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2020年4月12日 12/4℃ 雨のち晴れ




春の珍鳥まつり第5弾。

前日は早朝から夜まで観察を続けたことから、この日は動き回らず自宅近くで観察をすることに。

先ずは満開になった梅林に足を運んでこの時期定番のウメジロを撮影。
梅の蜜を吸引するメジロですが、この場所で見られる個体群は警戒心が強く人の気配を感じると直ぐに飛び去ってしまいます。

公園など人の多い場所で見られる個体群は観察が容易ですが、コロナ問題を鑑みると人の少ない場所を選ぶ必要があり観察場所に悩む今日この頃。

 

 

時間の経過と共に花見に訪れる方が増えてくることが予想されたため、里山に移動してサシバの渡来状況を確認してみることにしました。

道路沿いで今季初確認。

 

 

こちらの地域で見られるサシバは年々個体数が減ってきているように思います。
環境が大きく変わったということはないので気候の変動によるものなのかもしれません。

水辺に移動してみるとミソサザイが小さな体で大きな声を響かせていました。

 

 

じっくりと腰を据えて観察したかったのですが、この頃から雨足が強まりやむを得ず撤収。

前日から観察らしい観察ができず単に撮影をしているだけの時間が続きストレスが溜まる一方。
この後の時間の使い方に悩み、いつもの御仁はどうしているのかと連絡してみたところ『朝からヤツガシラ三昧です』との返信がありました。

 


悩んだ挙げ句、結局この日も男鹿半島へ・・・

現地に到着するまでの間、キンコンキンコン鳴り続く御仁からのLINE着信音。
この人は嫌がらせをしてるのだろうかと疑問に思うほどでした。

 

 

ちょっと付き合い方を考えよう。

現地に到着して「さて、これから!」といった瞬間、飛び去るヤツガシラ。
どうして私はこんなにもタイミングが悪いのか。

 


暫く待ってみましたが戻ってくる気配が感じられません。
そのため御仁と二手に分かれて捜索に出てみたところ、赤っぽい小鳥が地面から飛び立つ姿を目にしました。

ベニマシコかと思いましたが、飛び立った小鳥は遠くへ行くことはなく高い場所に止まる姿を目で追えたので確認してみると正体はベニヒワと判明。

樹上で伸びをしています。

 

 

御仁に連絡をしてベニヒワの様子を見ているとベニヒワは私の方へ飛来。

何の躊躇もなく飛んで来ることに少々驚かされました。

 

 

御仁が到着すると警戒する様子が見られ、ここで分かったのはこの個体は車を警戒するということ。

通常とは逆パターン。
野鳥を観察するにあたって一番警戒させてしまうのは剥き出しの身での観察ですが、こちらの個体は人間を恐れる素振りを見せませんでした。

 

 

様々な説がありますが剥き出しの身で観察するよりも可能な限り車内から観察する方が圧倒的に良い観察をすることができます。

勿論場所によっては不可能なステージもあるのでその場合は臨機応変となりますが、この時は車内からの観察が可能な場所だったものの車を動かすとやはり気にする様子が見られました。

 

 

外に立っている私を気にせず飛来したことを考えると、この個体は人間を怖がらないのではと考え剥き出しの身でじわりじわりと近寄ってみることに。

やはり気にする様子が見られず私の考えは確信に変わります。
この個体の性格が分かったことでここからは思うがままに観察。

 


今まで見たベニヒワのなかでも特に赤みの強い個体でしたが、腰にも赤みが出ていることに気付かされました。

 

 

時期的に考えると夏羽に移行していてもおかしくはないので、この赤みに関しては個体差ではないのかもしれません。

背面に関してはこれといって他の個体との違いは認められず。

 

 

下草の緑のなかでは頭部や胸の赤みがより一層映え、自然が織り成すコントラストを楽しむことができました。

まるで野苺のよう。

 

 

