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2020年5月3日 25/13℃ 晴れのち曇り




大型連休初日。

今年のゴールデンウィークは新型コロナウイルス感染症拡大に伴い今まで経験のしたことのない連休となりました。

ショッピングモールは閉鎖され、コンビニのトイレも使えず、飲食に関わるお店は営業を自粛する一方で自治体も対応に追われているようです。

私はこの連休中、旅先でバードウォッチングを行う予定でしたが、非常事態宣言が発表された先月に旅行をキャンセル。
それから間もなくして越境の自粛を呼び掛けられるほど事態は悪化し今日に至りました。


幸い私の住む秋田県では市中感染が確認されていないこともあり、地元でバードウォッチングをするにあたって通常運転が可能だったので今年の大型連休はいつもの観察地を隈無く回ることに。

連休最初に観察をしたのはヒメコウテンシ。

 

 

渡り鳥が多く観察される男鹿半島では2羽のヒメコウテンシが其々別の場所で見られ、先月30日~今月5日まで滞在が確認されたようです。

始めに見た個体は警戒心が強くなかなか近距離で見ることはできず、過去に観察を行ったなかでも一番「渋い」と思わされる個体でした。

 

 

そんなこともあり場所を移動して別個体の観察へ。

こちらで見られた個体も微妙な距離感。

 

 

可もなく不可もなくといった距離でしたが、地面を這いつくばるようにして移動しながら採餌する様子を観察していると突然小走りに移動することがあり、一体何故このような行動をしているのか注視していると原因は餌にあることが判明。

採餌を観察していてそのほとんどが腹這いのような姿勢で下草の種子を啄みますが、クモを見つけると途端に動きが速くなり捕食をしていました。

 

 

なかなか近くで見ることができずにいたところ、付近を通り掛かった車を警戒して私の直ぐ傍に飛来。

願ってもないチャンス。
腹這いのような姿勢から一変して、背筋を伸ばすような姿勢に変化していることから警戒している様子が伺えます。

 

 

3月に観察することができた同じヒバリ科のコヒバリが非常に淡い羽色だっただけに、地味な鳥ながらもヒメコウテンシは褐色みが強く感じられました。

観察を続けると車の往来が多くなり次第に落ち着きが無くなって道路に飛び出る場面も。

 

 

ヒメコウテンシの観察中、いつもの御仁から連絡がありエリマキシギを観察しているとのことでした。
何でも白いタイプのエリマキシギだそうで、前日の発見から継続して観察を行っているそうです。

ヒメコウテンシを納得できるところまで観察を行い、情報のあったエリマキシギを見に行ってみることにしました。

 


現地に到着して直ぐ目に入ったエリマキシギ。
なるほど、これは白い。

 

 

エリマキシギの夏羽はバリエーションが豊富で完全に換羽した状態を一言で表すとゴージャス。

しかしその姿を日本国内で見ることは難しく、稀に早く換羽した個体が見られるようですが私はそのような個体を目にしたことがありません。

 

 

しかしながら今回見ることができた個体は過去に観察したタイプと異なり、初見の鳥を見ているかのようでした。

観察時は風の影響で羽が捲れ上がることが多く見られましたが、背中の羽だけが風向きに関係なく逆立っています。
変な癖でもついたのかと思いきや、これはエリマキシギに見られる独特な特徴なんだとか。

 

 

個人的な印象としてはF-15のエアブレーキが作動しているかのよう。

参考画像。

JASDF 6W 306SQ F-15J

 

 

今まで観察した個体でこのような特徴を示した者はいなかったので、決して歩行速度を減速している訳ではないということを知ることができました。

同じ水田にはタカブシギの姿も。

 

 

今年はタカブシギの渡来数が多いように感じます。

こちらの田んぼで見られたシギはどの個体も警戒心が薄かったため目の前に来ることも屡々。

農道に止まる車は全く気にしていない様子でしたが、気の強いケリの鳴き声や周囲を飛ぶ猛禽には敏感に反応し上空を気にする様子が多々見られました。

 

 

餌は土壌に潜むミミズが主で、嘴を挿し込み見つけては捕食を繰り返します。

採餌方法に関しては特に注視すべき特徴は見られませんでしたが、このエリマキシギは捕まえたミミズを水洗いすることが多く、そちらの場面を拡大。

 

 

几帳面な性格なのでしょうか。

暫く採餌する姿を観察していると農家さんが田んぼの見回りへ。
流石に警戒心の薄いシギたちと云えど農家さんが軽トラから降りたタイミングで一斉に場所を移動しました。

 

 

こちらに移動してから紆余曲折を経てエリマキシギを目の前で観察できた時間も。

この田んぼでは畔の側面に嘴を挿し込んでの採餌。
いつも思うことですが鳥は一体どの様にして獲物を見つけだしているのか。

 

 

何かセンサーでも搭載しているのかと思うほど的確に獲物を引っ張り出します。

 

モデルさんが目の前までやって来るサービスタイムもあり180°反転したところで隣の田んぼへ移動。

 

 

そちらで採餌を済ませると元に居た田んぼに戻りタカブシギやタシギと行動を共にしていました。

 

何が切っ掛けでこのような行動をしたのか分かりませんが、タカブシギを追い立てる場面が。

 

 

併せて伸びの姿も披露。

 

 

一頻り採餌をしてお腹が満たされたのか畔に移動しすると羽繕いを始めました。

これからまた繁殖地を目指し長距離を移動するので羽のお手入れは大事な作業です。

 

 

ハート柄の羽に魅せられてパートナーとなるメスは一体どんな個体なのでしょう。

襟の部分の羽も伸長しているようなので、この後はどのような変化があるのか見てみたいと思いますが流石にそれは叶いません。

 

 

羽繕いを終えたところで一休み。

この後カルガモに居場所を追われながらも暫しの休憩に入っていました。

 

 

連休初日はこのようにしてヒメコウテンシとエリマキシギをじっくりと観察することができ充実の内容。

幸先の良いスタートを切れたことで2日目も期待しましたが・・・
そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。