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2019年4月6日 11/6℃ 晴れ時々曇り




春の珍鳥まつり。

渡りのシーズンは観察する者にとって楽しいシーズンでもあり同時に気を揉むシーズン。
不安定な天候が続いていた秋田県ですが、今日は久しぶりに好天が予想され何かが出る予感。

淡々と仕事をこなしていると『 〇〇確認 』といった具合に次々に寄せられる珍鳥の便り。


お腹が痛くなってきた・・・

お昼まで仕事をしましたがあまりの痛みに耐えきれず午後から有給休暇。

車に乗り込み職場を出た瞬間、何故か分かりませんが急に治まる腹の痛み。
本当に不思議な症状でした。


体調も良くなったことなので時間は有効に使わなければなりません
そんな訳で野鳥観察へ。

今回は普段誰も行かないような穴場スポットにヤツガシラが2羽出たとのことで、鳥友さんの案内で現地入り。

しかし私が到着した時は『ヤツガシラが見当たらない』とのことで捜索を開始すると・・・

 


「 うわ、近くにいた 」

 

 

慌てて引き返しました。

と言うのも、ヤツガシラの警戒心は個体差が激しくスマホで撮れるような個体もいれば人の姿形に敏感な個体もいるようです。
今回見られたヤツガシラは後者のようで、車内からの観察がベスト

 


車に乗り込み様子を伺っていると不意に飛び立ち場所を移動しました。

 

 

あらぬ方向へ飛んでしまったので見失わないよう行く先をしっかりと目で追います。

降りたところを確認して其方へ行ってみると・・・

 


う~ん、可愛い。

 

 

こんな容姿のせいもあってかヤツガシラはバードウォッチャーに大人気。

旅鳥に分類されていて今時期になると全国各地で見られるようですが、個体数が少なく日毎に場所を移動してしまうため狙って会うことは難しい野鳥です。

1羽でも会えたら幸運とされるヤツガシラがペアともなると何とも贅沢なお話でしょう。

 

 

しかし今季は2012年以来、ヤツガシラの当たり年と言えると思います。

先月から石垣島・沖縄本島の様子を探っていましたが観察例が相次いで報告されていました。
現地の方の話でも今年は個体数が多いとのことで、未だヤツガシラの渡来は続き次々に北上しているようです。


秋田県での確認は例年3月下旬頃ですが、カレンダー通りといった具合に今季初の渡来が確認され、つい先日はTwitter上で民家に飛来した様子の画像も投稿されていました。

 

 

今日については鳥友さんがこちらで2羽確認したのと同じ頃、別の場所でもバーダー氏が1羽確認していたようです。

暫し観察をしているとカラスがちょっかいを出したことでヤツガシラは再び飛んでしまいました。

 

 

画像では伝わりませんが本当にこれでよく渡ってるなといった印象

フワリフワリといった具合いで何処かカケスの飛び方に似てるようにも思えます。
端から見ると飛ぶのが苦手なのかとも思われるのではないでしょうか。

カラスに追われたヤツガシラは民家の敷地に入ってしまい、目視で確認できなかったことから高台に移動し見下ろす形で動向を見守ることにしました。


暫くすると三度カラスに追われて飛び立つヤツガシラの姿が目に入りましたが、視界の片隅に別のヤツガシラが・・・

 

 


「 見間違いでなければヤツガシラが3羽いる 」

このことを鳥友さんに伝え辺りを捜索してみると・・・

 


見間違いじゃなかった。

 

 

ヤツガシラを3羽同時にフレームに収めた貴重な瞬間。

ここまでがざっくりとした今日の経緯になります。
この後は3羽のヤツガシラを“観察”に拘り間近で見た際の様子へ


人間の姿形は警戒するヤツガシラですが、車に対しては驚くほど警戒心を見せません。

車内から見ていると肉眼でじっくり観察できる、そして手に届きそうな位置まで近寄ってくることもあります。

 

 

一日の大半は餌採に費やしてるのではと思うほど、餌を探している姿がほとんど。

長い嘴を地面に挿し込み地中の虫を探しています。

 

 

何かセンサーでも付いているのかと思わせるほど次々に虫を見つけ、見つけた虫は上に放り上げて口の中へ。

行儀が悪い訳ではありません。

 

 

観察をしていて分かったことは餌を探すことに長けていても、意外と不器用であるということ。

虫を捕まえてから口に運ぶまで地面に落としてしまうといった様子を何度も目にしました。


この時に餌となっていたのは何かの幼虫とクモがほとんど。

特に気になったのが此方のクモ。
画像を拡大。

 

 

猛毒のセアカコケグモかと思いましたが、調べてみると違うようです。

しかし刺激的な味だったのか次々に開く冠羽。
秋田は桜より一足早くヤツガシラが満開です。

 

 

伸びのポーズを見せた時に連動する形で冠羽が開きますが、感情の起伏でも冠羽が開くようです。

採餌の様子を動画で記録していると通り掛かった車から大きな音がして驚いたヤツガシラの冠羽が開く様子を録ることができました。
採餌の様子と併せてご覧下さい。

 

 

今日の最大の収穫は地鳴きを聞くことができたこと。

声量は小さく濁った声でしたが、間近で観察できたからこそ聞くことができました。

 

 

2012年を振り返ってみると、およそ1ヶ月間ヤツガシラをあちこちで観察することができましがおそらく今季も同じようになるのではないかと思います。

次の当たり年はいつになるか分かりませんし、今季はこのチャンスを活かして様々な角度から観察するのも良いのではないでしょうか

 

 

最近よく話題にする風力発電。
秋田県沖に計画されている洋上風力はこのヤツガシラにも大きな影響を与えると思います。

日本海側の島嶼を通過する個体が多く、秋田県を通過する際にリスクが非常に高いでしょう。

 

 

この手の話題になると暗くなりがちですが、何かのきっかけで日記を見て頂いた方にも風力発電が鳥に対する影響が大きいことを知ってもらえると幸いです。

本日の最後はお腹いっぱいになったのかウトウトし始める様子を収めた動画でおしまい。

 

 

※7日(日曜日)の観察は盛り沢山になったので更新が少々遅れます。