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2020年5月4日 22/12℃ 晴れのち曇り




大型連休2日目。

この日は早朝から自宅近くの公園や神社で探鳥を行いました。
渡りの珍鳥や渡来して間もない夏鳥を期待して歩き回ってみたものの結果としては空振り。

そんな期待と裏腹に見ることができたのはお立ち台に乗るキジの姿

 

 

作り込まれたような場面に遭遇し、興奮しながらもこの雰囲気を壊さないよう構図を考え撮影しました。

連休中に観察した鳥のなかでも一番良い場面を捉えることが出来たと思います。
別のタイミングで撮影したこの写真もなかなかのお気に入り。

 

 

決してきびだんごで餌付けは行っておりません。

公園や神社では期待していたような鳥との出会いはなかったので、一定の時間で見切りをつけて観察場所を移動。

 


移動した先で見ることができたのはこの時期の風物詩とも云えるユリカモメの大群。
田んぼに水を張り、代掻きが始まるとムナグロたちと入れ替わるように何処からともなくユリカモメが大挙して押し寄せます。

風景と絡めた写真でも撮ろうかと何気なく群れを見ていると、ピンク色のユリカモメが1羽混ざっていることに気が付きました。

 

 

例年この時期は万単位のユリカモメを見ることができますが、この様な個体を目にしたのは初めて。

一体何者であるのか気になりましたが、調べるよりも先に目の前に居る個体の観察に集中しました。

 

 

大きさに関しては他のユリカモメと同大。
嘴の長さや初列風切の特徴など注意深く観察しましたが、違いを感じるのは胸から腹にかけての羽色だけ。

強いて言えばウソと亜種アカウソを見比べているかのようです。

 

 

より特徴が分かりやすいようにと当初装着していたズームレンズから単焦点レンズに付け変えたところ、何故かピンク色が忠実に再現されず・・・
2枚目からは単焦点レンズでの撮影分ですが、実際の見た目はかなりピンク色の羽をしています。

 

 

後から調べてみて分かったのが、こちらの個体は食性による色素の変異個体であるということ。

エビやカニなどの甲殻類に含まれるカロテノイドの一種で、赤色の天然色素が体内に取り込まれることで羽色に変異をもたらしたようです。

簡単に説明すると「カニ食い過ぎて赤くなっちゃった」というお話

 

 

今回のユリカモメは新たな発見であり、風変わりな観察となりました。

この後はツルシギを探して車を走らせていると水路に沿う形で飛翔するチュウヒの姿が。

 

 

秋田では少数の個体が越冬しており真冬でも見ることがありますが、今時期は漂鳥として南下していた個体が戻ってくるのであちこちで姿を見かけます。

残念ながらお目当てのツルシギは見つからず水路沿いで目にしたのはセイタカシギのみ。

 

 

毎年同じ場所に渡来していたツルシギは環境が変化したことにより渡来が確認できなくなり、真っ黒に換羽した姿を見ることができなくなってしまいました。


この日の観察で気になったのが夏鳥として渡来するコムクドリの個体数。

ムクドリ並にと云えば言い過ぎかもしれませんが、ほんの数年前まで居て当たり前の存在で何処でも見られるといった印象でしたが意識して探してみたところ個体数が減少していることに気付かされました。

 

 

まだ至るところで目にするものの、以前に比べると確実に遭遇率が減っています。

今回はコムクドリの減少に気付かされましたが、以前から個体数の減少を感じていたのがアリスイ。
コムクドリと同様に夏鳥として渡来しますが、鳴き声を頼りに探してみたところ声を確認できたのは2箇所のみ。

1羽は目視で確認できたものの残念ながら証拠写真も撮らせてもらえず観察には至りませんでした。

 


そんな折り、突如飛んできた戦闘機。

 

 

立て続けに2機飛んで行ったのでスクランブルのF-2かと思いましたが、画像を拡大して確認してみると米軍35FWのF-16。
考えてみると三沢のF-2は移動しており、現在運用しているのは新編された302SQのF-35Aであることをすっかり忘れていました。

しかしながら米軍は最低高度を守らない。
この時もかなり低空で通過して行きましたが、これが原因で比内鶏が死んでしまうことがあります。


話がだいぶ脱線してしまいましたが結果としてこの日は目的とする鳥を観察することができず、どれも尽く空振り。
まともに観察することができたのは早朝に遭遇したニホンリスでした。

そんな訳でここからはリスの観察記。

雑木林を歩いて探鳥していると『キュキュッ』というリスの鳴き声が。
周囲を見渡すと幹の樹皮を剥がしているリスの姿を見ることができました。

 

 

繁殖期を迎え巣材を集めているようです。

巣材を咥えて移動を始めたところ、巣材を落としそうになり慌ててぶら下がるような場面も。

 

 

こちらの個体は雌でしたが付近では雄の姿は見当たらず。

雌が単独でせっせと巣材を集め杉の木の高いところに運搬しているようでした。
営巣場所から枝伝いに移動すると桜の木へ。

 

 

観察する側からするとリスの行動は行き当たりばったりのように見え、何をしたいのかさっぱり分かりません。

幹を伝って降りてきたかと思えば桜の花弁を食べ始めました。

 

 

ちょっと食べたかと思うと今度は幹を駆け上がり細い枝先をスルスルと移動します。

この後は枝から枝へと跳び移ることが予想できたので、決定的シーンを収めようとカメラを構えて・・・

 

 

上手いこと撮れました。

 

 

枝から幹へと移動したリスは林の奥へと姿を消し残念ながら観察はここまで。

野鳥とは違った観察の面白さがあり生き物好きの私にとってはとても楽しい時間でした。

幸先良くリスの観察から始まり、良い一日になるかと思いきやお目当ての鳥には全く出会うことが叶わなかった連休2日目。

この日の反省点を踏まえ、翌日3日目はフィールドを変えて観察を行うことにしました。

その様子は後日更新の日記へ続きます。