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2017年7月4日 24/20℃ 曇り時々雨




今日は継続的に観察してきたコアジサシの観察記録です。
今年は5月に入って間もなく去年観察を行った川の中洲で10羽の姿を確認しました。

「今年も来てしまったか」

本来であれば喜ぶべきことなのですが、渡来した中洲はちょっとした増水で冠水どころか水没してしまう場所。

 

 

去年は親鳥が雛に一生懸命餌を運んでいる様子を見ることができましたが、まだ飛べるまで成長できないところに度重なる大雨が続き雛は全て流されてしまいました。

コアジサシは日本に夏鳥として渡来し繁殖をしますが、全国的に見ても繁殖場所の悪化で渡来数が減りつつあるようです。

秋田県でも繁殖が確認されている場所は僅かだけに安心して繁殖ができる場所へ行って欲しかったのですが・・・
これが手放しで喜べない理由です。


渡来を確認して少し経つと遠くで何度もダイブを繰返し魚を捕る姿を目にしました。

その時の画像を拡大。

 

 

こちらの魚は♀へのプレゼント、求愛の為の給餌です。

5月下旬、カップルが成立し繁殖に向けて準備が整い抱卵開始。
間もなくして秋田では梅雨入りしたかのような大雨、川は一気に増水して卵は全て流されてしまいました。

これを機にコアジサシは姿を消しましたが6月中旬頃、何気なく中洲の様子を見てみると6羽のコアジサシを確認。
数は減ったもののコアジサシたちが戻ってきていました。

ホバリングをして魚を狙っている様子。

 

 

 

辺りを飛び交い時々至近距離を通過していきます。

 

 

再び姿を確認してから観察を継続するとまた繁殖の準備に入ったことが判明。

中洲の近くで羽を休める個体。
画像を拡大すると近くでハクセキレイも羽を休めていました。

 

 

この画像を見て分かる通り、コアジサシはサイズ的にかなり小さいので割りと見落とされているケースもあるかもしれません。

私自身この場所で観察をしていても少し距離が離れたり光の加減で直ぐに姿を見失ってしまいます。


太平洋高気圧の勢力が弱く梅雨前線が日本の南岸で停滞していたことで秋田は好天が続いていましたが、7月に入り梅雨前線が北上。

そして昨日、遂に梅雨前線が秋田付近に停滞。
大雨・洪水警報が発令されるほどの降雨で川は一気に増水。

夕方の時点で中洲は冠水を始め、今朝様子を見てみると完全に水没していました。

 

 

中洲の上空をコアジサシたちが鳴きながらグルグルと飛んでいて、私には悲痛な鳴き声に聞こえます。

流されてきたゴミを拡大してみるとクロハラアジサシの姿も。

 

 

この場所の上流側では例年この時期になるとクロハラアジサシが姿を見せるので、上流側もかなり増水しているのでしょう。


今年も同じ場所に渡来したコアジサシ、時期的に繁殖することはありません。
来年は安全な場所を選び無事に繁殖してくれるとよいのですが・・・

悲しい結果になってしまいましたが、今年のコアジサシの観察は本日をもって終了です。