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2023年1月28日

 

 

 

本日更新する日記は旅先の思い出を綴る観察旅行記。

 

今回の目的地は長崎県長崎市。

バードウォッチャーにとって冬の長崎県と言えば諫早干拓地を探鳥地として思い浮かべる方も多いことでしょう。

 

しかし今回の旅行でお目当てとしたのはこの時期に長崎市で開催されるランタンフェスティバル。

 

ランタンフェスティバルとは中国の旧正月を祝う行事“春節祭”を起源とする長崎の一大風物詩。

 

 

長崎市内の中心部に約15,000個にも及ぶ極彩色のランタン(中国提灯)や大型オブジェが幻想的に飾られ今年は3年ぶりの開催になるそうです。

 

旅慣れしていなかった2018年、旅先で目にした光景が強く印象に残っており当時を振り返ろうという思いから今回この旅行を計画し長崎県を目指しました。

 

 

2023年 野鳥観察の旅 in 長崎県 (1月)

 

 

10年に一度と言われた寒波の影響でこの週は記録的な寒さに見舞われ、出発2日前は秋田空港を離発着する便が全便欠航。

 

一時は旅の中止も覚悟しましたが、27日の最終便で秋田を離れ羽田空港へ。

 

 

第2ターミナル内のホテルに宿泊し朝一番の便で羽田を出発する予定でしたが、ホテルを一歩出るとターミナルは早朝から大混雑。

 

特に手荷物を預けるカウンターが行列となりこれではいつ保安検査を受けられるのか見当もつきません。

 

 

コロナに対する考え方も変わり羽田空港は嘗ての賑わいを取り戻しているようでした。

 

ここで役に立ったのが昨年のSFC修行。

半永久的に上級会員の資格を取得できたことからエコノミークラスの予約であってもプレミアムチェックインカウンターを利用することができます。

 

 

手荷物の預け入れと保安検査もスムーズに済ませることができ、SFC修行をしておいて本当に良かったと思わせられる一幕でした。

 

 

定刻よりも少し遅れて羽田を出発し機長からのアナウンスに耳を傾けると長崎空港周辺の気温は2℃とのこと。

強い寒気が南下した影響により長崎も異例の寒さとなっているようです。

 

 

無事に長崎空港へ到着しターミナルを移動するとあちこちにランタンが装飾されおり普段とは違った様子。

 

 

ランタンフェスティバルは日中から楽しむこともできますが、日が暮れると灯りが点され幻想的。

そのため明るい時間帯は諫早干拓地で観察を楽しむことに。

 

 

干拓地へ着いて間もなく目にしたのはナベヅルの群れ。

 

 

ツルと言えば鹿児島県出水市のツル飛来地を思い浮かべますが、こちらでも一定数が越冬しているようです。

 

この日の長崎は時々雪の舞うお天気で窓を開けて観察していると秋田と変わらないと思える寒さ。

 

体感的に寒さこそ変わらないものの田畑に雪は無く、北国の人間としては春先を思わせる印象を受けました。

 

雪の無い田畑で多く見られたのはタゲリ。

 

 

タゲリと同様にそこかしこでタヒバリも見られました。

こちらの個体は下嘴が長く奇形のようです。

 

 

暫く採餌の様子を見てみましたが、奇形の影響は全く感じられず活発に採餌をしていたことから生きていく上で支障はないでしょう。

 

何か目新しい鳥に出会えないかと思い車を走らせていると目の前を横切ったのはツクシガモ。

 

 

水路に降りたことを確認できたので暫し採餌の様子を観察。

 

秋田での記録は少ない種とあって私にとっては珍鳥扱いです。

 

 

干拓地では様々な鳥が暮らすため食物連鎖の成り立ちから猛禽類も多く見られ、確認できた猛禽類はチュウヒ・ハヤブサ・チョウゲンボウ・コチョウゲンボウの4種。

 

こちらは電線止まりのコチョウゲンボウ。

 

 

コチョウゲンボウはスズメ・カワラヒワ・アトリの群れに突っ込んでいくことが多く、その度に群れが一斉に飛び立ちます。

 

右往左往するアトリの群れ。

 

 

今季秋田県には万単位の群れが渡来しており、田んぼを埋め尽くす光景が見られたと地元紙で報じられていましたが、諫早干拓地でも同様の光景が見られました。

 

 

干拓地を回ると東側のエリアでツルの群れを見る機会が多く、傾向としてツルが集まりやすい場所になるのかもしれません。

 

こちらはマナヅルの群れ。

 

 

また東側のエリアでよく目にしたのはヘラサギ。

 

ツルと同様に東側で見られることが多く、同じ干拓地であっても種によって見られる場所に偏りがあると感じます。

 

 

ヘラサギは農業用水路で採餌をしているため移動している際に突然水路から飛び出してくることも。

 

その様な場合は間近で対峙することになり望遠レンズでは全身を写すことができません。

 

 

水路を含め干拓地の田畑を見て回りましたが、やはりナベコウの姿は見られませんでした。

 

以前はナベコウをお目当てとして県外から訪れるバードウォッチャーも多かったようですが、現在は残念ながら渡来が途絶えてしまったようです。

 

 

ナベコウに代わって今季の目玉とされていたのは11万羽を超すトモエガモの大群。

全国版のニュースでも報道があり、圧巻の光景を一目見たいと思っていましたが...