春らしさを表現できればとタンポポとのコラボを狙って撮影してみましたが、これがなかなか上手くいかず。

無理矢理絡めてみたものの一輪だけでは、かえって不自然な写真に・・・

 

 

私が観察してる間に羽を休めることはほどんどなく、餌を採っている時間がほとんど。

伸びのポーズも見せずただひたすら採餌を続けていました。

 

 

私が後退しなければピントが合わなくなるほど近寄ってくる場面もあり、雰囲気だけはド珍鳥。

しかしベニヒワは年によって渡来数が異なるものの、秋田県においてはそこまで珍しい鳥ではありません。

 

 

途中からは撮影を止めて肉眼での観察を続けましたが、特に変わった行動も見られなかったので一度観察を止めてヤツガシラの様子を見に行ってみることに。

前日私が見つけた個体は少し場所を変えたようでしたが、相変わらず観察は難しい状態だったので御仁の見つけた個体が戻ってきていないか確認してみると開けた場所で餌を採っていました。

 

 

前日は良い場面が見られずにいたので、この時は特に一つ一つの行動に着目。

ストレッチ的に両方の翼を開くと同時に冠羽が拓きます。

 

 

伸びをした場面でも冠羽が開きました。

 

 

冠羽が開くタイミングは様々ありますが、伸びの姿勢になった時には連動するように開くことが多いようです。

その他に大きな物音であったり何か驚いた場面でも冠羽が開きますが、歩いている時でも不意に開く場面も見られました。

 

 

ペットとして飼われる鳥では冠羽の開き方である程度の感情を読み取ることができますが、ヤツガシラに関してはちょっと難しいような気がします。

 


次に着目したのは採餌の場面。
地面を突っつきながら移動するヤツガシラですが、獲物を見つけると空中に放り投げるようにして捕食します。

 

 

この姿はヤツガシラを観察するうえで当たり前の光景ですが、こちらの個体は直ぐに食べることはせず一度地面に置いて突っつく様子が見られました。

獲物を弱らせてから食べているようで、このような行動を見るのは初めて。
その他に嘴で何度も挟み弱らせる場面も見られました。

ちょっと大きめの獲物を捕獲したヤツガシラ。

 

 

一体何の幼虫でしょうか。
皆目見当もつきません。

画像を拡大。

 

 

この時には執拗に嘴で挟み獲物を弱らせていました。

獲物がグロッキー状態になったところで空中へ放り投げて捕食。
ひょうきんな顔をしています。

 

 

次々と獲物を見つけては捕食を繰り返していましたが、思い出したように羽繕いをする場面も。

嘴が長いので部位によってはなかなか大変そう。

 

 

この後はオーソドックスな姿を撮影してみましたが、距離が近いことで構図が作り難くどれも図鑑写真に近いようなものばかり。

遠ければ遠いで文句を云って、近ければ近いで文句を云っているような気がします・・・

 

 

試行錯誤を繰り返しながらヤツガシラの撮影をしていると御仁から連絡が入り『ベニヒワ見てたらハギマシコが現れた』とのこと。

次から次へと観察対象が増え、この時期は体が幾つあっても足りません。

 

 

こちらの画像を撮影したところで場所を移動しハギマシコを観察することに。

しかし現地に到着して間もなく、通り掛かった車に飛ばされてしまいハギマシコを見たのは僅か数分。
我ながらこのタイミングの悪さには笑うしかありません。

数カット撮影したうち比較的ピントの合った画像を拡大します。

 

 

冬期間に見られるハギマシコの嘴は黄色ですが、時期的に嘴の色が黒っぽく変化していることが見て取れました。

短時間の観察でしたがこの点の違いを見ることができたのは大きな収穫。
この日を振り返ってみると春の珍鳥まつりにおいて今季一番の観察日となりました。

 


渡りのシーズンはまだまだこれから。
コロナの影響で秋田県もいつ外出自粛になるか分かりませんが、それまでの間また新たな出会いに期待してフィールドを回りたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。