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2017年12月3日 11/1℃ 雨時々曇り




今日は所用のため観察はお休みする予定でしたが、急遽予定がキャンセルになったので通常運転。

今回の日記は少々マニアックな話題となります。


話は遡ること先月19日、コミミズクを見ていると少し離れた場所に白っぽい猛禽が止まりました。
シルエット的にはチョウゲンボウ。
しかし白っぽく見えるのは気のせいか?

撮影した画像を拡大。

 

 

この時は雲の隙間から陽射しを受けて忠実な色は再現できませんでしたが、やはりいつも見るチョウゲンボウに比べると色が淡いようです。

また胸から腹にかけての縦斑が細いという特徴も気になり、その場で簡易的に調べてみたもののしっくりくるような答えは見つからずに終了。


多忙な日々が続きすっかりとその存在を忘れていましたが、昨夜Twitterを見ていると知人が同じ個体と思われるチョウゲンボウを観察されたようでブログ更新の案内がありました。
訪問をしてみると至近距離からの撮影に成功したようです。

掲載された画像は細部に渡って特徴を捉えられていたので、そちらの画像を参考に改めて調べてみることにしました。


 

【色の淡いチョウゲンボウ】

こちらをキーワードに調べるとネットでヒットするのはチョウセンチョウゲンボウ。

チョウゲンボウの亜種になりますが、こちらは手持ちの図鑑にも掲載されていますがパッと見た目に容姿が異なります。

やはりしっくりくる答えが見つからず、これは腰を据えて観察する必要があると判断して今日は色の淡いチョウゲンボウに狙いを定めて観察に出掛けてきました。


先月姿を確認した場所に着き、辺りを見て回ると難なく発見。

 

 

色が淡いことで非常に目立ちます。

しばらく様子を伺っているとパッと飛び立ち狩りが始りました。

 

 

 

ホバリングをしながら獲物を物色します。

 

 

この行動は留鳥として一般的に見られるチョウゲンボウと同じです
冬鳥として渡来するコチョウゲンボウはホバリングをしません。

獲物を見つけて急降下。

 

 

ここで見せた動きが非常に変則的で私の目にはよく見るチョウゲンボウとは異なるように見えました。

獲物を捕まえるとその場で食べることはせず、少し高い位置へ運搬。
どうやら獲物はネズミのようです。

 

 

約一時間の間に2匹のネズミを捕まえましたが、どちらも同じ場所に運搬をして食べていました。

もう一匹捕まえた時の様子は動画で撮影をしたので補食シーンに抵抗のない方はご覧下さい。

 

 

食べ終わると嘴をゴシゴシと擦りつけたのでご馳走さまのサイン。
満腹になったのでしょう。

再び元の場所に戻り休憩に入りました。

 


私の観察経験では警戒心の強い猛禽類でも満腹になると動きが悪くなり比較的近い位置で観察することができます。

とは云え不用意な動きをすると警戒してしまうので、じわりじわりと距離を縮めてみることにしました。

もう望遠レンズのいらない距離まで接近。
伸びのポーズで羽の特徴がよく判ります。

 

 

警戒する様子が見られないので更に距離を縮めてみました。

やはりいつも見るチョウゲンボウと比べるとかなり淡色であることが見てとれます。

 

 

 

過去に撮影したチョウゲンボウの巣立ち雛と比較。

 

 

 

更に成鳥の画像。

 

 

どちらと比べても異なった色をしている事は明白です。

このように改めて観察してみると私の見立てでは亜種チョウセンチョウゲンボウの幼鳥だろうという答えに行き着きました。

 

 

手持ちの図鑑によると成鳥についての記載しかないものの『ユーラシアに広く分布するチョウセンチョウゲンボウは雌雄とも上・下面の黒色斑が小さく羽色は淡い傾向にある』と記されています。


ちょっとした違いがあると実は余所者だったということは往々にしてある野鳥の世界。
今日はそんな奥の深い世界を垣間見た、少々マニアックな日記はこの辺でおしまいです。

 


最後はおまけの動画。

 

 

また来週。