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2020年 総集編

 

 

2020年12月31日

 

 



早いもので今年も残すところあと僅かとなりました。

今年一年を振り返ってみると世界中の人々が新型コロナウイルス感染症に翻弄された一年だったと思います。

中国を発端として世界的に蔓延する未知のウイルスに怯え、今まで当たり前だったものが当たり前ではなくなり生活様式が一変しました。
コロナ禍で求められる新しい生活様式に誰しもが疲弊した一年だったのではないでしょうか。

現在は海外でワクチンの接種が始まったようですが、感染者数は今後どのようにして推移していくのか・・・
一日も早く元の生活に戻れることを願うばかりです。


観察に至っては秋田という土地柄、特に窮屈な思いをすることもなく一年を通して様々な野鳥を見ることができました。

朧気な目標として掲げていた県内観察種300種も達成することができましたし、過去の観察よりも一歩踏み込んだ形で観察をすることができたと思います。
これも全て皆様方より多くの支援や情報を頂けたお陰によるものです、本当にありがとうございました。

年の終わりは各月毎に印象に残った一枚をピックアップして今年一年を振り返ってみたいと思います。


1月 【 レンジャクの群れ 】

 

今年はレンジャクの当たり年でした。
秋田ではキレンジャクの方が圧倒的に多く見られますが、日に日に個体数が増え自宅近くでもあちこちで群れが見られるようになり、一時は住宅街に500羽以上集結し街路樹は丸裸に。
当たり年中の当たり年とも言われましたが、今後の渡来がどのようになるか注目です。


2月 【 ガンの群れ 】

 

ガイド中にお客様と一緒に見ることができた圧巻のシーン。
ハクガン・シジュウカラガン・マガン・ヒシクイの混群が一斉に飛び立ち塒立ちを思わせるような場面に遭遇しました。
暖冬と言われた雪の少ない冬でしたが、ちょうどこの頃に寒波が襲来し、お客様には雪国らしい光景を楽しめて頂けたものと思います


3月 【 クマタカ 】

 

念願叶って見ることができた枯木に止まる姿。
それまでは遠巻きに止まる姿だったり、近くで見ることができても人工物に止まる姿でなかなかこのようなシーンに巡りあうことができずにいました。
この時は至近距離で観察する時間もあり、肉眼でも細部まではっきりと見ることができましたが威風堂々とした姿は今でもはっきりと目に焼き付いています。


4月 【 ヤマシギ 】

 

しつこいくらい毎晩のように観察をしました。
夜な夜な林道を徘徊しただけではなく、行動パターンを割り出す為に夕方からずっと張り込みを続けたりと、ヤマシギの観察には多くの時間を費やしたと思います。
その割にこれといったデータを集めることができず多くの課題を残す結果となりました。

 


5月 【 ハリオシギ 】

 

道端で見つけた非タシギ。
こちらの個体は警戒するもなく採餌、羽繕い、伸びの姿などじっくりと観察することができました。
今までそれらしき個体は目にしていても確信に触れるような画像を残せずにいましたが、この時はハリオシギと同定できる外側尾羽も見ることができ、この個体との出会いは今後ジシギを観察する上でも良い経験になったと思います。

 


6月【 コアジサシ 】

 

秋田県には少数が渡来するコアジサシ。
渡来を確認する度に今年こそはと願いますが、その願いも虚しく今年も巣立ちを見届けることは叶いませんでした。
出来ることなら安全に繁殖できる場所を整備してあげたいと何時も思いますが、何もしてあげることのできない自分に歯痒さを覚えます。

 


7月【 ヨタカ 】

 

毎年観察しているヨタカですが、夜の行動パターンはある程度把握できても日中は何処で羽を休め、何処で繁殖しているのか不明のまま。
いつか日中に姿を見てみたいと思っていますが、一体いつになることやら。
こちらの個体の渡来が続く限り夜の観察は容易ですが、来年からは別個体を探しじっくりと観察ができればと思います。

 


8月 【 クロサギ 】

 

過去の記録を振り返ると鉛色の空に濁った海を背景に見ていたクロサギでしたが、初めて青い海を背景に観察することができました。
晴天猛暑の中、滴る汗を拭いながら観察しましたが今年の夏は本当に暑さの厳しい夏だったと思います。
温暖化が急速に進み、この先も更に暑くなるかと思うと生態系への影響も気掛かりです。

 


9月 【 マキノセンニュウ 】

 

この月は良い出会いに恵まれた1ヶ月でした。
情報を頂きオオヨシゴイを観察しているとシマセンニュウが現れ、正に棚から牡丹餅。
秋田的珍鳥のコオバシギも初めて見ることができましたが、鳥運の良さは更に続きジシギ探しをしているとマキノセンニュウの幼鳥を複数発見。
この発見により、渡り期のセンニュウ類は稲の中に潜んでいることが裏付けられました。

 


10月 【 ツメナガホオジロ 】

 

男鹿半島での探鳥は期待するような成果を得られずにいましたが、自宅近くで思わぬ出会いに恵まれました。

自宅近くは渡り鳥のルート下にあるとは言え、探鳥を行うにはポイントが絞りきれないことから毎度のように男鹿半島に足を運んでいましたが、やはり渡りの時期は思いもしない場所に出会いが転がっていることを実感。

この種を田んぼで見るのは初めてということもあり、嬉しさと同時に偏った既成概念を取り外さなくてはと思わされました。

 

 

11月 【 ハヤブサ 】

 

崖の上で渡り鳥を待ち構える狩人。
虎視眈々と目を光らせ、狙いを定め繰り返し襲い掛かる姿を長時間観察していました。

近場に居る鳥には目もくれず渡り鳥だけを狙う行動に、移動で疲れていることを見定めて襲っているのではと思わされるほど。
水面ギリギリを低空飛行する姿にも狩人としての知性を感じる観察になりました。

 

 

12月 【 オオワシ 】

 

今年も締め括りとなる鳥はオオワシになりました。

一体彼は何処からやって来るのか分かりませんが毎年秋田に来てくれることに喜びを感じます。

 

彼を観察するようになり随分と長くなりましたが、年々変わりゆく環境に不安を覚えることも多く今は彼の身を案じるばかり。

いつまでも元気な姿を見ることができるよう環境の保全について深く考えさせられます。

 

 

 

足早に一年を振り返ってみましたが、過去の記録と照らし合わせてみても印象に残るものはどちらかというと普通種が多くなりました。
少し前までは珍鳥との出会いをピックアップすることが多く、その点を鑑みても今年は自分の中で一歩前進した結果が現れているのかもしれません。

珍鳥との出会いは刺激にもなりますし特別な嬉しさはありますが、身近な鳥も一歩踏み込むことで新たな発見があったりと、普通種をしっかりと観察することで予期せぬ出会いを物にできることでしょう。

 


観察眼を鍛えるには先ずは普通種をしっかりと観察しなくてはなりません。

私の観察はワンパターン化し手薄になっている種が多く存在しているため、来年はこの部分を補えるよう基本に立ち返り1からやり直そうという計画を立てました。

計画通りに観察が進むとは思えませんが、また違った意味で一歩前進することができたらと思っています。

終わりになりますが、皆様には今年一年大変お世話になりました。
来る年も皆様に多くの幸せが訪れることをお祈り申し上げます。


それでは良いお年を・・・