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2022年11月7日

 

 

 

本日更新する日記は先月16日の観察分から。

 

季節外れの寒気に包まれたこの週末、秋田市上空をコハクチョウの群れが南下するようになり季節の移ろいを感じました。

 

 

こうした様子からも渡りが本格化する頃と睨み、この日は恒例となっている珍鳥探しへ。

 

何処にどの様な出会いが転がっているか分からないこの時期、目にする鳥は可能な限りチェックして回ります。

 

Stop&Goを繰り返していると遠巻きに確認できたのはコウノトリ。

 

 

暫く前に秋田市でも確認されていたようですが、県北部の能代市へ移動すると他の個体と合流したとの噂を風の便りに聞いていました。

 

今回私が目にした個体はそのうちの1羽であるかもしれません。

 

 

稲刈りの終わった田んぼを闊歩し餌を探しているようでしたが、その様子を眺めているとコハクチョウの鳴き声が。

 

空を見上げると続々と渡って来る群れの姿を見ることができました。

 

 

同時に見られたのは群れを成して飛翔するヒヨドリたち。

 

ヒヨドリもまた季節の進みを感じ取り南下する途中なのでしょう。

 

 

こうした様子を眺めていると採餌をしていたはずのコウノトリがいつの間にか居ない...

 

 

「どさ行った」

 

周囲を見渡すと旋回するように飛翔するコウノトリが視界に入りその様子を即座に撮影。

 

 

コウノトリが採餌をしていた直ぐそばには軽トラが一台。

たまたま通り掛かった農家さんがコウノトリに気付き停車したのかもしれません。

 

流石にこの大きさとあってコウノトリと分からなくとも『見たことの無い鳥が居る』と思い車を停めたのではないでしょうか。

 

 

コウノトリは付近の水辺へ降りると置物のように動かずじっとしたまま。

 

 

この時、足環をしっかりと見ることができ右足【赤・黄】左足【赤・赤】を確認。

 

足環を基に調べてみたところ、こちらの個体は兵庫県豊岡市で生まれ今年2歳の個体のようです。

 

近年は本県においても相次いで確認されていますが、移動を繰り返す個体は本能によるものなのでしょうか。

 

餌が豊富な環境を見つけることができれば移動する必要は無いと思うだけに気になるところ。

 

 

暫く動きの無い時間が続いたことから本来目的としていた渡り鳥を探す為この場を後にしようと考えたところ、餌となる生き物を見つけたのか急に動きが活発化しました。

 

 

水面を突っつくような動作を繰り返し何かを捕らえましたが、この時点では分からず。

 

 

捕らえた獲物を落としたり咥え直したりを繰り返します。

 

 

双眼鏡を使用しても獲物の正体が不明であったことから撮影した画像を拡大してみると獲物はカニであることが判明。

 

しかしハサミや足が見当たりません。

 

 

撮影した画像を遡る形で確認してみたところ、カニを捕らえた当初の画像には原型を留めるカニの姿がありました。

 

一連の流れを振り返って分かったことは何度も咥え直すことでハサミや足をもぎ取っていたようです。

 

こちらの個体にとってカニのハサミや足は余分な部分だったのでしょう。

 

 

胴体だけになると丸飲みするコウノトリ。

人間目線で考えると腹の足しにもならないような...

 

 

しかし小さなカニでも満足できたのか、コウノトリの動きはゆったりとしたものとなり丁寧に羽繕いを始めました。

 

 

「羽繕いを終えた後は伸びを見せるはず」

 

重い機材を構え腕を震わせながらその瞬間を待っていると...

 

 

思い出したように辺りをウロウロ。

 

「やらんのかい」

 

予想外の行動にカメラを持ち直すと突然の大あくび。

 

 

何とか撮影が間に合いました。

 

口を開いた瞬間はクラッタリングをするのかと思いましたが特に嘴を鳴らすような行動は見られず。

 

程なくすると水面を蹴るように走り始め飛び立ちの瞬間。

こちらはひたすら連写。

 

 

「あれ...」

 

 

「飛ばんのかい」

 

 

周囲に居るサギたちを威嚇したのか、気紛れの行動だったのか知る由もありませんが飛翔に向けての助走ではなかったようです。

 

その後のコウノトリはのんびりとした様子。

 

 

思いがけずコウノトリを観察しましたが、渡り鳥を探すことを目的としていた私はのんびりとしていられません。

 

 

ここでコウノトリの観察に区切りをつけて海岸をチェックしてみるとミヤコドリが単独で採餌をしていました。

 

 

その昔は群れで見られましたが近年は単独の確認が多いように思います。

 

 

時期外れに観察されることもあり比較的長期間滞在することも。

 

以前は日毎に場所を移動するという印象を持っていたのですが、これもまた年々変化しているようです。

これもまた気候変動による影響なのでしょうか。

 

 

ミヤコドリの観察は程々に渡り鳥の探鳥を再開。

 

しかし待っていたのは空振りの連続という残念な結果でした。

この日はムジセッカの地鳴きをあちこちで確認していただけに悔しさが募ります。

 

期待するような鳥とは出会えなかったものの、思うようにいかないことも野鳥観察の醍醐味と言えるかもしれません。

 

今回の結果にめげることなく今後も目を凝らし探鳥を続けたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。