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2018年5月19日 15/8℃ 雨時々曇り




5月としては記録的大雨を観測した秋田市。

まるで梅雨末期のような大雨は過去最高の雨量となり市内の至るところが冠水しました。
この大雨で何よりも気掛りだったのが観察を継続していた育雛中のエナガ。

4月1日の観察日記では巣作り終盤の様子を綴りました。

 

【 4月1日撮影  親鳥 】

 

 

その後は約2週間の抱卵期間を経て、無事に孵化。

勿論、巣の中の様子を覗くことはできないので親鳥の動きからの推測です

孵化してから巣立ちを迎えるまでの育雛期間は約2週間で、ちょうどこの週末を巣立ち予定日と計算していました。


そこに18日、金曜日の大雨。
巣の中には巣立ち間際の雛たちが・・・

エナガの巣が雨に対してどれ程の耐性があるのか判りません。
万が一巣ごと雛たちが落ちてしまったらと考えてしまうほどの雨量で、営巣場所近くに住む友人に様子を見てもらうことにしました。


逐一入る情報。
外に出るのを躊躇う程の豪雨のなか『ずぶ濡れになりながら親鳥が必死に給餌してる』とその様子を撮影した画像が送られてきました。

 

( 友人撮影 )

 

 

しかし雨は激しさを増し遂に親鳥の給餌が止まったとの情報。
この時の時刻は正午過ぎ。

この日の給餌がこれ以上できないとしても何とか雛たちの飢えは凌げるかなと思える最低ライン。

雨は強まる一方で雨曇レーダーを確認すると強い雨を表す赤いエリアが次々と秋田市にかかっている状態でした。

 

 

そんな雨に耐えきれず巣の入り口付近が潰れてきたと悪い知らせが・・・


その後も雨は続きましたが夜になって漸く小康状態に。
テレビを見ると秋田市各エリアに発令される避難勧告のテロップ。

河川の氾濫、冠水、土砂崩れ、通行止めが各地で発生しているようでした。
私はエナガのことが気になりなかなか寝付けず夜明けを迎えると早朝の時間帯に友人から連絡が・・・


電話に出ると友人は涙声。

嫌な予感・・・



『巣立ってみんな並んで団子になってる』

聞いた瞬間慌てて家を飛び出ました。
今日は仕事でしたが連絡を貰ったのが早朝の時間帯だっただけに少し観察してから職場に向かっても充分間に合います。

しかし営巣場所へ向かう道中はあちこちが冠水し酷い状態。

その様子を撮影した動画です。

 

 

通行止めを回避して営巣場所へ辿り着くと巣から少し離れた場所で友人が指差す方向に雛たちの姿が。

雛がたちが一列に並ぶエナガ団子です。

 

 

こちらには7羽の雛が写っていますが横枝を隔ててもう2羽並んでおり、合計で9羽の雛が無事に巣立ちました。

この時も小雨のパラつくお天気。
通常は悪天候を避け天気の良い日に巣立ちを迎えますが、雨と巣の様子を鑑みて早朝に親鳥が巣立ちを促したようです。


激しい雨に堪えたエナガの巣。

 

 

巣穴が少し変形してしまいましたが苔とクモの糸を縫い合わせ羽毛をたっぷり敷き詰めた巣は、雛たちを風雨から守り私の想像を遥かに超える丈夫なものでした。

無事に巣立ちを迎えた嬉しさの他に、もう1つ嬉しいことが。
団子になっている雛たちの側に成鳥が3羽いて給餌するシーンが見られました。
どうやらヘルパーのようです。

もしかしたら豪雨のなかでも給餌を手伝っていたのかなと想像させてくれる仲間思いのエナガのお話はこれにておしまいです。

 

 

※20日、日曜日の観察日記は後日更新します。