ。

 

 

更にはオシドリ。

 

 

石垣島でオシドリを確認できたのは初めてのことでしたが、石垣島としては珍鳥のコハクチョウの姿も見られました。

 

 

次に足運んだのは前回の石垣島旅行でカリガネを見ることができた休耕田。

友人の情報によるとそちらの田んぼでは長期滞在中のハイイロガンが見られるとのことで観察が実現すると私にとっては初見となります。

 

慎重に農道を進み様子を伺ったところ...

 

 

「本当に居た」

 

 

淡い羽色がとても上品。

 

初見の嬉しさと同時に疑問に思うのは「何故こんなにも南の地域に国内では見ることの難しいガンが集まるのか」という点。

 

 

以前観察できたカリガネも同様ですが国内へ渡来するガンの総数に対してこの類いの珍種はほんの僅か。

 

それが何故石垣島へ渡ってくるのか不思議でなりません。

 

 

本来生息すべき環境を考えると石垣島の気候は暑過ぎるでしょう。

 

その様なことを考えていると水を飲む姿が見られました。

 

 

一度だけではなく二度、三度と水を飲む様子が見られ、やはりガンにとっては暑過ぎると感じているのかもしれません。

 

水を飲むと畦へ上り休息に入ったことから私たちは観察場所を移動しカンムリワシを探すことに。

 

移動を始め15分ほど経った頃、電線に止まるカンムリワシを発見。

しかし交通量の多い場所であったことから残念ながら観察には至らず。

 

落ち着いて観察できる場所へ移動しなければと交通量の少ない地域へ移動したところ石垣牛をついて回るアマサギが見られました。

 

 

牧草を食べる牛のそばに居ると餌が採り易いのでしょう。

こうした光景は石垣島のそこかしこで見られます。

 

 

なかなかカンムリワシが見つからず市街地へ戻ろうとしたところ、車道へ迫り出した樹木の枝にカンムリワシが止まっていたように思えました。

 

気になり車を後退させるとカンムリワシが目の前に。

しかし車の位置取りが難しく私は観察出来そうにもなかったことからお客さん優先で観察して頂きました。

 

嘗てないほどの良いシチュエーションを羨ましく思いましたが、カンムリワシが移動したタイミングで私も観察。

 

 

良い出会いに恵まれたところで一旦市街地へ戻り昼食タイムです。

 

この日のお昼は八重山そばとジーマミー豆腐を頂きました。

 

 

実は朝食でも八重山そばを食べていたのでこの日2杯目。

 

休憩を挟んだところで久しく足を運んでいなかった休耕田エリアへ行ってみるとヘラサギを発見。

 

こちらはじっくりと観察。

 

 

独特な採餌を眺めていると至近距離まで近寄ってくる場面もあり図鑑写真を量産。

 

 

またこちらの休耕田ではカンムリワシとの出会いに恵まれましたが、このタイミングで雨の降り方が強まり車内はおろかカメラもずぶ濡れに。

 

撮影には難儀させられましたが肉眼で観察できるほど近距離だったことは良い点でした。

こちらはその際にスマホで撮影したもの。

 

 

同じ場所から望遠レンズで撮影すると...

 

 

正真正銘の図鑑写真。

 

雨の降りしきるなか餌を探していたカンムリワシでしたが、飛翔写真をチェックしたところ私にとって初めて観察したカンムリワシと同個体であることが判明。

 

決め手は右脚に装着された足環でした。

 

 

考えてみると初めてカンムリワシを観察した場所はこちらの休耕田エリア。

おそらくこの周辺を縄張りとしている個体なのでしょう。

 

雨は一向に止む気配を見せずカンムリワシの観察はここまで。

 

 

降雨が続く合間に移動を続け、トイレ休憩に立ち寄ったのは前回の旅行でツメナガセキレイを多数確認した公共施設。

 

既に渡りの季節も終わりツメナガセキレイは見られないと思っていましたが...

 

 

まだ沢山のツメナガセキレイが見られました。

 

そのうちの1羽を撮影し画像を拡大してみると和名の由来となる長い爪が。

 

 

以前この付近ではズグロミゾゴイの亜成鳥も見られたことから「こんな場所でも普通に見られる」とお客さんに説明していたところ直ぐそばにズグロミゾゴイの姿が。

 

話を盛っている訳ではなく説明して10秒も経たない出来事です。

 

 

羽の特徴から前回の旅行で見た個体と同個体と判断。

 

丁度ミミズを捕食するところを目撃し、腰を据えて観察しようと思いましたが...

 

「歩き方がおかしい」

 

 

歩く際に左足の動かし方がぎこちなく、約1ヶ月の間に負傷していたようです。

 

前回はいつ見ても車通りの多い車道脇で採餌をしていたことから事故に遭わないかと心配していたのですが...

 

実際のところ負傷の原因は定かではありませんが再会の嬉しさから急転直下、居たたまれない気持ちに。

 

 

しかしズグロミゾゴイは食欲旺盛といった様子であったことが救いの点でした。

 

 

ズグロミゾゴイの観察を終えて時刻を確認してみると間もなく17時といった頃。

この日の観察はここまでとして宿泊先へ。

 

 

日程3日目はカタグロトビを探して島内を巡回しましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。