 

残念ながらトモエガモの大群は正月明けから見られなくなってしまったそうです。

トイレ休憩の際に現地の鳥屋さんから声を掛けられ抜けてしまった事実を知りました。

 

 

お目当てのトモエガモが見られないと知り干拓地での観察はここまでにしようと思ったところ目に入ったのはケアシノスリ。

 

 

トモエガモのお話を聞かせて頂いた際に今季は4羽入っているというお話もあったのでそのうちの1羽になるのでしょう。

 

この日の観察の〆として良い鳥を見ることができました。

 

 

短い時間でしたが干拓地での観察を楽しんだ後は諫早市から長崎市へ。

 

長崎市へ入るとランタンフェスティバルの開催期間中ということもあり何処も大渋滞。

 

宿泊先の駐車場は満車、付近のコインパーキングも満車ということで一時はどうなることかと思いましたが宿泊先の計らいにより何とか駐車スペースを確保することができました。

 

チェックインを済ませたところで先ずは最寄りの孔子廟へ。

 

 

以前の旅行ではすんなりと中へ入ることができましたが、今年は3年ぶりの開催とあってか入り口前に行列ができていました。

 

中の混雑具合いも物凄い。

 

 

孔子廟で開催されるのは変面ショー。


変面とは四川省の伝統芸能。

変面師のお面が瞬時に変わり、その仕掛けは中国の国家機密とされているのだとか。

 

本当かどうかは別として久しぶりに見る変面ショーはとても楽しく仕掛けが気になって仕方ありませんでした。

 

 

流石にここで望遠レンズを振り回す訳にはいかずスマホでの撮影。

こんな時にNikonのP1000でもあれば大活躍してくれることでしょう。

 

変面ショーを楽しんだ後は中華街近くのメイン会場へ。

 

 

メイン会場もまた大混雑。

 

 

中国を起源としたお祭りということもあり会場中央には七夕伝説をイメージした大型のオブジェが。

 

私が特に反応を示したのはカササギ。

 

 

雨で天の川が見えず会うことができないと悲しむ織姫と彦星の前にやって来たのがカササギです。

 

カササギは翼を広げて群れとなり織姫と彦星をつなぐ橋となったそうですが、この大型オブジェは七夕伝説を知るカップルにとってロマンチックに感じたのではないでしょうか。

 

会場にはタンチョウを模したランタンも。

 

 

以前は会場の雰囲気に圧倒され浮き足だっていたように思いますが、今回は気持ちにも余裕がありランタンを一つ一つ眺めることができました。

 

点在する会場を歩き回ったせいかお腹も空き中華まんを目当てに行列に並ぶこと45分。


やっと手にした中華まんの味は...

 

 

「コンビニの方がうめぇんじゃね?」

 

これもまた楽しい旅の思い出。

 

 

長崎の煌びやかな夜を満喫し、ほろ酔いになったところで盛り沢山の一日を終えました。

 

 

 

2023年1月29日

 

 

 

日程2日目の長崎市は少し気温が上昇して雨の降る生憎の空模様。

歌にもあるよう長崎は雨が多いのでしょうか。

 

ゆっくりとした足取りで宿泊先を後にし海沿いを南下する形で野母崎半島を目指しました。

 

軍艦島が見えてきた頃、防波堤の隙間からカツオドリが見えたような...

 

 

引き返し確認してみたところ見間違いではなかった事が分かり、釣り人の後をついて岩場へ移動するとカツオドリの狩りを比較的近い距離で見ることができました。

 

 

これはチャンスと撮影を試みましたが、空中で姿勢を変えてから飛び込むまでの速度が速くなかなか狙った姿を捉えることができません。

 

それならばと軍艦島を背景に撮影してみましたがこちらも今一つ...

 

 

次第にカツオドリたちが遠退いてしまったため車へ戻り移動を始めるとカツオドリの群れが乱舞する姿を目撃。

 

 

槍のような姿となり海へ飛び込む様子は動画で撮影。

 

 

群れが狩りを行う姿を一度は見てみたいと思っていただけに念願叶った瞬間です。


秋田ではカツオドリの記録が無いだけに、こうした場面に遭遇するのは運次第といったところでした。

 

 

一頻り観察を楽しんだ後はこの日のメインイベントとしていた樺島クルージングへ。

 

普段は釣り客の瀬渡しや樺島の観光案内をしている船ですがカツオドリの観察にも対応してもらえます。

 

 

港を出て間もなく見えてくるのはカツオドリの集団越冬地。

 

 

こちらで観察を行うのは今回で3回目。

生憎のお天気でしたが今回もカツオドリが飛び交う様子を間近で見ることができました。

 

 

崖を出入りする様子を観察したり、海へ飛び込む様子を撮影したりと楽しい時間が続きます。

 

 

肝心な飛び込みのシーンはやはり難しい。

 

 

ここまでは良いものの槍のような姿がなかなか撮れず、あと0.1秒でも早くシャッターを切ることができたら...

 

 

幾度となく撮影を試みた結果、何とか及第点としたのはこちらのシーン。

 

 

普段は然程連写することのない私ですが、個人的に好きな種とあってカツオドリだけで1000枚以上も撮影してしまいました。

 

こちらは1000枚以上撮影した画像のなかでも最も残念な一枚。

 

 

今回は狩りのシーンを見ることができたものの、小雨が降るなかでの撮影とあって色乗りが今一つ納得いきません。

 

 

この時だけでも青空であればと曇天を恨めしく思いましたが、流石にお天気はどうすることもできず“またいつか”と思わせられる結果に終わりました。

 

 

実質1泊2日の弾丸旅行はここまで。

 

今回は弾丸旅行となりましたが次の機会にはしっかりと日程を確保した上で長崎を再訪したいと考えています。

 

但し先のことですからまだ分かりません。

 

 

もし実現できたらまた違った旅行になるよう色んな要素を盛り込み計画を立てていきたいと思います。

 

次回は良い天気に恵まれますように...

 

 

2023年 野鳥観察の旅 in 長崎県(1月)はこれにておしまいです。